変死 第11話
「……なら、一緒にこの事件を調査しませんか?」
拓哉は南部の顔を見つめながら、そう言った。
「私達と一緒に、この奇妙な事件を調べてほしいんです」
南部は少し驚いた顔で拓哉を見つめた。
「私が……ですか?」
「ええ。先生は、この辺りで以前から起きている牛の変死について詳しい。
それに、俺達だけでは分からないこともある」
拓哉はそう言って、机の上に置かれている写真に目を向けた。
「この事件……何か普通じゃない気がするんです」
その言葉に、南部の表情が僅かに曇った。
すると綾乃が慌てたように、
「で、でも……いいんですか?」
と拓哉に尋ねた。
「何が?」
「大学教授とはいえ、南部先生は警察関係者ではありませんよね?
そんな部外者を事件の調査に加えて……」
綾乃は心配そうに拓哉を見る。
すると拓哉は、
「後で糠川総監には、俺からちゃんと報告する」
と言った。
そして、南部を見ながら、
「責任は俺が取る」
と、はっきりと言った。
「拓哉さん……」
綾乃は少し呆れたような顔をした。
「まったく……いつも勝手なんだから」
「いいだろ。今回はそれだけの価値がある」
拓哉はそう言うと、南部に向き直った。
「先生。協力してもらえますか?」
南部は暫く黙っていた。
やがて、ゆっくりと頷く。
「……分かりました」
「ありがとうございます」
こうして――。
拓哉、綾乃、そして南部の三人で、青森で繰り返される牛の奇妙な変死事件を調査することになった。
だが、三人はまだ知らなかった。
この事件の背後には――。
牛の変死だけではなく、この土地で何十年にもわたって隠されてきた、
ある奇妙な出来事が存在していることを。




