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変死 第39話

 茉里は、驚きを隠せない拓哉の顔を見つめながら、





「それだけじゃないのよ・・・・」





 そう言って、南部の遺体へ視線を向けた。





「この人の胃の中から、人間の骨らしきものが見つかっているの」





「・・・・人間の骨?」





 拓哉の表情が強張る。





 茉里は頷いた。





「ええ・・・・」





「それに――」





「歯にも、普通の人間にはないような、鋭い犬歯があるのよ」





「・・・・犬歯?」





 拓哉は、南部の遺体をじっと見つめた。





 頭の中に、青森で見たあの獣の姿が蘇る。





 鋭い爪。





 人間とは思えない身体。





 そして、自分が銃で撃った、あの獣・・・・。





 拓哉は思わず息を呑んだ。





 茉里は、そんな拓哉の様子を見ながら、





「ねぇ、拓哉・・・・」





「一体、この人は・・・・何なのかしら?」





 その言葉に、拓哉は答えられなかった。





 そして――





 黒塗りのハイヤーの中で、亀崎が言っていた言葉を思い出した。





 『証拠がない。君がこんなことを上司に報告したところで、ただの空想だと思われるだけだろう』





 拓哉は、何かを決意したように茉里を見ると、





「なぁ、茉里・・・・」





「今、分かっていることだけでいい」





「すぐに全部まとめて、俺のところに送ってくれないか?・・・・」





 茉里は少し意外そうな顔をした。





「まあ・・・・それはいいけど」





「・・・・極秘で?」





「ああ・・・・」





 拓哉は小さく頷いた。





「極秘で、大至急頼むよ!」





「分かったわ」





 茉里が頷く。





 拓哉はもう一度、南部の遺体を見つめた。





 ――南部は、いつ死んだのか。





 ――自分が撃った、あの獣は何だったのか。





 そして――





 ――亀崎は、この事件について一体どこまで知っているのか・・・・。





 いくつもの疑問を胸に抱えたまま、





 拓哉は科警研を足早に後にした・・・・。

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