第64章 - 両手剣
アリッサにとって一瞬、部屋と窓と父親の背中だけが存在した。
ゆっくりと眠りから浮かび上がった。暗い水の中から水面まで這い上がるように。身体の下のベッドが柔らかかった。毛布が温かかった。空気に新しい木と石鹸とかすかな乾燥薬草の清潔な匂いがあった。血の匂いも、冷たい土も、魔力もない。危険もない。
薄いカーテンの隙間から細い朝の光が差し込み、天井に淡く走っていた。眠りの中で指が布にしがみついていた、ちょうどその場所に。
身体が重かった。
長い一日の後のようにではない。身体がまだ理解していない何かの後のように。腕に鈍い灼けがあった。引きと打撃がまだ筋肉と腱に残っているかのように。肩が硬かった。喉が乾いていた。呑み込むだけで擦れた。
ゆっくり目を完全に開け、まず天井を見つめ、首を回した。
クレントが窓際に立っていた。
太陽が硝子を背に彼を描き、影が広く暗く板の間に落ちていた。肩がいつもより広く見えた。見せたくない緊張があるから、おそらく。手を背中で組んでいた。それで自分自身が落ち着かなくなるのを止めなければならないかのように。
双剣が壁に立てかけてあった。
きちんとしまわれてはいない。部屋の奥でもない。
手の届く場所。
一掴みで手にある。
アリッサが唾を呑んだ。擦れた。
「パパ......」
声がかすれて低かったが、部屋の静寂を即座に切った。
クレントがわずかに身じろいし、振り返った。目が覚めていると見えた瞬間に、顔の何かが滑らかになった。硬さが完全には消えなかった。だが柔らかくなった。
「おはよう、お姫様」
アリッサが一瞬目を伏せた。
前日の映像が中でちらついた。ゴブリン。魔法使いの杖。打撃。痛み。焼けた空気の匂い。そして最後のあの稲妻。
胃が一瞬縮んだ。
あれは本当だった。
本当にあの中にいた。
「ありがとう......」と恥ずかしそうに囁いた。「最後に......いてくれて」
一瞬、目に暗いものが見えた。この清潔な部屋に合わない影。
クレントがベッドに来て縁に座った。枠の木が静かに軋み、マットレスが重さに沈んだ。
「よく戦った」と穏やかに言った。「すごくよく。ゴブリンをテントから引き離した。魔法使いが全員に危険になると素早く理解した。そして取り乱さなかった」
アリッサが瞬きした。
褒め言葉が温かく胸に沈み、同時に奇妙に感じた。重く。ほとんど非現実に。
ただ生き延びただけじゃない。
本当に何かをした。
ゆっくり起き上がった。即座に腕と肩が引いて一瞬歯を食いしばらなければならなかった。それでもさらに押し上げ、膝立ちになった。前に滑って半ば腕に倒れ込んだ。
優雅ではなく。速くもなく。
だが切実に。
クレントが予期していたかのように受け止めた。
「見てたでしょう?」と肩に顔を寄せて低く訊いた。
外套が革と金属と冷たい朝の空気の匂いだった。外の匂い。
クレントが頷いた。手がゆっくり均等な動きで背中を撫でた。
「ああ。お前の瞬間を取り上げたくなかった。そのせいでお前のお母さんにはあまり気に入られなかったが」
アリッサがかすれて笑った。笑いは脆かったが本物だった。
「ママっぽい......」
少しだけきつく押した。
あの人がいたなら、完全に一人じゃなかった。
いつも誰かがいた。
クレントは身体の中の震えを感じた。
疲弊だけではない。痛みの余震だけでもない。
恐怖もあった。すべてが終わってまた静かになった時に初めて戻ってくる種類の。
視線が頭越しに窓の外に流れた。ヴィルツの屋根の向こう。淡い空。外のどこかで荷車が石畳を鳴らしていた。鶏があまりに真剣に鳴いていた。声が混じり合っていた。まだ朝に篭って。
そして一拍の間、クレントにはヴィルツが見えなかった。
埃っぽい道が見えた。
大きな手の中の小さな手が見えた。すぐ後に来るものを予感するには軽すぎた笑いが聞こえた。母親が振り返り、彼を突き飛ばし、叫んだ。
走れ。
できる限り速く。
振り返るな。
顎が一瞬張った。
アリッサが彼の中の変化を感じて少し顔を上げた。
「パパ?」
クレントがしばらく黙った。そして彼女を見下ろした。
「自分の名前がどこから来たか知ってるか?」
アリッサが瞬きした。「ううん」
「俺の母さんからだ」声が穏やかだったが、もっと深くなっていた。「母さんもアリッサだった」
アリッサが驚いて見上げた。
「本当に?」
ゆっくり頷いた。「ああ」
部屋が急に別の種類の静けさになった。空ではなく。注意深い。
クレントが額から髪を払った。「五歳の時、両親と出かけていた。祭りの帰りだった。もう暗かった。真っ暗ではないが、道の木が大きな影に見えるほど暗く」
アリッサはもう何も言わなかった。ただ聞いていた。
「魔物が来た」
それだけ素朴に言ったのに、冷たいものが部屋を走った。
「速かった」とクレントが続けた。「速すぎた。父さんはまだ武器を抜いた。母さんが俺を掴んだ。突き飛ばして叫んだ。走れと。できる限り速く、遠くに」
視線が一瞬アリッサの向こうに流れた。あの時の道がまた見えるかのように。
「だから走った」
アリッサが無意識に息を止めた。
「走っている間にまだ聞こえた」もっと大きくは話さなかった。だからこそもっと鋭く切った。「爪。叫び。裂ける布 - そして何もなくなった」
アリッサの指が外套の中で握りしめられた。
何を言えばいいか分からなかった。
ひどすぎる。
誰もこんな目に遭うべきじゃない。
ましてや五歳で。
クレントが見下ろし、彼女の顔が小さくなったのに気づいた。きつく。悲しく。
「ディアマントはあの頃からもう親友だった」としばらくして言った。「あれが起きる前から。その後も......ただいた」
アリッサがまた見上げた。
「じゃあ......まるきり一人だったの?」
クレントがまるきり可笑しくもなく鼻を鳴らした。「ほとんど。孤児だった。でもまるきり一人ではなかった。ディアマントがいたから。俺たちを本当に受け止めてくれる者はいなかった。ちゃんとした家もない。親もいない。全部よくなるよと言ってくれる人もいない」
手が重く温かく背中に置かれていた。
「だからどう生きていくか自分で考えなきゃならなかった」
「それで冒険者になったの?」
「ああ」ほんの小さな歪んだ笑みが口角に引いた。「賢かったからじゃない。他にほとんど何もなかったから。盗みたくなかった。どこかで小さくされて、結局腹を空かせて眠る気にもならなかった」
ゆっくり息を吐いた。
「だから冒険者になろうと思いついた」
アリッサがそれを想像しようとするかのように見つめた。
クレント。小さい。五歳。あるいはもっと大きい。傍にディアマント。家もなく。親もなく。
頭の中にうまく収まらなかった。父親はアリッサの世界ではいつも大きかった。強く。確かに。そこに。
母親が死ぬ間に走らなければならなかった少年ではなく。
---
アリッサは最初何も言わなかった。
彼の手を見た。たこを。指関節の小さく明るい傷を。アリッサが存在するずっと前からそこにあったすべてを。
この人は知っている。
小さくても戦わなきゃならないのがどんな感じか知っている。
それからようやく顔を上げた。
「その頃からもう今みたいに強かったの?」
今度はクレントが鼻で短く笑った。「いいや。すぐに死なない程度には強かった。上手いと呼べるほどではなかった」
影が目をよぎった。
「後でディアマントと俺はもう銀ランクだった。まだ子供なのに。でもそれは誇るべきことではなかった。十分に長く持ちこたえたという意味でしかなかった」
アリッサは聞きながら、中で何かがずれるのを感じた。
これまで強さは大きなもののように感じていた。輝くもの。欲しいもの。
今ほんの一瞬、ただ沈まないことを意味する時もあるように聞こえた。
「お前にそういう生き方をしてほしくない」とクレントがやがて言った。
二本の指を顎の下に当て、また自分を見なければならなくなるまで顔を優しく上げた。
「戦いたいから戦え。育ちたいから育て。世界に力ずくで強いられてではなく」
指が粗く温かかった。
「でもお前の目のあの炎は分かる、アリッサ。すべての戦いを取り上げたら、お前自身の一部も取り上げることになる。それはしたくない」
アリッサが素早く瞬きした。
ただ難しい子なんじゃないんだ。
本当に見えてる。
分かってすらいる。
「だから戦わせた」とクレントが言った。「お前が倒れたら俺がいると分かっていたから。俺の時は誰もいなかった」
胸の中の何かが軽くなった。
消えたのではない。恐怖がただ消えたわけではない。痛みも。だが突然、重さを一人で担がなくてよくなった。
額をもう一度短く肩に押しつけた。
「わたしの名前、好き」と呟いた。
クレントが一瞬目を閉じた。「よかった」
もうしばらくそうして座っていた。温もりと呼吸と朝の光の静かな泡の中に。
クレントが少し離れ、頭に手を置いて髪をぐしゃぐしゃにした。あらゆる方向に立つまで。
アリッサが憤慨した声を出した。
「下に行こう」と軽い笑みで言った。「お前の胃が宿全体を怒鳴りつける前に」
待っていたかのように腹が大きく不愉快に鳴った。
アリッサが凍りついた。
笑わずにいられなかった。
「手遅れ」と呟いた。
クレントが低く笑い返した。短い本物の音。立ち上がるのを手伝った。壊れ物のようにではなく。ただ「いるぞ」と分かるように。
---
扉を開けると食堂の匂いが即座に押し寄せた。
スープ。焼きたてのパン。焼いた肉。薬草に温かい湯気、木の煙、知らない人間の混じった声のざわめき。皿がかちゃかちゃ鳴った。椅子が擦れた。どこかで太い男の声が大きすぎる笑いを上げた。階段が重さで軋んだ。
アリッサが慎重に下りた。片手を手すりに。脚がまだ柔かった。一歩ごとに身体が少し引いた。だが呼吸のたびに、満ちた生きた部屋だけが持てるあの温かい感覚がもっと中に入ってきた。
下はかき分けなければならないほどではなかったが、目立たずにはいられないほどにはいた。
客が何人か頭を上げ、好奇の目を投げ、大抵はアリッサよりクレントを見た。通りすがりに部屋を読む仕方を。あらゆる角度を同時に視界に保てるかのように少しずれて傍を歩く仕方を。
眠れる巨人亭の食堂は頑丈で温かかった。暖炉がまだ弱く灯っていた。煮物の香りが空気に重く漂った。木、声、食事、生活 - すべてがあまりに普通で、ほとんど非現実だった。
牛一頭まるごと食べられる、とアリッサは思った。
胃も同意見のようだった。
壁際のテーブルにルビンとディアマントが座っていた。杯と皿が前に。半分空のもの、まだ手つかずのもの。ディアマントがくつろいで見えたが、目は覚醒していた。ルビンが顎を手に乗せて部屋ではなく、テーブルの上の何かを見ていた。
スマラグドとヴァレリアもいた。
スマラグドは座っているよりも立っていた。今日が座る日かうろうろする日か身体がまだ決めていないかのように。ヴァレリアは穏やかに見えた。だがアリッサは母親をよく知っていた。この穏やかさはくつろぎではないと。繋ぎ止めた制御。
アリスはいなかった。
アリッサの視線が空席ではない空席を掠め、即座に理解した。
ここにはいない。
休んでいる。
ルビンがまだ顎を手に乗せてテーブルの上の武器を見ていた。アリッサの視線が自動的に追った。
両手剣。
横たわっていてすら大きく見えた。重くはない。野暮ではない。自分が何であるか正確に知っているもののように。金属が派手にではなく深く清潔に光っていた。刃は何も証明する必要がないように見えた。ただそこにある。まさにそれがこれほど目を引く。
ルビンの目がわずかに細まった。「あれで何するつもり?」と穏やかに訊いた。
ヴァレリアが両手剣を持ち、光が鈍く刃を滑るだけの角度にした。もう一度確かめるように見た。頭の中で何かを量るかのように。
「サプライズ」と小さく謎めいた笑みで答えた。
傍でスマラグドが目を細めた。
すべてを即座に知りたくないよう自分を抑えるのがどれほど大変か、見て取れた。
ルビンの口角がぴくりとした。「あなたたちと秘密」
ヴァレリアが身をかがめて耳元に囁いた。
アリッサには一言も聞こえなかった。
だがルビンの顔が変わるのを見た。
ルビンの目が大きくなった。「......本気?」
ヴァレリアがただ頷いた。
一拍の間、ルビンがただ見つめた。そして歪んだ、ほとんど危険な笑みが顔に広がった。
「いいわ」と言った。「気に入った」もたれた。「でもそれはソルトリスでないとできない。メリィアが必要」
ヴァレリアが低く息を吐いた。苛立った音ではない。この答えを予想していたという認め。「分かってる。なら学院で」
剣をテーブルに戻した。
スマラグドが目を細めてすべてを見ていた。
また秘密。
もちろん。
なんでわたしだけいつも何も知らないの?
視線が剣からヴァレリアに、ルビンに、また剣に流れた。
両手剣。ヴァレリアのためではない。ルビンのためでもない。ディアマントのためでもない。クレントのためでもない。
じゃあ誰の......?
考えを最後まで追う前に、クレントとアリッサが視界に入った。
スマラグドが内側でほとんど見えるほど跳ねた。
アリッサを直接見ていなかったが、階段で見つけた瞬間に顔全体が変わった。
立ってる。
歩いてる。
笑ってる。
ヴァレリアがテーブルの誰より速かった。椅子が床を硬く擦り、食堂を横切るように急いだ。
「アリッサ!」
声は大きくなかった。だがあまりに満ちていて、部屋の他のすべてを一瞬小さくした。
即座に腕に引いた。
きつく。アリッサの息が一瞬詰まるほど。だが抵抗しなかった。ヴァレリアの手が背中を撫でながら微かに震えていた。一つ一つの触れ合いでアリッサが本当にいることを新たに確かめなければならないかのように。
「お願いもう二度と一人で戦わないで!」とヴァレリアが言った。声が危険なほど割れかけていた。「誇りに思ってる。でも本当に危なかった。そして軽率だった」
アリッサが自動的に頷いた。まだ半分母親に押しつけられて。
心配と叱りと安堵の聞き慣れた調べが温かく彼女を包んだ。
それでももっと強くなりたい。
ずっと強く。
少し顔を上げ、ヴァレリアの肩越しにスマラグドを見た。
スマラグドが大きく笑いかけていた。安堵に目が光っていた。
アリッサが笑い返した。小さく。疲弊して。だが本物。
ヴァレリアが離してようやく、テーブルの上のすべてがアリッサの視界に戻った。煮物が湯気を上げていた。パンが器の傍に切って置かれていた。そして両手剣がまだ彼らの間に横たわっていた。眠りを必要としない何かのように。
ルビンが手を上げた。「座りなさい。煮物が冷める前に」
ディアマントの視線がアリッサの顔を、手を、姿勢に残る消耗の痕を一瞬撫でた。そしてわずかに頷いた。
「お嬢ちゃん」と素っ気なく言った。「俺がコーヒーを飲む前にゴブリンを一人でぶちのめし始めるとは。気に入らないテンポだ」
目に誇りがあった。
隠しが下手だった。
アリッサが慎重にベンチに座った。ベッドの後では木が硬く感じたが、心地よかった。本物。病床の感触ではない。生活の感触。
「ごめん......なさい?」と試した。
言葉が出た途端にもう間違っていると分かった。
ルビンが鼻を鳴らした。「生き延びたことでもう一回謝ったら、一週間薬草の仕分けをさせるわよ」
少し身を乗り出し、ほとんど脅かすほど真剣に見えた。
「信じなさい。どんなゴブリンよりひどいから」
テーブルに低い笑いが回った。
ヴァレリアの口角すら動いた。手がまだアリッサの肩に軽く置かれていたが。まだいることを何度も確かめなければならないかのように。
スマラグドが即座に横にずれ、傍のベンチを叩いた。
「ここ。座って」
アリッサが隣に沈み込み、即座にスマラグドの温もりを肩に感じた。心地よかった。簡単に。当然に。
一人で座らない。
一人で小さくならない。
主人が通りかかり、湯気を上げる器をテーブルに置いた。煮物。濃くて熱い。肉と玉ねぎと薬草入り。焼きたてのパンも。アリッサが即座に唾を呑んだ。
飢えが突然ほとんど痛いほど大きかった。
ヴァレリアが座ったが、最初は何も言わなかった。視線が何度もアリッサを見つけた。指がテーブルを数回静かに叩いた。自分の一部がまだあの森に留まっているかのように。娘が死ねたかもしれない森に。
クレントがパンを一切れ取ってアリッサに押した。
「食え」
取って噛んだ。
温かい。柔らかい。少し塩辛い。味があまりに突然慰めになり、ほとんど目を閉じそうになった。
終わった。
ゆっくり噛みながら、身体がもう戦わなくていいと理解するのを感じた。
視線がまた両手剣に落ちた。
眠るもののようにまだ横たわっていた。刃があまりに清潔で、あまりに静かで、あまりに真剣で、ただの武器であるはずがなかった。指に微かな痺れが走った。なぜか分かる前に中の何かが反応するかのように。
「美しい......」と畏敬を込めて囁いた。
テーブルが一瞬もっと静かになった。
完全にではない。だが全員がその言葉を聞き取ったほどちょうど。
アリッサはただの金属を見ていなかったから。
別の何かを見ていた。今すでに鋼と形以上に大きい何か。
スマラグドも気づいた。
なんであれがここにあるんだろう?
なんで今?
なんでアリーはあんなふうに見て......?
ヴァレリアは何も言わなかった。
だが手がかすかに両手剣に近づいた。所有的にではなく。守るように。
テーブルの上にただの武器が横たわっているのではないかのように。
まだ誰も口にしてはならない何かが。




