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変死 第12話

 南部を加えた拓哉達は、これから何処から調査を始めるべきか、頭を悩ませていた。


「さて……。何から調べますか?」


 拓哉が南部に尋ねると、南部は事件が起こった牧場に印を付けた地図を机の上に広げ、

 じっと見つめた。


 そして、幾つかの牧場を指差しながら、


「まずは、それぞれ事件が起こった牧場の周辺を調べてみましょう」


 と言った。


「牧場そのものじゃなくて、周辺を?」


 拓哉が尋ねると、南部は頷いた。


「ええ。牛が死んだ原因が牧場の中だけにあるとは限りませんから」


「なるほど……」


 拓哉は南部の言葉に納得すると、地図を覗き込んだ。


「それなら、ここから一番近い牧場の周辺から調べてみましょうか?」


 拓哉が地図を指差す。


「そうですね」


 南部は頷き、地図を畳んだ。


 拓哉と南部は、そのまま駐車場へ向かい、拓哉の車に乗り込んだ。


「綾乃! 早く乗れ!」


 拓哉が車の窓から声をかける。


 だが――。


 綾乃は、その場に立ち尽くしていた。


 彼女は、南部が先ほどまで見ていた地図を思い出していた。


 『……何だろう?』


 事件が起こった牧場。


 それぞれ離れた場所にあるはずなのに――。


 『何か……変』


 綾乃は胸の奥に、説明のつかない違和感を覚えていた。


 もう一度、南部が持っていた地図を見ようとした、その時――。


「何してるんだ! 置いて行くぞ!」


 拓哉の声が響いた。


「は、はい!」


 綾乃はハッと我に返ると、慌てて拓哉の車へと駆け寄った。


 後部座席に乗り込む綾乃。


 車はゆっくりと大学の駐車場を出て、最初の調査地点へと向かい始めた。


 だが――。


 綾乃の頭から、あの地図を見た時に感じた違和感が消えることはなかった。

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