第54章 - 何の炎?
クライルの上に細い、ためらうような霧がかかっていた。
家々の間に漂っていた。夜がまだ本当に去りたいか決めかねているかのように。最初の日差しがおずおずとしか通らなかった。蒼白で細く、屋根と柵と村の静かな道に濡れた光を置いた。井戸の蓋の板で露が煌めいていた。草に湿気が重く垂れていた。どこかで緩んだ木の扉が枠にかたかた当たっていた。最初は静かに、また静かに。村もまた朝に入らなければならないかのように。
宿から離れた広場の端の古い節くれだった木の下は、空気がもっと冷たかった。
幹が天候と年月に暗かった。苔が樹皮の裂け目に這っていた。深い傷跡が木を走っていた。人間が数えたがるより多くの冬を経験し、それでもまだ立っているかのように。幅広く、揺るぎなく。すべてが傾く時にどう留まるかを世界にとうに教わったかのように。
そこにアリッサがヴァレリアの隣に座っていた。
膝の上で手を組んでいた。指関節が肌の下で白く浮くほどきつく。穏やかに見せたかった。せめて自分自身はすべて制御できているように見せたかった。だが肩が上がりすぎていて、呼吸が一度も腹の底まで届かなかった。服の下の脇腹で小さな動きのたびに包帯を感じた。もう鋭い痛みではない。離さない手のような鈍い引き。
身体が最悪ではなかった。
頭の中に本当の残響があった。
草の中の血。
スマラグドの涙。
打撃。
迫ってきた木。
あのたった一つの冷たい感覚。世界が一瞬だけ決めた - ここで終わる、と。
それでもここに座っている。
それでももう一度試したかった。
ヴァレリアは穏やかに見えた。くつろいではいない。何も無駄にしない規律的なやり方で穏やかなだけ。手が太腿に緩く置かれていたが、アリッサは知っていた。母親が一拍で必要な動きをすべてできることを。武器を引くためではない。自分より大きなものにまた飛び込もうとする娘を掴むために。
「さて」とヴァレリアが始めた。
指の間に小さな火花が踊った。
目立たないものだった。よく見なければ遊びと思えるほど小さい。ただの光点。温かく生き生きと。それが育ち、手の甲を転がり、開いた掌に立つ小さな炎になった。従順で明瞭。
アリッサが一瞬脇腹の痛みを忘れた。
ヴァレリアは炎をただ燃やさなかった。導いた。
小さな火球が肌の上で一度回り、明るく、冷たく、密になった。橙が縮まり、揺らめきが柔らかさを失い、突然、火の代わりに透明な氷の球が手にあった。朝の光にうっすら青く、綺麗に煌めいていた。元から他のものだったことなどなかったかのように。
アリッサが聞こえるほど息を吸った。
ヴァレリアが球を指の上で転がした。
落ちる前に溶け、手の上に浮く一滴になった。雫がそこに無重力で漂い、また固まった。氷にではない。灰色の粒状のものに。微小な石。即座にまた塵に崩れ、霧の中に消えた。
大袈裟な効果なし。魔術師の芝居なし。
ただの制御。
ヴァレリアが手を閉じ、最後の残りが消えた。
「分かった?」と訊いた。
アリッサが即座に頷いた。
「魔法は力から始まるんじゃない」とヴァレリアが言った。「呼び出したものに引きずられないことから始まる」
声は穏やかだった。講義的ではなく。自分自身で何度も必要としたことを言う者のように。
「火花は怒鳴ったから従うんじゃない。どこへ行くべきか知っている時に従う」
アリッサが唾を呑んだ。
制御。
ヴァレリアの口の中ではその言葉がとても簡単に聞こえた。とても静かに。アリッサは静かとはまるきり反対だった。中にありすぎた。映像が多すぎ、問いが多すぎ、まだ肋骨と喉の間に噛みついている恥が多すぎた。
ヴァレリアがもう一度手を上げた。
今度はリストも淡々とした列挙もなかった。ただ小さく確かな合図だけ。火の火花。アリッサのこめかみの髪を動かす冷たい風の一筋。浮かぶ水滴。空中に一瞬留まってまた地面に沈む塵の一粒。
そして二本の指を前腕に当てた。布の下にルーンがある場所。
「これを開くと」と言った。「魔法を失わずに狂戦士の力を引ける。だからこそ力に導かれる前に導けるようにならなきゃいけない」
アリッサが大きな目で見つめた。
「じゃあママが強いのは、全部制御してるから?」
ヴァレリアが小さく微笑んだ。
「しなかったらどうなるか学んだから強いの」
一拍の間、木の下が静かだった。
風が上の枝を撫でるだけ。どこかで苔と樹皮から露の粒がいくつか離れ、草に音もなく落ちた。
ヴァレリアが少し近づいた。
「あなたに何が起きるかは分からない」と言った。「何も起きないかもしれない。何かが起きるかもしれない。結晶は空だった。だから手探りで近づくしかない」
「空」という言葉はそれでもアリッサに小さな打撃のように当たった。
ヴァレリアは顔でそれを見て、文をそのままにしなかった。
「でもそれとは関係なく、試そうとするあなたを誇りに思ってる」
アリッサの表情がまるごと変わった。
笑みはゆっくりとは来なかった。ただ湧き出た。明るく不意に。血が森を赤くする前のあの自分に、一瞬だけまた子供が立ち上がったかのように。
「本当に、ママ?」
跳ね起きた。状態に対して速すぎた。
即座にびくりとした。脇腹の包帯が痛く引いたから。ヴァレリアが同じ速さで立ち、脇腹に手を当て前腕にもう一つ手を添えた。乱暴にではなく驚いてでもなく、あの明確な - ゆっくり - で。
「本当よ」と言った。
そしてアリッサに始め方を見せた。
「嵐を丸ごと想像しないで。火の雨もだめ。松明すらだめ。火花だけ」ヴァレリアが二本の指で軽く胸骨を突いた。「ここ。温もり。外じゃなく。中。そこから腕に流す。ゆっくり。引かない。導く」
アリッサが目を閉じた。
深く息を吸った。
霧が湿った土の匂いだった。露。冷たい木。そしてどこかの村でもうオーブンに入れられたパンの少しの匂い。ヴァレリアが言った温もりを中に探した。灼ける恥ではなく。熱い恐怖でもなく。森の痛む残響でもなく。
何か小さなもの。
自分だけのもの。
一拍の間、何かを見つけた気がした。痺れ。柔らかく、かろうじてある。腕を通る糸のような。アリッサが内側で息を止めた。この驚きだけで逃げてしまうかのように。
そしてまさにそこで途切れた。
失望が即座に来た。
ヴァレリアは何も言わなかった。ただ傍に立っていた。アリッサがそれで壊れなくていいだけの存在感で、だが試みがまだ自分のものである距離で。
アリッサがまた試した。
もう一度。
糸が来た。今度はもっと弱く、また去った。
三度目に手を早く上げすぎた。
何もない。
肌の上の自分の温もりだけ。
「ママ......」と低く訊いた。その言葉がもう半分泣いていた。「なんでうまくいかないの?」
ヴァレリアが腕に引いた。
中断としてではなく。苛立ちが間違った筋肉に固まるのを誰かが防ぐ間のように。
「魔法は待つことへの恐怖だけで命令に従わないから」と低く言った。「自分に対する忍耐をもらう資格があるの」
アリッサが一瞬顔をヴァレリアの肩に押しつけた。
ヴァレリアが後頭部を撫でた。
「足踏みは失敗じゃない」と呟いた。「あなたを信じてる」
アリッサが退いた。
目が潤んでいたが、涙を意地っ張りにこすり取った。一秒でも長くいてはならないかのように。
「ううん」と言った。「できる。できるようになりたい」
ヴァレリアがただ頷いた。
アリッサがまた立った。今度は膝をもう少し落として。掌を上に向けた。ヴァレリアが見せた通りに。
強制しない。
壊さない。
導く。
集中した。
そして起きた。
火球が手の中にちらついた。
最初は拳ほどの大きさ。縁が紫で、核がもっと明るい。アリッサの呼吸が止まった。驚きで、恐怖ではなく。炎が残った。あった。本当にあった。そして育った。
速く。
速すぎた。
一拍の間に球が頭より大きくなった。紫が内側に引き込まれた。瑠璃が上に割れた。深く澄んで。許されるより美しくありたがる何かのように。
アリッサの目が巨大になった。
ヴァレリアが自分の目を見開いた。
青は一瞬も保たなかった。傾いた。
ゆっくりではなく。
有機的にでもなく。
色が崩れた。誰かが光を引き抜いたかのように。さっきまで炎だったものが漆黒になった。赤も残らない。青も。普通の燃焼もない。火球の表面が突然鈍く同時に深く見えた。光るのではなく光を留めるかのように。
ヴァレリアは冷気を即座に感じた。
氷の冷気ではない。朝の空気のでもない。
あの偽の薄い悪寒。理性が言葉を見つける前に首筋の毛を逆立てる。
「アリッサ......」
火球が脈打った。
鈍く、飢えた鼓動がその中にあった。聞こえるほどの大きさではない。直接胸郭に届く何か。
そして弾けた。
無音で。
爆ぜもない。煙もない。火花の雨もない。ただ鈍い消滅。あまりに唐突で、その後の空気が一瞬静かすぎた。
アリッサが自分の手を見つめた。
そして輝く笑みが顔に広がった。
「ママ! 見た? わたし......できた!」
その中の喜びがあまりに本物で、痛かった。
ヴァレリアはアリッサを見ていなかった。
黒い炎があった場所を見ていた。
感覚が残った。
大きくはなく。圧倒的でもなく。ただ明確な知。そこにあるべきでなかったものがあった、という。
漆黒。
ルビンではない。地獄の炎でもない。別の何か。
考えがあまりに突然来て、もう一つ記憶が続いた。中庭。前のこと。アリッサがこっそり練習していた。あの炎、最初は紫、次に黒。そしてその前に聖樹の森での閃光。あの不安定な輝き。あの時すでにおかしかったもの。
ヴァレリアが指の緊張を強いて抜いた。
アリッサに見えてはならない。
だから微笑んだ。
小さく。制御して。娘がすぐに訊かないだけにちょうど足りるように。
「ええ」と低く言った。「できたわね」
髪を耳の後ろにかけてやった。
「続けましょう」と言った。「でも今度はゆっくり」
アリッサが熱心に頷いた。
今度はヴァレリアが数歩退いて幹にもたれ、観察した。アリッサを一人にしたかったからではない。何が自然に戻ってきて何が自分の近さだけに反応するか見なければならなかったから。
アリッサがまた手を上げた。
次の火球は小さかった。
赤。
蝋燭ほど。肌の上に一瞬浮かび、静かな嘶きとともに消えた。
「また......」とアリッサが呟いた。
息を吸い、やり直した。
今度は青い球が現れた。頭より大きく、明るく澄んでいた。一瞬、アリッサが跳び上がりそうに見えた。そして球が揺れ、形を失い、崩壊した。
三度目に魔力が集まった。
今度は緑の輝きだった。
毒々しくはない。暗くもない。綺麗でほとんど穏やかな翠緑色。朝の光の中で奇妙に柔らかく見えた。
ヴァレリアが眉を上げた。
ほとんど治癒に見える。
そして治癒はまさに自分の最も弱い分野だった。それでもこの魔力の調子は知っていた。あの澄んだ静かな緑は間違くは感じなかった。秩序立って感じた。
アリッサは母親がどれほど注意深く見ているか気づかなかった。自分の手だけに集中していた。
赤。
青。
緑。
そしてまた、ほんの一瞬だけ、黒。
ヴァレリアが今度は目に見えて身じろいだ。
ほんの一瞬だけあった。掴むには短すぎた。アリッサの魔力を通して何か異質なものが瞬き、即座にまた消えるかのように。
アリッサが腕を下ろした。
「なんでママみたいにできないの?」と呟いた。
苛立ちがすべての言葉に重くあった。
ヴァレリアが傍に来て、頭に手を置き、一度優しく髪を撫でた。
「わたしじゃないからよ」と言った。「違うことは劣ることじゃない」
アリッサが何か言い返そうとした。
まさにそこでヴァレリアが凍りついた。
音から始まったのではなかった。感覚から。ゆっくり背中を這い上がり、肩甲骨と首の間に座る悪寒。朝の冷たさではない。恐怖でもない、少なくとも普通の恐怖ではない。
見られているという明確な感覚。
重く。
静かに。
近すぎる。
一つの動きで弓を掴み、矢をつがえ、回った。
世界が一呼吸止まった。
鳥すら静かになったように見えた。
「ママ?」とアリッサが瞬きした。
ヴァレリアが広場と柵と屋根の稜と窓に目を走らせた。低い石壁。濡れた草。パン屋への小路。二つの家の間にまだ切れ端で漂う霧。何も動かなかった。ただ普通の朝。どこかの台所で鍋蓋がかたかた鳴った。パンの匂いが空気にあった。
それでも感覚が残った。
視線のすぐ外に何かが立っていて、頭を再び逸らすのをただ待っているかのように。
ヴァレリアがもう一拍長く保った。
そしてゆっくり弓を下ろした。
感覚が消えたからではなく。
アリッサが傍に立っていたから。
柔らかい笑みを顔に強いた。まるきりは成功しなかった。だが十分に。
「おいで」と言った。「中に入りましょう。朝ごはんの時間よ」
アリッサが頷いた。
さっきより静かだったが、もうあれほど張り詰めてはいなかった。この瞬間にはそれで十分だった。
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中は焼いた肉と焼きたてのパンと茶の匂いがした。
温もりが押し寄せた。皿がかちゃかちゃ鳴った。台所で誰かが短く笑った。椅子が床を擦った。普通の朝の音。夜がどれほど死に近かったか知らない家の音。
クレントとディアマントが卓に座り、早食い競争をしていた。
大きくはなく。馬鹿げてもなく。だがどちらも口にしないのに勝負にするあの静かな意地で。昨日とても暗いものの傍を滑り抜けて、今日はせめて朝食では競争が簡単なもののふりをすると決めた二人の男。
ルビンが傍に座っていた。腕を緩く組んで首を振っていた。
「食事でさえ」と呟いた。「何にでも相手が必要なのね」
スマラグドが隣で疲弊した笑みを浮かべていた。
アリッサとヴァレリアが入ってくると、空気が一瞬落ち着いた。
恐怖からではなく。
部屋の全員が即座に見たから。アリッサが頭を下げるのを。歩みがどれほど小さくなるかを。昨日がまだどれほどまとわりついているかを。
恥が肩にあった。腕を身体に寄せる仕方に。どこにも長く留まらない目に。至る所に記憶が待っていそうだから。
クレントが食べるのをやめた。
一言もなく立ち上がり、アリッサのところへ行き、持ち上げ、膝に座らせた。朝が出せる最も簡単な答えであるかのように当然に。
アリッサはまともに顔を上げる勇気もなかった。
クレントが額を軽く突いた。
「ほら、くよくよするのはやめろ」と低く言った。「起きたことは起きた、お姫様。過去は何度食い返しても変わらない」
声は温かかったが、温もりの下に脆いものがあった。アリッサに負わせたくない痛み。
「お前は学べる」と言った。「もっと強くなれる。そしてなる」
一瞬、目に何かが閃いた。
今度はあれで壊れさせない。自分にも。俺にも。
アリッサが瞬きした。涙が目に集まった。泣きたくなかったのに。小さな、慎重な笑みが顔に忍び込んだ。
「ありがとう、パパ......」
膝から滑り降りてスマラグドの隣に座った。ためらいがちに親友にもたれかかった。
「ごめんね......」
スマラグドはすぐには何も言わなかった。
ただ腕をアリッサに回し、そっと引き寄せた。分かるだけ近くに。
「いいんだよ」と囁いた。
ヴァレリアとルビンが視線を交わした。
空気に温もりがあった。本物の人間的な温もり。あんな夜の後にはどんな大きな約束よりも大きいあの静かな「まだいるよ」。
それでもヴァレリアの首筋に悪寒が残っていた。
薄く。
執拗に。
明るい朝の外で誰かが辛抱強く待っているかのように。次の一歩のために十分に不注意になるまで。




