第73章 - デ......デモ....デーモン!!!!!!
※本話には激しい戦闘描写・流血・死亡描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。
「きゃあ」が言葉の途中で死んだ。
アリッサは笑みが凍るのを感じた。顔から引き剥がされて石に落とされたかのように。漆黒のスライムがそこに立っていた。小さく一見無害で、それでも突然すべてが間違っていた。歯だけではない。あまりに多すぎる列だけでもない。その背後のあの沈黙。あの短く空の静止。通り自体が息を止めているかのような。
かわいいスライムじゃない。
そうふりをしている何か。
傍でスマラグドが鋭く息を吸った。さっきの笑いの時とは違う。今は認識の音。
アリスの視線が一瞬で観察から行動に傾いた。アリッサの袖を掴み、半歩後ろの家の角の影に引き、囁いた。「見つめないで。群衆を見て」
アリッサが瞬きした。
理解した。
人間は凍る。人間は走る。人間は鎖を作る。人間は望まずに他人を踏みつぶす。
これは芝居じゃない。
攻撃だ。
---
黒いスライムが甲高い叫びを上げた。
あまりに鋭く、音が頭蓋を直接切るかのように感じた。耳に留まらなかった。歯に噛みついた。
そして街中で硝子が砕けた。
破片の雨だった。窓枠と屋根の縁から飛び散り、浅い弧を描いて広場を飛び、石畳と木の上で跳ね、千のきらめく刺しに砕けた。雨戸が叩きつけるように開いた。どこかで誰かが顔を押さえて家から飛び出した。商人が足元の箱に滑ってつまずいた。子供が叫び、すぐ後にもう一つの叫び。もっと高い。痛みから来たから。
アリッサがびくりとして腕を上げた。本能的に。音をそれで防げるかのように。一瞬、頭の中の余韻しか聞こえなかった。
世界が戻った。
砕けて。
硝子の破片が木と石の上を滑った。石畳に血が滴り、埃と、さっきまで祭りの飾りに見えた色とりどりの花びらに混じった。女性が子供の名前を何度も叫んだ。言葉がいつしかたった一つの引き裂かれた音にしか聞こえなくなるまで。
アリッサの舌に金属の味。
匂いだけからではない。
ショックから。
苦く舌に座った。硬貨を噛んだかのように。
---
小さな黒いスライムが震えた。
ただ揺れるスライムのようにではなく。中で何かが動いていた。身体が振動し、高くなり、また沈み、自分自身を引き裂いた。突然骨が育ちたがる生地のように。漆黒のゲルが張り、細くなり、また広くなった。輪郭が現れては消えた。肩。腕。丸く留まらない頭。長すぎる指。あるべきでない場所の関節。
アリッサが見つめた。
一秒間、姿が形と無形の間にあった。スライムであるには大きすぎた。人間と呼ぶにはまだ間違いすぎた。
そして立っていた。
人型。悪魔的。長すぎる前腕。多すぎる関節。縁がまだぬるぬるしていたが、明確で恐ろしいシルエットがあった。「人間」という概念を取って夜の何かに鋳込んだかのように。
アリッサはその瞬間にアリスの囁きを思い出した。
見つめないで。
視線を引き剥がして群衆に上げた。
即座に見えた。
一列目が退いた。二列目が押し始めた。そしてもっと後ろ、正確には何も見えず叫びと割れる音だけ聞こえた場所で、パニックが踏みつけになっていた。
「逃げろ! 逃げろ!」と誰かが叫んだ。
「うちの子!」と別の誰かが。
ヴァレリアが弓を半分引いて振り上げた。肩の緊張に、制御が暴力に傾く境界にまさに立っていると分かった。クレントが一歩前に出た。幅広く。肉と意志の盾のように。ディアマントがもう動いていた。怪物にではなく、魔物と群衆の間の線に。
ルビンが前に出た。
両手斧が漆黒の炎で燃え上がった。熱で空気が揺らめいた。影が壁面に跳んだ。まだ何も燃えていないのに通り自体が燃え始めるかのように。
「一体何が......?」とルビンが唸った。
声にもう冗談はなかった。
---
アリスが動いた。
逃げたのではない。前に。
倒れた籠を跳び越え、両手で顔を覆った女性の傍に膝をついた。乱暴に、だが慎重に、さらなる破片の軌道から引いた。
「手を下ろして。見なきゃ」とアリスが命じた。
女性はすぐには従わなかった。痛みは理性より大きいことが多いから。アリスが手首を掴んで引いた。議論の余地なく。こめかみから血が流れていた。細く速く。
ポケットから布を引き裂いて傷に押し当てた。指の上に短い煌めきが滑った。吐息のように温かい。出血はすぐには止まらなかった。だが遅くなった。
「押さえて。見ないで。呼吸して」
女性が喘ぐように空気を吸った。たった今自分の身体に落ちてきたかのように。
---
年に一度のパレード。ヴィルツが準備し、子供が待ち、商人が望んだもの。たった一つの叫びで戦場になった。
「ヴォルフクラウ、即座に行動!」とクレントが叫んだ。
声が刃のように混乱を切った。
「家の中に! 扉を閉めろ! 広場から離れろ!」と直後に怒鳴った。さっきまでパニックしかなかった場所に突然方向があった。
ただ走っていた者が逃げ始めた。親が叫ぶだけでなく子供を掴んだ。二人の男が道の真ん中に立つ酔っ払いの腕を掴み、家の入口に引きずった。
市街警備隊が陣形を組んだ。
レイス隊長がクレントの傍に立った。鋼灰色の髪。全身板金鎧。左目に傷跡。盾を上げるだけで戦いに満ちた人生が分かった。アリッサはさっきもう交差点で見ていた。隊員の間で重く穏やかに。
剣に一瞬寄りかかり、悪魔の姿を見て、しっかりした声で言った。
「このスライムはここでは見たことがない。だがヴォルフクラウがいてくれてよかった」
振り返って怒鳴った。
「盾を上げろ! ばらばらにではない! 一緒に!」
隊員がきつく寄った。木と金属がぶつかった。短く安定したリズム。時間を稼ぐ人間の壁。
ヴァレリアがためらわず反応した。
弦を一気に引いた。矢の斉射が空気を走った。輝き、魔力を帯びて。悪魔スライムに当たった。
無駄に弾けた。
魔力が防がれたのではなかった。輝きが黒い身体に沁み込み、鈍くなり、消えた。乾いた砂に吸われる水のように。
喰ってる、とアリッサは思った。胃が縮んだ。ただ取り込んでる。
ヴァレリアが歯を軋ませた。「ちっ......!」
目を細め、もう一度撃った。もっと速く、もっと正確に。速度で効果を強制できるかのように。また輝き。また命中。またあの鈍い沈没。
「装填を吸い出してる」と二呼吸の間にヴァレリアが搾り出した。
「なら餌をやるのをやめて」とルビンが唸った。黒い炎がもう空気を舐めていた。通りの端のもう一つの暗い太陽のように。
---
悪魔スライムが完全な人型で立っていた。
右手から巨大な両手剣が生えていた。脈打つ黒い質量から形成された。鍛えたようには見えなかった。もっと、夜の一片を重くなると決めるまで圧縮したかのように。刃が呼吸するかのように脈打った。
目は深い赤で奇怪に巨大だった。派手な魔物の赤ではない。暴力を覚えていてまた欲しがる何かの赤。
一歩踏み出した。
質量で石畳が軋み、アリッサはまた息を止めていると気づいた。
スマラグドとアリッサが家の角に半ば隠れた。スマラグドの指がアリッサの手首にしがみついた。痛かったが、今に留めてくれた。
「普通のスライムじゃない」とスマラグドが囁いた。
声が震えていたが、無力には聞こえなかった。もっと、こんなものが存在していいことへの怒り。
アリッサの心臓が走った。目が不自然に見開かれていた。恐怖と、おぞましいものが時おり引き起こすあの冷たく望まない魅了の間のどこか。
あれは姿。
人間みたいだ。
でも違う。
アリスが数歩前にいた。半分広場に、半分端に。常に人間が倒れる場所に。アリッサには見えた。アリスが少年の前腕から硝子の破片を引き抜くのが。一拍もためらわず。少年が引こうとした。アリスが押さえた。
「見ないで」と穏やかに、厳しく言った。「呼吸して。今」
少年が従った。アリスの声調が選択肢を与えなかったから。指先の微かな煌めき。出血はすぐには止まらなかったが遅くなった。
---
悪魔スライムが動き、パレードが完全に死んだ。
また咆哮した。
今度はただの騒音以上だった。骨髄を震わせる反響。通りを走り、破片の雨をもう一度呼び覚ますかのように。
「コロス......クイツクス......ポイン!」
最後の言葉が最悪だった。
合わなかったから。
嘲りに聞こえたから。わざと汚された記憶のように。
さっきまで子供を笑わせていた無害な文の記憶。
アリッサが冷たくなった。
分かってやってる。
何を言っているか正確に知ってる。
それすら奪おうとしてる。
悪魔が背を向けた。少女を突然忘れたかのように。
まさにそれがもっとひどかった。
スマラグドの握りが痛かった。アリッサは今になって自分が震えていると気づいた。
「アリー......」とスマラグドが囁いたが、アリッサには自分の名前がほとんど聞こえなかった。自分の血の鈍い鼓動だけ。
---
ディアマントが前に突っ込んだ。
雪崩のように来た。巨大なスライムの身体への猛烈な一撃。拳が空気を震わせた。衝撃波が地面から埃と破片を巻き上げた。
だが拳がゼラチン状の質量を水のように通り抜けた。
ダメージなし。効果なし。
ディアマントが腕を引いた。何か固いものに弾かれたかのように。だが固いものはなかった。ただ呑み込んでまた吐き出すゲル。
「何......?」とディアマントが喘いで跳び退いた。
視線に一拍本物の困惑があった。
ディアマントは敵を知っていた。抵抗を知っていた。痛みを知っていた。
だがこれは痛みですらなかった。
無だった。
クレントが即座に反応した。
稲妻が身体から走り、双剣がぬるぬるした姿の中を嵐のように旋回した。一振りごとに火花が降り、一太刀ごとに破壊的なエネルギーが爆ぜた。だが稲妻がスライムの身体の中で消えた。呑まれたかのように。
アリッサには見えた。光が黒い身体に入って消えるのが。暗闇がエネルギーを殺すだけでなく喰うかのように。
「ありえない......」とクレントが搾り出した。
退いた。臆病からではない。普段ならすべてを引き裂くものがここでは無であると、身体がたった今理解したから。
クレントとディアマントが視線を交わした。
額に汗。顔に恐怖。
久しぶりに、自分たちの力がかすかにすら効かない敵の前に立っていた。
ヴァレリアが低く罵った。言葉より吐息。ルビンが唸った。斧の黒い炎がもっと熱くなった。だが彼女すら一拍ためらった。魔力が消えるなら、どこへ行くか知らなければならないと理解して。
「餌をやるな」とディアマントが荒く。
他の者よりも自分自身に。
「俺の本能に言ってくれ」とクレントが唸った。
「ならもっと大きな声で言って」とルビンが唸り返し、同じ呼吸で逃げる人々に怒鳴った。「どけ! 家の中! 立ち止まるな!」
悪魔スライムがまた咆哮した。反響が脇道を走った。さっきもう走っていた何人かが、ショックがまた追いついてつまずいた。
---
上から光が来た。
天使スライムが広場の上に浮かんでいた。
淡い桃色の身体がもう可愛くは見えなかった。甘くもなく。遊び心もなく。
真剣。
秩序立って。
治癒魔法を広場に降らせた。眩い光線としてではなく、温かく細い火花の雨として。光の塵のように。肌に触れた場所で出血がすぐには止まらなかったが遅くなった。目がもっと澄んだ。人間がまた声を見つけた。叫ぶためではなく。呼吸するために。
アリッサは自分の胸郭がほんの少し緩むのを感じた。危険が消えたからではない。どこかで破壊したくない何かが起きていたから。
アリスがちらりと上を見て一度頷き、走り続けた。
同時に至る所にいるようだった。背中に破片が刺さった男をアリスが遮蔽に引いた。頬に開いた切り傷のある子供をアリスが撫で、止めた。大きな身振りもない。説教もない。ただ機能。救うのではなく安定させる治癒師。他の者が戦えるように。
---
どこからともなく忍者スライムが現れた。
屋根の庇から来た。大袈裟に静かな「ぽこ」で着地した。今でさえまだ自分の役を演じるかのように。手裏剣を悪魔スライムに投げた。小さく光る星が空気を切り、黒い質量にかちかち当たった。いくつか弾かれた。いくつか吸い込まれるように消えた。だが忍者スライムは諦めなかった。遊びが本気になるなら自分はなおさら本気になると決めたかのように。
そしてマッチョスライムも来た。
二つの怒れる拳のように悪魔スライムにぶつかり、激しいぽこ、ぽこ、ぽこで殴り始めた。身体がそのたび膨れた。本当に筋肉があるかのように。確信とポーズだけで倒せるかのように。
一歩押し戻した。
多くはなく。
だが十分に。
観客から「よし!」が飛んだ。半分叫びで半分祈り。さっきまで走っていた何人かが立ち止まった。人間は今すぐ良くなると信じた途端にいつも立ち止まるから。
そしてまったく同じ速さでその希望が死んだ。
悪魔スライムが首だけ回した。
赤い目が群衆を撫でた。慌てずに。怒ってでもなく。品定めして。街がビュッフェであるかのように。
アリッサはスマラグドが爪を肌に食い込ませるのを感じた。
「立ち止まっちゃ......だめ......」とスマラグドが囁いた。アリッサよりも自分自身に。
悪魔スライムが一歩前に出た。
クレントがまた前に跳んだ。ディアマントが続いた。市街警備隊が線を保った。盾がきつく。罵りながら。息を切らせながら。だがまだ一つに。
ヴァレリアはもう連射していなかった。保っていた。探した。直接呑まれない一瞬を待った。ルビンが横に立った。斧が判決のように燃えて。黒い炎が空気を舐め。本当に傷つけられる場所を視線が探っていた。
アリスが走り続けた。
手が血だらけの男を家の入口に引いた。布を傷に押しつけた。「圧をかけて。きつく。覗かないで」
男が頷いたが、視線が空だった。魂が身体がたった今生き延びたことにまだ追いついていないかのように。
「家の中! 扉を閉めろ!」とクレントがまた怒鳴った。
そしてまた人間がパニックよりも方向に従った。女性が子供を地面から引きずった。ショックで歩かなかったから。別の男が誰かを背中に担いでいた。裸足で。足裏が血だらけで。それでも走った。
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悪魔スライムが首を振った。
灼熱の赤い目が通りの端の若い少女を捕えた。
動かなかった。
身体はあった。視線がなかった。手にまだ紙吹雪の一片を持っていた。人生がたった今祝うのをやめたことを忘れたかのように。
悪魔が飛びかかった。
黒い明滅。一瞬質量が溶け、数メートル先にまた立っていた。普通の跳躍には速すぎた。ただの速度には唐突すぎた。形成された両手剣が光の中で閃いた。反射するからではなく、ここにいるべきでないものに太陽が当たったから。
若い衛兵が少女の前に身を投げた。アリッサは顔を知らなかった。さっき隊長の列で見ただけ。肩の硬さには若すぎたのに、まさにその中にあの頑固な誠実さを持っていた。
「ライサ、俺の後ろに!」と叫んだ。
少女がびくりとしたが、脚が従わなかった。
兵士が決然と盾を上げた。顔が蒼白だったが声は保った。
「あの子には触らせない!」
一瞬、時が止まった。
悪魔スライムの刃が金属を通った。紙のように。
抵抗なし。火花の雨もなし。ただ裂け目。鈍い音。そして兵士がたった一瞬で分断された。
盾が先に落ちた。
次に身体。
二つの別々の決定であるかのように。
血が石に飛んだ。温かく明るく。どこかで誰かがえづいた。
少女が膝をついた。すべてがただ遮断されるかのように。目が兄の手にまだこびりつく血を見つめていた。声が割れた時、囁いた。
「お......兄ちゃん......」
アリッサの喉が締まった。
だめだ。
これはもうパレードじゃない。
悪魔スライムが兵士の死体の上に身をかがめた。ぎょろりとした赤い目がゆっくり震える少女に移った。一瞬、息が詰まるような沈黙。
口が奇怪な笑みに歪んだ。
「ぼくはいいスライムだよ、ポイン......」と唸った。
声が低く不気味だった。無害な文の汚された模倣。
さっきまで子供を笑わせていた文の。
アリッサが凍りついた。
遊んでる。
何を言っているか正確に分かってる。
それすら奪おうとしてる。
悪魔が背を向けた。少女を突然忘れたかのように。
まさにそれがもっとひどかった。
スマラグドの握りが痛かった。アリッサは今になって震えていると気づいた。
「アリー......」とスマラグドが囁いたが、アリッサには自分の名前がほとんど聞こえなかった。自分の血の鈍い鼓動だけ。
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ディアマントが突進した。
雪崩のように来た。巨大なスライムの身体への猛烈な一撃。拳が空気を震わせた。衝撃波が地面から埃と破片を巻き上げた。
だが拳がゼラチン状の質量を水のように通り抜けた。
ダメージなし。効果なし。
ディアマントが腕を引いた。何か固いものに弾かれたかのように。だが固いものはなかった。ただ呑み込んでまた吐き出すゲル。
「何......?」とディアマントが喘いで跳び退いた。
視線に一拍本物の困惑があった。
ディアマントは敵を知っていた。抵抗を知っていた。痛みを知っていた。
だがこれは痛みですらなかった。
無だった。
クレントが即座に反応した。
稲妻が身体から走り、双剣がぬるぬるした姿の中を嵐のように旋回した。一振りごとに火花が降り、一太刀ごとに破壊的なエネルギーが爆ぜた。だが稲妻がスライムの身体の中で消えた。呑まれたかのように。
アリッサには見えた。光が黒い身体に入って消えるのが。暗闇がエネルギーを殺すだけでなく喰うかのように。
「ありえない......」とクレントが搾り出した。
退いた。臆病からではない。普段ならすべてを引き裂くものがここでは無であると、身体がたった今理解したから。
クレントとディアマントが視線を交わした。
額に汗。顔に恐怖。
久しぶりに、自分たちの力がかすかにすら効かない敵の前に立っていた。
ヴァレリアが低く罵った。言葉より吐息。ルビンが唸った。斧の黒い炎がもっと熱くなった。だが彼女すら一拍ためらった。魔力が消えるなら、どこへ行くか知らなければならないと理解して。
「餌をやるな」とディアマントが荒く。
他の者よりも自分自身に。
「俺の本能に言ってくれ」とクレントが唸った。
「ならもっと大きな声で言って」とルビンが唸り返し、同じ呼吸で逃げる人々に怒鳴った。「どけ! 家の中! 立ち止まるな!」
悪魔スライムがまた咆哮した。反響が脇道を走った。さっきもう走っていた何人かが、ショックがまた追いついてつまずいた。
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上から光が来た。
天使スライムが広場の上に浮かんでいた。
淡い桃色の身体がもう可愛くは見えなかった。甘くもなく。遊び心もなく。
真剣。
秩序立って。
治癒魔法を広場に降らせた。眩い光線としてではなく、温かく細い火花の雨として。光の塵のように。肌に触れた場所で出血がすぐには止まらなかったが遅くなった。目がもっと澄んだ。人間がまた声を見つけた。叫ぶためではなく。呼吸するために。
アリッサは自分の胸郭がほんの少し緩むのを感じた。危険が消えたからではない。どこかで破壊したくない何かが起きていたから。
アリスがちらりと上を見て一度頷き、走り続けた。
同時に至る所にいるようだった。背中に破片が刺さった男をアリスが遮蔽に引いた。頬に開いた切り傷のある子供をアリスが撫で、止めた。大きな身振りもない。説教もない。ただ機能。救うのではなく安定させる治癒師。他の者が戦えるように。
どこからともなく忍者スライムが現れた。
屋根の庇から来た。大袈裟に静かな「ぽこ」で着地した。今でさえまだ自分の役を演じるかのように。手裏剣を悪魔スライムに投げた。小さく光る星が空気を切り、黒い質量にかちかち当たった。いくつか弾かれた。いくつか吸い込まれるように消えた。だが忍者スライムは諦めなかった。遊びが本気になるなら自分はなおさら本気になると決めたかのように。
そしてマッチョスライムも来た。
二つの怒れる拳のように悪魔スライムにぶつかり、激しいぽこ、ぽこ、ぽこで殴り始めた。身体がそのたび膨れた。本当に筋肉があるかのように。確信とポーズだけで倒せるかのように。
一歩押し戻した。
多くはなく。
だが十分に。
観客から「よし!」が飛んだ。半分叫びで半分祈り。さっきまで走っていた何人かが立ち止まった。人間は今すぐ良くなると信じた途端にいつも立ち止まるから。
そしてまったく同じ速さでその希望が死んだ。
悪魔スライムが首だけ回した。
赤い目が群衆を撫でた。慌てずに。怒ってでもなく。品定めして。街がビュッフェであるかのように。
アリッサはスマラグドが爪を肌に食い込ませるのを感じた。
「立ち止まっちゃ......だめ......」とスマラグドが囁いた。アリッサよりも自分自身に。
悪魔スライムが一歩前に出た。
クレントがまた前に跳んだ。ディアマントが続いた。市街警備隊が線を保った。盾がきつく。罵りながら。息を切らせながら。だがまだ一つに。
ヴァレリアはもう連射していなかった。保っていた。探した。直接呑まれない一瞬を待った。ルビンが横に立った。斧が判決のように燃えて。黒い炎が空気を舐め。本当に傷つけられる場所を視線が探っていた。
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パレードが戻った。
祭りとしてではなく。
防衛として。
英雄スライムが戻った。五匹同時に。今度は何も冗談には見えなかった。赤いタンクスライムが前に転がり、悪魔と群衆の間にぐいっと入った。本当に盾であるかのように。青い魔法使いが杖で光った。派手にではなく集中して。緑のヒーラーが温かい火花を上げた。天使スライムの光の雨と混じる。金色がちいさな光球を放ち、埃と視界を歪め、空気に明瞭さを押し込んだ。そして黒いシャドウスライムが端を走った。速く、静かに。道を示すかのように。
同時にメタルスライムが近づいた。
四匹。陣形で。
動く障壁のように広場を遮った。完璧ではないが秩序立って。人間を後ろに集めるだけ十分に強く。硝子の破片と瓦礫が鏡のような身体に当たって地面に落ちた。突然悪意を失ったかのように。
天使スライムが広場の上にもっと高く位置した。治癒の塵の浮かぶ屋根のように。
そして叫び以来初めての一呼吸で、ヴィルツがまだ砕けないための機会があるように感じた。




