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変死 第44話

「もう! 何をしているのよ、拓哉!」





「私を殺す気?・・・・」





 何もできなかった拓哉に、茉里が食って掛かった。





「悪かったな・・・・」





 拓哉はそう言いながら、





 茉里の足元へ目を向けた。





「・・・・ん?」





 そこには――





 つい先ほどまで狼男のような怪物だったものが、





 人間の姿へ戻っていた。





 そして、その顔は・・・・。





「南部・・・・」





 拓哉は思わず、その名前を口にした。





 死んだはずの南部が、そこに倒れていた。





 しかし――





「・・・・本当に、南部なのか?」





 拓哉は、目の前の遺体を見つめながら、





 何とも言えない不気味な感覚に襲われていた。





 数日後――。





 拓哉は、茉里がまとめた資料と、青森での一連の事件についての調査結果を持って、





 直接の上司である糠田警視総監のもとを訪れていた。





「・・・・以上が、今回の事件についての調査結果です」





 拓哉は、まとめた資料を糠田へ手渡した。





 糠田は何も言わず、資料に目を通していく。





 やがて、拓哉が部屋を後にしようとした、その時だった。





「・・・・拓哉捜査官」





 糠田の声が、背後から聞こえた。





「はい?」





 拓哉が振り返る。





 糠田は資料から目を上げ、拓哉をじっと見つめていた。





 そして――





「君に渡していた、特別な警察手帳だが・・・・」





「ここに置いていってもらおうか?」





「・・・・え?」





 拓哉の顔から、表情が消えた。





「どうして・・・・?」





 糠田は何も答えなかった。





 ただ、拓哉の持つ特別な警察手帳を見つめている。





「・・・・今回の事件と、何か関係があるんですか?」





 拓哉が尋ねる。





 すると糠田は、





「・・・・君は、今回の事件で何を見た?」





 静かな声で、そう訊いた。





「・・・・!」





 拓哉は言葉を失った。





 糠田の目には――





 いつもの上司としての表情とは違う、





 何かを知っている者のような、





 冷たい光が宿っていた・・・・。

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