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第52章 - ちょっとした歴史の授業

「ヴァンネス・ソルトリス? なんでメリィアおばさんと同じ名前なの?」と寝ぼけた声が聞こえた。


ルビンがメモから顔を上げ、階段の方を振り返った。スマラグドが立っていた。半分朝の光の中に、半分まだ夜の中に。髪がもつれていた。眠りの中で自分自身と喧嘩したかのように。目は半開き。窓ガラスを這って空気中の埃を見せ始める最初の淡い光に対して瞬きしていた。


食堂は冷えた灰と茶と木の匂いがした。暖炉がまだかろうじて灯っていた。夜をまるきりは乗り切れなかったかのように。テーブルにいくつか空の杯とパン屑の皿があり、どこかで緩んだ窓ガラスが風の中で静かにかたかた鳴っていた。あの夜など一度もなかったかのように振る舞う、小さく頑固な音。


「もうそんな時間?」とルビンが困惑して窓の外を見た。


太陽がすでに昇っていた。


「高く」ではなく、温かくもなく、だがそこに。一日がおそるおそる、自分が許されるかどうか訊いているかのように。


ルビンが何か言う前にディアマントが答えた。


「ヴェラ・ヴァンネス・ソルトリスはメリィアの母親だからだ」と言った。


立ち上がり、スマラグドのところへ行き、腕に抱えた。夜に廊下をとことこ歩いてきた小さな子供のようにまだ。スマラグドは抗議すらしなかった。ただ欠伸をし、一瞬肩に頭を預け、目を閉じた。抱えられるのが世界で一番普通のことであるかのように。


卓まで運び、枕を整えるかのように座り、下ろさなかった。スマラグドの脚が腕からぶら下がっていた。半分怒って、半分本当に反応するには疲れすぎて。


「お母さん?」とスマラグドが困惑して訊いた。空いた手で目を擦った。情報を拭い取ってもう一度整理できるかのように。


クレントが低く唸った。顔を上げずに。卓に座り、背中をベンチにもたれていた。まるで眠らなかったか、目を閉じても頭の中でまだ戦い続ける種類の眠りしかしなかったかのように見えた。


「どこから始めるかな」と眉をひそめて言った。「学院ではもっと後に習うんだが......メリィアのことだから、話してやれる」


ヴァレリアが腕を組んで座っていた。まだ昨夜の警戒態勢のまま。視線が一度だけ階段に行った - 一度だけ - そしてその後の短い呼吸が裏切っていた。アリッサが上でまだ眠っているという考えにどれほどしがみついているかを。家が静かなままだということに。この沈黙が今度は悪い種類ではないことに。


アリスが少し離れた場所に座っていた。部屋の端に近く。本能的に中心に座りたくないかのように。涙の最後の跡を拭っていた。強く擦れば落ちる汚れであるかのように。


そうだった......学院では語り継がれている......ヴォルフクラウはメリィアに直接教えられたから......あれほど異常に強いのだと......


アリスは実際には卓を見ていなかった。壁の向こうを見ていた。夜をもう一度聞かないようにしているかのように。


ディアマントが咳払いした。馴染みの調子に入るかのように。学院でいつも嫌いで同時に好きだったあの調子。大きなことに秩序をもたらすから。


「よし。こう言おう」と言った。「メリィアがめちゃくちゃ歳なのは知ってるな?」


即座にルビンから紙を切れそうなほど鋭い視線を食らった。


「痛っ」とディアマント。


スマラグドが半分寝ながらくすくす笑った。


「めちゃくちゃ歳ってのは失礼よ」とルビンがたしなめた。声は素っ気なかったが怒ってはいなかった。「ここにいないことに感謝しなさい」


ディアマントが詫びるように片手を上げた。「つまり古いという意味で......歴史的に」


スマラグドが少し考え、メリィアが訪ねてきた時に聞いた何かを思い出した。記憶は夢のように柔らかかった。温かい匂い、穏やかな声、そして誰かが部屋に入ると突然すべてが静かになるあの感覚。空気すら聞き耳を立てるから。


「うん......でもあれって本当なの?」とスマラグドがやがて訊いた。「メリィアおばさんの歳のこと、前におばさんが来た時に話してたの覚えてるの。一三三〇年とか言ってた。でもそんなに生きる人いないでしょう?」


ヴァレリアがクレントと一緒に低く笑った。本当の陽気さというよりは短い息抜き。


ヴァレリアが指でスマラグドの額を軽く突いた。その考えをそこに釘づけるかのように。


「メリィアは半妖精よ」と始めた。「半妖精は普通で四百年くらい生きる。妖精は普通で八百年くらい」


スマラグドがゆっくり頷いた。数字を積み上げているが、塔がまだ高すぎると気づいているかのように。


ヴァレリアが指を下ろした。「だから一三三〇にはまだ遠い」


「でも......?」スマラグドの声はかすかだった。無礼ではなくただ一貫した、あの子供の論理。


「ただしユニークスキルが関係しているの」とヴァレリアが続けた。「メリィアはかなり遅く老いる」


ルビンが低く鼻を鳴らした。「だから二十歳くらいの若い大人に見えるのよ」


「......二十歳くらいのね」とヴァレリアが世界で一番普通のことのように付け加えた。


スマラグドの目が大きくなった。


アリスですら驚いた顔をした。


あの話は本当だったの?


「ユニークスキルの秘術魔法のこと?」とスマラグドが確認した。


ヴァレリアが頷いた。


ディアマントが少し身を乗り出した。物語が数字になり始める点を置こうとするかのように。掴めるように。


「ヴェラ・ヴァンネス・ソルトリスは一三二三年前に亡くなった」と言った。「今は英雄女王歴一三二三年だ。彼女の死とともに新しい暦が始まった」


クレントが卓に頭を乗せた。この一文だけで教室に引き戻されたかのように。


「ああもう......また学院で講義聞いてるみたいだ」と唸った。


ルビンが鼻を鳴らした。「あの頃も聞いてないふりしてたくせに。次の日には誰より詳しかったわよ」


短い本当の笑いが卓を回った。


アリスですら微笑まずにいられなかった。あの夜の後にあまりに人間的で、あまりに場違いで。世界がまだ完全には壊れていない証拠のように。


スマラグドがディアマントの腕の中で顔を上げた。「でも......なんで一三三〇年って言う人もいるの?」


今度はヴァレリアが答えた。もっと穏やかに。スマラグドが明らかに気にしていたから。


「ヴェラが死んだ時、メリィアは七歳だったの」と言った。「メリィアは一三二三歳じゃなくて一三三〇歳」


スマラグドが息を吸った。メリィアおばさんを七歳の子供として想像した - その映像だけであまりに間違っていて、頭の中で抵抗した。まずその可能性に慣れなければならないかのように。


「じゃあ......本当にお母さんを知ってたんだ」とスマラグドが囁いた。


ディアマントが一度頷いた。「ああ」


その瞬間を立たせた。事実で叩き潰すのではなく、スマラグドが感じられるように。


そして続けた - もっとゆっくり。「ここから大きなことが来る。全部一度に背負わなくていい」と言う種類の声で。


「ヴェラは今はもう存在しない小さな王国で育った」と始めた。「貧しい生まれだったが、信じられないほど強かった」


スマラグドの口が小さなOを作った。分からないからではなく、小さいと大きいの組み合わせが好きだから。


「すべての魔法種を持っていた」とディアマントが言った。「完璧に均衡して」


ルビンが片眉を上げた。クレントが低く鼻を鳴らした。そう、古い文献にまさにそう書いてある、と心の中で認めるかのように。


「これが信じられないのは」とディアマントが続けた。「普通は一つの魔法種が他より必ず優位だから」


ヴァレリアが頷いた。「大抵は立ち方で分かる。呼吸の仕方で。本能的に何に頼るかで」


アリスが聞いていた。学院的な好奇心が動いた。痛くても知識を整理したがるあの本能的な欲求。


ディアマントが話し続けた。これを前にも語ったことがあるのが分かった。おそらく百回。だがスマラグドが「おばさん」と呼ぶ人間についてはまだ一度もなかった。


「ヴェラはすべての魔法種を持っていただけではない。二重魔法、三重魔法、四重魔法、五重魔法......そして六重魔法も使えた」


スマラグドが瞬きした。「それって......組み合わせ?」


「そう」とディアマントが言った。「二つの魔法種を同時に、互いに絡み合わせて - 突然噛み合う歯車のように」


ちらりとヴァレリアを見た。「あなたたちがやるように」


ヴァレリアが見えないものを掴むかのように手を上げた。


「氷は風と水を兼ねている」と台所の規則のように言った。「両方と長く働けば感じるようになる」


クレントが鼻を鳴らした。「俺は雷しかできないけどな」


スマラグドが首を傾けた。「でも......パパは風と光があるんじゃなかった?」


クレントがゆっくり頷いた。「公式にはな」


指で卓を一度叩いた。線を引くかのように。


「公式には風魔法と光魔法を持っている」と言った。「だがその二つの組み合わせしか使えない。雷だ」


アリスが思わず少し姿勢を正した。こんなに具体的に聞くのは初めてだったから。学院的好奇心が疲弊すら貫いた。


「なんで?」とスマラグドが低く訊いた。


クレントが卓から頭を上げ、手を振った。大きすぎる話題を払いのけるかのように。


「正確には誰にも分からない」と穏やかに言った。「普通は二重魔法や三重魔法は基本の魔法種よりずっと多くマナを消費する」


スマラグドを見た。今日中に解かなければならないとは思わないでほしいと確かめるかのように。


「俺はお前たちが基本の魔法種に使うのと同じだけのマナしか消費しない。理由は分からない。だが例外はたまにある」


「かなり便利な例外ね」とルビンが紙から顔を上げずに素っ気なく呟いた。


スマラグドがゆっくり頷いた。「分かった」


ディアマントが話を戻した。


「ヴェラは魔法だけが信じられなかったんじゃない」と言った。「あらゆる戦い方も極めていた。武器あり。素手でも」


指を二本上げた。空中に数字を書くかのように。


「十七歳でもうアダマンタイトランクに達していた」


スマラグドが興奮に震えた。「十七歳でもうアダマンタイト? 最高ランク?」


大人たちが頷いた。


アリスが唾を呑んだ。学院で知っていた。アダマンタイトは夢の目標ではなかった。畏敬をもって発する言葉。大抵は囁いて。まるで音自体が、使いすぎると危険であるかのように。


ディアマントがちらりとアリスを見て、次にスマラグドを。声が穏やかになった。ほとんどさりげなく。だからこそその一文がこれほど硬く当たった。


「そしてアリスも学院で知っているはずだ。すべての魔法種をあのように同時に極めた者は他にいない。ヴェラの前にも。ヴェラの後にも」


スマラグドの目が見開かれた。


ルビンが真剣に頷いた。「年代記には二つ、三つ、稀に四つの属性を持つ魔法使いの記録がある。五重魔法使いの伝説すら少数ある。だが大半は野心的な伝記作家の創作と見なされている」


「六重魔法は」とヴァレリアが低く言った。「年代記にたった一度だけ載っている。彼女の名前の下に」


アリスが唾を呑んだ。文献は読んでいた。学院の比較研究にも出席していた。もっとも大胆な訓練の瞬間にすら、ヴェラがしたとされることの近くに自分を置くことすら考えなかった。


誇張だとずっと思っていた。今日まで。


ディアマントがもう少し低い声で続けた。


「それに加えてもう一つ。彼女は魔法だけで戦ったのではない。手にしたあらゆる武器を極めていた。剣、槍、弓、斧。達人の域で。何年もかけて、その時代が提供できる最高の師匠たちに学んだ後に」


ルビンが頷いた。「ものすごく厳しく鍛えたと言われている。若い頃はほとんど眠らなかったとも」


クレントが歪んだ笑みを浮かべた。「心当たりのある誰かみたいだ」


「黙りなさい」とルビンが唸ったが、口角がぴくりとした。


スマラグドがディアマントの腕を見つめ、次に卓の表面を見つめた。全体を整理するのに役立つ模様がそこにあるかのように。


「じゃあ......ただ......唯一無二だったの?」と低く訊いた。


「唯一無二」とヴァレリアが確認した。視線は真剣だった。「彼女が死んでから、近いことをした者すらいない。一三二三年の間に」


スマラグドがゆっくり息を吐いた。まだ掴めない数字を見せられたかのように。


ディアマントが「神話」の章を閉じ「結果」に移るかのように続けた。


「こうして英雄に上り詰めた」と言った。「そして徐々に暴政と奴隷制と圧政と戦い始めた」


手で小さな動きをした。いくつかの小さな国をまとめるかのように。


「そしていくつかの小さな王国から連合王国エクシテルを建国した」


アリスの目が一瞬揺れた。自分の名前。自分の国。自分の出自。突然ただの政治ではなく、肉体を持った歴史。


「こうして英雄女王となった」とディアマントが締めくくった。


スマラグドが興奮に震えた。「じゃあメリィアおばさんのお母さんってすごかったんだ!」


あの人みたいになりたい。ヴェラみたいに。


ヴァレリアがスマラグドを見ていた。厳しくも柔らかくもなく。その願いが光と重荷の両方であることを理解する者のように。


「それだけじゃないの」とヴァレリアが少しもたれて言った。「今私たちがいるのが彼女の王国。エクシテルはまだ存在している。ヴェラの理想に従って」


アリスが目を伏せた。この夜にあまりに痛切に今日的だったかのようにその文が当たって。


「そしてメリィアは......」とヴァレリアが続けた。「政治には関わらない」


スマラグドが瞬きした。「なんで?」


ルビンが先に答えた。今度は教条ではなく経験のように聞こえた。


「権力は人を変えるから」と言った。「メリィアはヴェラの名前を使って支配したと誰にも言われたくないの」


ヴァレリアが頷いた。「別のものを選んだから」


ちらりとアリスに目を向けた。ここで噂が終わり真実が始まると意識的に見せるかのように。


「メリィアは六四七年前にソルトリス学院を創設することに決めた」とヴァレリアが言った。「冒険者がきちんと育成されるように。公正に、尊厳を持って行動するように」


アリスの顎が張り、目を逸らさないよう自分を強いなければならなかった。


「ネクスト・アダマンタイト」を思い出していた。「使い物にならない」を。話しかけようとしたミノタウロスの肉に突き刺さる矢を。


スマラグドがディアマントの腕の中で脚を引き寄せた。情報をもっとよく整理するために小さくなりたいかのように。


「じゃあ......おばさんじゃなかったら誰がそういう国を治めてるの?」と訊いた。


ヴァレリアが一呼吸ためらった。そしてスマラグドに分かる答えを選んだ。朝が突然政治の味にならないように。


「すべてが一つの王冠で支えられるわけではない」とヴァレリアが穏やかに言った。「複数の柱で支える国もある」


指で卓を穏やかなリズムで叩いた。


「例えばユートピア - ヴェラの歴史のもう一つの大きな影 - は君主制の終了後、三者の議会が支えている」


スマラグドの目が大きくなった。


「三つの声という意味で三人が話すんじゃなくて」とヴァレリアが補った。「互いを制御し合う三つの責任」


ディアマントが素っ気なく補足した。「グレイ・イオンダ、ハイスト、アセラ。一人は古い血統から、一人は防衛から、一人は知識から」


スマラグドが瞬きした。「つまり......誰もおかしくならないように見張る三人組?」


クレントが歪んだ笑み。「子供向けに言えばそうだ」


スマラグドが満足そうに笑った。難しいパズルを解いたかのように。


そして顔を上げた。


「使者って何?」と突然訊いた。


クレントが笑い始めた。本物の短い笑い。食堂にほとんど大きすぎた。


「それは!」と言った。「お嬢ちゃん! 学院で習うことだ」


笑った。「こうだけ言おう。『使者』は称号だ。あだ名。多くが不明だから」


ルビンがクレントに「それ以上はだめ」を意味する目を向けた。


クレントが降参の手を上げた。「分かった分かった。何も言わない」


スマラグドが頷いた。今ちょうど必要な種類の答え。好奇心を保つには十分で、世界を大きくしすぎないだけの。


アリスが一同を見渡した。ディアマントの歪んだユーモア、ルビンの乾いた厳しさ、ヴァレリアの穏やかな硬さ、クレントの疲弊した温もり。


英雄で有名人でヴォルフクラウなのに、こんなに人間的。学院で全員が一度会いたがるのも無理はない。


外で朝の光が高くなっていった。


そして上の宿のどこかでアリッサが眠り続けていた。下で歴史が語られている間。伝説としてではなく、最も偉大な名前もかつてはただの呼吸でしかなかったという記憶として。

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