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変死 第40話

 茉里は、科学警察研究所にある自分の部屋で、





 南部の遺体から発見された不可思議な事実を、





 一つ一つ、事細かにまとめていた。





 胃の中から見つかった、人間の骨らしきもの。





 そして――





 通常の人間とは明らかに違う、鋭い犬歯。





「・・・・一体、何なのかしら?」





 茉里は、資料に目を落としながら小さく呟いた。





 その時だった。





 誰もいないはずの廊下から、





 かすかな気配が近づいてきた。





 ――コツ・・・・





 ――コツ・・・・





 しかし、その足音はすぐに消えた。





 茉里は、それに気づくことなく、





 黙々と資料をまとめ続けていた。





 やがて――





 茉里の部屋の前に、一人の人影が立った。





 その人物は周囲を確認すると、





 ゆっくりと部屋のドアへ手を伸ばす。





 そして――





 ドアノブに手を掛けようとした、その瞬間。





「そこまでだ!・・・・」





 突然、暗かった廊下に明かりが灯った。





「えっ・・・・?」





 人影が驚いて振り返る。





 すると、廊下の物陰に身を潜めていた拓哉が、





 拳銃を構えながら姿を現した。





「動くな!」





 拓哉の鋭い声が、静まり返った廊下に響く。





 すると――





 人影は慌てて両手を上げた。





「わ、分かりました・・・・」





 その声を聞いた拓哉は、





「・・・・ん?」





 何かに気づいたように、目を細める。





 そして、相手の顔を見て驚いた。





「お前・・・・」





 拳銃をゆっくりと下ろす。





 そこに立っていたのは――





 綾乃だった。





 綾乃もまた、驚いた顔で拓哉を見つめている。





「一体、なんですか?・・・・」





「何でお前が、こんなところにいるんだよ?・・・・」





 拓哉は、困惑した表情で綾乃に尋ねた。





 綾乃は、しばらく拓哉を見つめたあと、





「それは・・・・」





 何かを言おうとして、口を閉じた。





 その様子を見た拓哉の表情が、再び険しくなる。





 ――なぜ、綾乃はここに来た?





 そして――





 茉里がまとめている、南部の遺体の調査資料を知っているのか・・・・。

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