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ARTEMA SAGA  作者: ロゼオ
第2章 レインボーガーデン
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マリちゃんを殺したのは誰だったのか。

この世界を生きている限り、いずれぶつかる事になるだろう。

その時は容赦なく叩き斬る。


段々見えてきたこの世界の全貌。

西側でジンを裏で操る者たちや東側で科学を極める零社。

彼らがもし手を組んでいるとしたらーー?


そうなった場合頼みの綱はヒロナ帝国だった。

大切なモリガンの御守りを授かった今、俺達が成すべき事とは。

俺が首に下げた御守りを鎧の上から意識していると、セレナが口を開いた。


「十字の御守り……北西の国で見つけた『アルマクルス』って言うんだ」


「アルマクルス……?」


「私じゃその真価を発揮できなかった。異世界人のキミならどうかなって」


不意に見せたセレナの無邪気な表情に若干ドキッとさせられた。

そうーー男っぽいからって彼女が恋愛対象に入らないとは限らない。

とは言えこのゲームは一回きりだ。

俺は悪魔でクレラルートで行く。

で、アルマクルスの真価って?


「潜在能力を限界にまで引き出す効果って言えばいいのかな。でもこの事は秘密だよ」


思ったより早くクールなセレナさんの素顔を拝見出来そうだった。

それに俺とて、まだアルマクルスの真価を引き出せてるとは言えない。

だが粘り強く、この首飾りは身につけておくべきだった。

ゴーレム「テレサ」の事もあるしな。


マリちゃんは懸命に着いてきていたが、やがてその足は止まった。

亡霊の森の中でも生き来できるのは此処までか。


「本当に良いの?敵について聞かないで」


「嫌なことは認識させない方がいい……」


クレラの言葉に俺は小さく言った。

いずれこの世界の闇とはぶつかるはずだ。

あんな立派なビルを構えた零社が交渉先を探さない方がおかしい。

これから行く共和国とやらはどうなのか……。

俺達はマリナとの別れの挨拶を済ませ、やがて森を抜けた。


「ファンタジアまであと少し、頑張ろ!」


クレラお前は明るいな。

見れば煉瓦の道がずっと南の方まで続いているのが見て取れた。

あの道を行けばファンタジアまで最短で辿り着けるだろう。


「裏魔法が使えるホワイトロックが心配だ。喩え注射の効果を持ってしても良心を維持できる可能性はある。だから尚更心配だ」


ジン王国の政府は裏魔法の存在を危惧していた。

二人ではなく三人……?或いは四人の連携技で何かが成せる。

それを政府の裏の者は恐れているんだ。

零社と手を組んでいる可能性は百パーセントではないが、早いとこホワイトロックを連れ戻さないと取り返しのつかない事になる。


「今晩、彼女について占ってみるよ」


占星術を使えるアニキが味方なのはせめてもの救いだ。

それにしても凄腕占い師リクの言っていた、この世界は只のゲームではないという情報。

ならば尚更この世界の悪とは対立しなければならない。

これから向かう「ファンタジア」に希望はあるのか。


「で、どう思う?マリナを殺した奴について」


「獣によるものかもしれないだろ?」


「だとしたら狼と打ち解けないと私は思うけど」


俺、アニキ、クレラが口々に話す。

アニキの占いは一日一回きり。

ならば翌日にはマリちゃんについての占いを。

急を要すのはホワイトロックの方だった。


(サイからのテレパシーも一方通行だからなぁ。アスカ達無事だといいけど……)


煉瓦の道を歩いていると近代魔法を駆使したような街並みが見えてきた。

旅をしてると良い事だってある。

少なくともこの時はそう思っていた。


「北西の国に行ったことあるんだ?」


「ああ……アーティファクトでひとっ飛びさ」


アーティファクトはセレナの飛空艇の仇名だった。

聞けば今彼女の飛空艇は天空島にあると言う。


「ポセイドン達の強さって?」


「その為のキミのアルマクルスさ」


セレナさんは俺の不安を煽るような発言はしなかった。

だがあのセレナが負けるくらいだ。

アニキたちも刺し違える程の覚悟が必要かもしれない。


冬を司るエリザベス。

彼女が消えればこの世界は終わりだった。

気温は瞬く間に上昇し、砂漠が増える事になるのか。

ソーイアロの娘エリザベスに、モリガンの娘ヒロナとクレラ。

アレサンドロにも子孫は存在するのだろうか。


「アレサンドロ・ジュニアは長らくファンタジアに滞在中ですよ」


レダスの言葉にちょっとだけ胸が躍った。

アレサンドロの鎧を身に纏う者として挨拶は欠かせないだろう。


(マリちゃんを殺した奴についてはいずれ潰す……その時彼女は成仏できるはずだ)


一度森の方を振り返った俺はフーッと息を吐き、ファンタジアに足を踏み入れるのだった。

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