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第43章 - 早すぎ、遅すぎ、間に合わず

※本話には子供の重傷・流血・精神的苦痛の描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。

森はまだ震えるのをやめていなかった。


塵が幹の間に漂っていた。灰色に、濃く。大地が一度深く息を吸って、吐くのを忘れたかのように。木の破片が苔の上に叩き落とされた歯のように散らばっていた。シダがずたずたに裂けた樹皮に張り付いている。どこかで最初のキュクロプスが泥の中で喘鳴していた。重く、不承不承な動きでしか世界にしがみつけない巨体。切断面から血が湯気を上げ、焼けた肉の匂いがあまりに濃く空気にあって、アリッサは舌でそれを味わった。


ヴォルフクラウが距離を取っていた。


慌てずに。逃げるようにではなく。


死にゆく巨人が倒れる際にまだ殺せることを知っている者たちの距離の取り方。


ルビンがタリアを半ば振りかぶった姿勢で立っていた。緋色の地獄の炎がまだ刃にある。クレントが低くしゃがみ、稲妻が剣で爆ぜ、全身がすでに次の動きに張っていた。ヴァレリアが高さを取り戻すために跳ぼうとしていた。そしてディアマントが最初に、前方ではなく子供たちの方を向いた。


最も危険な瞬間がいつかを理解していたから。


最初の一撃ではない。


最初の咆哮でもない。


終わったと信じる、あの一拍。


そしてまさにそこであの音が来た。


咆哮。あまりに深く、耳だけでは通らなかった。幹と根を、肋骨と歯を通った。落ちかけの葉を跳ね上げてまた沈ませた。アリッサは腹でそれを感じた。重く鈍く。見えない何かが手をそこに置いて押しているかのように。


そして第二のキュクロプスが背後にいた。


ただのもう一体ではない。


違う。


もっと幅広い。


もっと重い。


皮膚が蒼白で、紫の血管が怠惰にその下で脈打っていた。何か病んだものを肉に塗り込めたかのように。棍棒に暗い気配がまとわりついていた。空の傷のような紫。派手には揺らめかず。木に密着して、重く静かに煌めき、その手前の空気をあまりに濃くして、アリッサは自分の思考がそこを押し通らなければならないように感じた。


アリッサとスマラグドが振り返った。


スマラグドの目に恐怖があった。深い呼吸で押しのけられるふわふわした不安ではない。もっと明確なもの。もっと冷たいもの。即座に根を張るもの。


世界が狭くなった。


アリッサには自分の心臓が揺れより大きく聞こえた。一拍ごとに肋骨を打つ。棍棒の唸りは深く、おぞましかった。他の音を完全には呑まないが、鈍くした。重くした。暗い水をくぐってからでないと耳に届かないかのように。


シダの中、ほんの数歩先で、生き延びた治癒師が地面に押しつけられていた。傷ついた腕が応急処置の下で脈打っている。手をその上に固く押しつけていた。圧で痛みを窒息させられるかのように。指の間に緑の光が明滅した。弱く、不安定に。第二のキュクロプスの周囲の森を汚す紫の気配に何度も押しつぶされて。


目立たない。息をしない。死なない。


はっきり感じた。紫が自分の緑を嫌っている。抽象的にではなく。押し返してくる。治癒魔法を爪で世界から掻き取ろうとするかのように擦りつけてくる。


クレントとディアマントが駆け出した。


塵と轟音の中でも足音が聞こえた。もう慎重である必要がなかったから。隠密もない。追跡もない。ただ秒だけ。


ルビンが首を振り向けた。視線が即座に鋭く。ヴァレリアが身体を回し、射線を探していた。そしてクレント -


たった一拍の間、双剣の男ではなかった。


冒険者でもなかった。


ヴォルフクラウでもなかった。


ただの父親。


最初の衝動が剥き出しに顔に出ていた。アリッサには即座に見えた。


だが先に動いたのは彼女だった。


勇気ではなかった。


物語にある綺麗で明確な勇気ではなかった。


もっと生のもの。正しいかどうか問いすらしないもの。スマラグドの顔を見た。棍棒を見た。二人の上に落ちる影を見た。そしてこの狭い残酷な世界の切れ端の中に、許すことのできない結果が一つだけあった。


今何もしなかったら、あの子がいなくなる。


「クアドラプル・ブラッディ・ライトニングパンチ」と囁いた。


言葉は低く出た。ほとんど敬虔に。呑み込まれる直前に自分自身に囁く秘密のように。


そして内側で何かが裂けた。


魔力の衝撃が身体を走り、即座に息を奪った。温もりではなかった。綺麗な力の点火でもなかった。骨に稲妻を流し込まれたかのようだった。血の魔法がしがみついた。雷の魔法がしがみついた。両方が空間を求めた。子供の身体が決して与えるべきでなかった以上のものを、両方が求めた。


心臓が二つの異なるリズムで同時に打とうとした。


アリッサが喘いだ。


銀の髪が暗くなった。根元から、やがて束ごとに。黒が光を喰い尽くすまで。汗が額で冷たくなった。目が灼け、スマラグドが見た時、血のように赤く光り返した。赤い煌めきがアリッサの小さな身体を包んだ。きつく引き絞った外套のように密に。その中で電気がうねっていたが、それも色を変えていた。明るい稲妻ではない。血赤の光の脈。怒って、不自然に。開いた傷が肌の外を走っているかのように。


頭蓋の奥深くで細く高い爆ぜが始まった。


周囲にではなく。


中に。


自分の身体が導線になり、そのために作られていなかったと気づいているかのように。


シダの中で治癒師が目を見開いた。


あり得ない。


子供にはこんな感触の気配はない。あれは早熟の才能ではない。小さな発現でもない。小さな手のためではない扉を誰かが押し開け、その向こうから小さな心臓には決して収まるべきでなかったものが押し寄せているかのようだった。


スマラグドが釘付けにされたように立っていた。


「ア、アリッサ......」


友達に話しかけている声ではなかった。一瞬で自分から遠ざかりすぎた何かを、まだ認識しようとする声。


アリッサの気配は大きくは広がらなかった。だからこそ質が悪かった。密だった。絡まって。きつすぎる。力は外套のように周囲にあるのではなかった。中にあった。細すぎる肋骨の間を押し通る何かのように。


スマラグドの手が上がり、掴もうとして、空中で止まった。アリッサが脅威に見えたからではない。突然手が届かなくなったように見えたから。彼女の一部がすでに、スマラグドが追いつけない角を越えてしまったかのように。


そしてアリッサが微笑んだ。


穏やかに。


目から灼ける赤にはあまりに穏やかに。


「大丈夫」と言った。「今度はわたしが守るよ、スマラグド」


内側で灼けていた。


外からではない。振り払える火のようにではなく。


血管を通って。筋肉を通って。心臓を通って。呼吸の一つ一つがそこで擦り切れていった。


一回だけ。ほんの一瞬だけ。それで十分。


蹴り出した。


足元の森の地面が爆発した。


土が噴き上がった。根が裂けた。塵が噴水のように砕けた。アリッサが赤い線になった。空気を切る。あまりに速く、視線が追いつくのに苦労するほど。


衝撃波がスマラグドを突きのように打った。半歩よろめいた。樹皮が木からこぼれた。緩い枝が地面に落ちた。アリッサが森全体を蹴ったかのように。


「だめだ! アリッサ!!」


クレントの叫びが空き地を切った。


追いかけて走ったが、娘はすでに遠すぎた。速すぎた。ライトニングモードが空間を喰ったが、アリッサは一口で呑み込んでいるように見えた。何一つ鍛え抜かれた様子がなかった。自分自身を出し抜いたばかりの身体で、その代償をまだ理解していない。


「止まれ!」


ディアマントも飛び出した。治癒魔法がすでに手に。災厄が起きる前に掴もうとするかのように。だが彼の力は決して浪費的ではなかった。短く、凝縮され、接触に紐付いて。奇跡は願えない。正確な歩みだけ。そしてその歩みが今は足りなかった。


ヴァレリアがクレントの声を聞いて振り返った。


アリッサを見た瞬間、顔が凍った。


ほんの一拍の端数、戦いがなかった。


モードもない。


狩人もない。


ただの母親。


「アリッサ!!!」


叫びは頭蓋の爆ぜにもかかわらずアリッサに届いた。耳にではない。もっと深く。音が彼女を貫通するかのように。


ヴァレリアが弓を上げた。


一呼吸で四本の矢が形を成した。


火。


氷。


風。


土。


空気に四つの異なる張り。風が塵を横に引き裂き、火が熱く揺らめき、氷が鋭く爆ぜ、土が重く粒立って射線に漂った。


放った。


空気が唸った。


だが最初のキュクロプスがまだ終わっていなかった。


喘鳴する声で棍棒を持ち上げ、地面に叩きつけた。


衝撃が塵の壁を跳ね上げた。密に。茶色に。粗く。土と木屑と巻き上がった苔の壁が、ヴァレリアの射線を一撃で喰った。


矢がそこでばらけ、角度と目標を失った。


ヴァレリアが一歩退き、即座に新しい線を探した。だが瞬間は去っていた。


小さすぎた。


短すぎた。


アリッサはもうそこにいた。


もう子供のようには来なかった。


戦士のようにですらなかった。


弾丸のように来た。


「ブラッディパンチ!」


声が明瞭に森を通った。拳を掲げながら。稲妻と血の力に赤く走る拳。


当てろ。ただ当てろ。


第二のキュクロプスは慌てずに動いた。


ぴったりと動いた。


彼女の軌道が完全に終わる前に読んでいたかのように。彼女自身の一撃がどこで終わるか知る前に。


唇が広く、おぞましい笑みに引かれた。


目は荒くは灯らなかった。


覚醒していた。


計算していた。


深く喉から笑いが身体を転がり出て、地面を震わせた。


シダの中で治癒師の胃が落ちた。


あの笑みは獣の笑みではなかった。


容易い肉を喜ぶだけの粗暴な魔物のでもなかった。


意識的だった。


アリッサには遅すぎた。


完全な思考ではない。うなじの鋭い引きだけ。理性が追いつく前の身体の叫び。


違う。


軌道が違う。


キュクロプスが棍棒を上げた。


頭上高くではなく。大きく怒りのこもった動きでもなく。


身体に近く保った。距離を縮めた。紫の煌めきが木の上をもっと密に這った。唸りがあまりに深くなり、アリッサは耳よりも胸骨で感じた。


振った。


正面から。


一撃がアリッサを打った。彼女自身のパンチが空間を完全に閉じる前に。


「アリッサ!!!」


アリッサの世界が静かになった。


暗くではなく。


静かに。


白い圧がすべてを満たした。赤い稲妻がもう一度明滅し、崩壊した。血と電気の結び目が引き裂かれた。素手で縫い目を破ったかのように。


身体が弾き飛ばされた。


打たれたのではない。投げられた。


木がただの暗い帯にしか見えなかった。


そして衝突。


おぞましい砕ける音が森に響いた。すぐ傍で起きたかのようにスマラグドに聞こえるほど鋭く。アリッサが幹にぶつかり、同じ瞬間に口から血が噴いた。樹皮と苔の上に飛び散った。暗く、温かく。


崩れ落ちた。


動かず。


血溜まりが即座にその下に広がった。大地が貪欲に飲もうと決めたかのように。


世界の音が戻ってきた。


鈍く。


歪んで。


水を通すかのように。


アリッサの身体が重すぎた。腕も脚もどこかにあるが、もう繋がっていなかった。森が縁でざわめいた。すべてが遠かった。


シダの中で治癒師が声を呑み込み、口を手で押さえた。


あれは子供だった。


「......だめ......だめ、だめ、だめだ!」


クレントの声がひっくり返った。


一呼吸の間、世界が止まった。


スマラグドがすでにアリッサの傍に膝をついていた。


血を見た。半分開いた目を見た。赤く光る唇を。アリッサのどこにも動きに見えるものがないのを見た。頭がその映像を受け入れることを拒んだ。あまりに間違っている。あまりに速い。


そして何かが彼女の中で裂けた。


アリッサの肩を掴んで揺すった。強くではなく。本当には。もっと必死に。動きが命をもう一度固定できるかのように。完全に去ってしまう前に。


「ア、アリッサ......?」声が名前の途中で割れた。


涙が顔を流れた。温かい滴が上唇に届いて初めて気づいた。


「お願い......お願い起きて......」


アリッサは反応しなかった。


血の方はそれだけ多く反応した。


広がり続けた。


もっと広くなった。


スマラグドがしがみついた。自分の握りがアリッサの漂流を防げるかのように。心臓が速すぎて目眩がした。手が布と血と泥に食い込んだ。


見てるだけなんて嫌だ。もう見てるだけなんて嫌だ。


その考えは計画ではなかった。


無力の中の火花にすぎない。


熱く。鋭く。怒りに満ちて。


ディアマントが来た。


劇的さが求めたから膝をついたのではない。ただそこにいて下にいた。スマラグドが傍に誰かがいると完全に理解する前に、手はもう動いていた。緑の光が指に跳んだ。短く。密に。凝縮されて。大きくは出なかった。探り、掴み、掴めるものを掴んだ。出血。脈拍。呼吸。顔は動かなかったが、口角で何かが痙攣していた。


「スマラグド」声は穏やかで硬いのが同時だった。「傷から手を離せ。そして呼吸しろ。場所がいる」


スマラグドが殴られたかのように身じろいだ。


そして即座に従った。


したかったからではない。


ディアマントの声が他の選択肢を残さなかったから。


アリッサの血が手の下で温かかった。指を伝って泥に流れた。ディアマントが二本の指を首に当て、探し、見つけた。次に手を胸に、もっと深く、確かめて。緑が探る糸のように中へ入った。


顔が歪んだ。


ほんのわずかに。


「......アリッサ」と搾り出した。名前を掴み続けて、もっと遠くへ滑らないようにしたいかのように。「いろ。いてくれ」


光が掌に凝縮した。大きな輝きではない。英雄的な光芒でもない。素手で世界の穴を塞いでいる者の感触。裂け続けているのに。


スマラグドがアリッサの胸を見つめていた。


呼吸を待った。


上がるのを。


動くのを。


来なかった。


血だけが増えた。


手が一瞬無力に空中にあった。どこかに置きたかった。何かしたかった。この膝をついて見ているだけではない何かを。代わりにそのままだった。身体がこの一つの姿勢しか知らないと決めたかのように。


お願い......わたしは......幹の後ろにいてって言ったのに......


罪悪感が即座に来た。盲目に。無用に。完全に。


ディアマントの視線が一瞬スマラグドに走った。手は遅くならずに。


「スマラグド。こっちを見ろ」


見た。


目は赤く、霞んで、大きく見開かれていた。


「血が出ているなら」とディアマントが冷静に言った。「俺が持ちこたえさせる時間があるということだ。分かるか?」


スマラグドが頷いた。ほとんど何も分かっていなかったが。ただ「持ちこたえる」という言葉だけを掴んだ。深淵の上の綱のように。


ディアマントがアリッサの脇腹にもっと強く手を押しつけた。血が最もひどい場所に。緑がちらつき、一度少し明るくなり、また小さくなった。深く吸って、ゆっくり吐いた。今この瞬間にすら、正確に当たらなければならない動きと魔力を一つ一つ節約した。


これがディアマント。


過剰はない。


決断だけ。


二番目の手をアリッサの胸骨に当てた。光がもっと深くを探った。短い、ほとんど見えない痙攣が指に走った。気に入らないものにぶつかったかのように。


「骨だ」と呟いた。「くそ......」


スマラグドがその言葉を聞いて胃がひっくり返った。


「何が - 」


「話すな」ディアマントの声が即座に遮った。悪意ではなく。一語一語が時間を喰うから。「いいか。押さえろと言ったら押さえろ。離れろと言ったら離れろ。いいな?」


スマラグドがまた頷いた。今度はもっと速く。


動かなきゃ。せめて今は。


シダの中で治癒師がミリ単位で後ろに這っていた。治癒を続けながら。できる限り静かに。傷の上の緑が震えていた。視線がアリッサ、スマラグド、ディアマント、第二のキュクロプスの間を行き来した。


今逃げたら音が出る。留まったら見つかる。この伝説たちが負けたら、どのみち死ぬ。


光をまた傷に引き込んだ。生の縫い目で自分自身を縫い合わせるかのように。


そして第二のキュクロプスを見た。


怒ってはいなかった。


荒れ狂ってもいなかった。


戦場に到着し、即座にどこが中心か見抜く者のように立っていた。


視線がゆっくり場面を撫でた。


地面のアリッサ。


ディアマントの緑の手。


隣に無防備なスマラグド。


突進するクレント。


ヴァレリアとルビンが一拍、アリッサに視線を奪われている。


キュクロプスが顎をわずかに上げた。


誇りの動きではない。


秤量。


あいつには優先順位がある、と治癒師は思った。


その考えが彼女を氷のようにした。


あそこに立っているのはただの魔物ではないという意味だから。


敵が立っている。


「......だめだ......」


クレントの声がもう一度。


今度はもっと低く。


もう半分地面に落ちたかのように。


そして何かが彼の中で裂けた。


「うわあああああああ!!!!」


叫びが絶望だった。憎悪だった。自己嫌悪だった。すべてが同時に。たった一拍遅すぎた自分を引き裂くかのように。


稲妻が噴き出した。


最初はまだ皆が知るものだった。硬い光、切り裂くような、電気的な、塵の中で白青の。


そして何かが傾いた。


唐突にではなく。


色が光から引き抜かれるように。


縁が暗くなった。インクのような黒ではない。日を喰い尽くす嵐のような。爆ぜがもっと深く、焼けたようになった。オゾンが二番目の味を得たかのように。異質には感じなかった。


痛みが色を変えたかのように感じた。


ヴァレリアが目に見えて身じろいだ。


ルビンも。


まだ膝をついているディアマントですら一拍の端数だけ目を上げた。明るさと暗さが同時に刺したから。


空気はもうオゾンだけの匂いではなかった。


焼けた匂い。


木のではない。


名をつけたくない何かの。名が本物にしてしまうから。


「もう......もういい!!!」


クレントの声はもう叫ぶ男の声ではなかった。


身体がもう濾過できない命令の声だった。


周囲の気配が膨れた。稲妻が地面を裂いた。土が破片になって跳んだ。落ちた場所に暗い、煙を上げる窪みが残った。草が細い線で燃えた。幹が内側から樹皮を弾かせるかのように裂けた。


鳥が梢から落ちた。


死んでではない。


ただ圧で空気から叩き落とされて。


シダの中で治癒師が地面に平たく身を押しつけた。


あれはただ強くなったのではない。


あれは自分の子供が血まみれで泥に横たわっている時に、制御をやめた人間だった。制御にもう言語がなかったから。


ヴァレリアが目を見開いた。


「ク、クレント......やめて......」


声が細かった。不確かだった。まさにそれが恐ろしかった。ほんの前まで一目で戦いを決めていたのに。今は指の間で何かが壊れていくのに、どう持てばいいか分からない声だった。


手が本能的に矢をつがえた。


そしてまた止めた。


この瞬間にそもそも矢が合うのかどうか分からなかったから。


ルビンが一歩踏み出した。


そしてまた止まった。


キュクロプスへの恐怖からではない。


クレントへの恐怖から。


彼の怒りを知っていた。稲妻を知っていた。何かが行きすぎた時の煮えたぎりを知っていた。だがこれはただの怒りではなかった。稲妻が色を変えたように見えた。クレントの心臓がそれを変えたから。


ディアマントがまだアリッサの傍に膝をついていた。


暗くなっていく稲妻が地面に線を引き、膝まで這ってきた。一呼吸の間ためらった。臆病からではない。治癒魔法はすべてを引き裂こうとする嵐の中に掴みに行くのを好まないから。


そして作業を続けた。


手をアリッサにもっと強く押しつけた。緑がちらつき、彼女の中に忍び込む冷たさと、空気を汚す紫と、止まろうとしない血に抗った。大きなことは呟かなかった。祈りもない。呪文もない。確信を信じることをやめてもなお手を離さない治癒師が言うことだけ。


「いろ......いてくれ......」


スマラグドが膝の下の地面の振動を感じた。根と石の間に蜘蛛の足のような小さな亀裂が走っていた。視線がアリッサの顔に張り付いていた。蒼白。口元に血。目は半分開いてなお、スマラグドが気分が悪くなるほど遠い。


胸が灼けた。


塵からではない。


理解から。


言葉にではなく。


もっと奥深くの冷たい角として。


次は遅すぎちゃだめだ。


もっと強くならなきゃ。


もっと速くならなきゃ。


また起きる前に......


---


第二のキュクロプスがクレントを見た。


怯えてではなく。


感心してでもなく。


興味を持って。


目が細まった。首がわずかに傾いた。他者に聞こえない音に耳を澄ますかのように。棍棒の紫の気配が一瞬明滅した。暗くなっていく稲妻に応えるかのように。


すぐには打たなかった。


立っていた。


観察した。


クレントの歩みが地面を焼くのを見た。稲妻がただ跳ぶだけでなくもっと重く落ちるのを見た。ルビンが半歩踏み出してクレントについていくべきか止めるべきか分からないのを見た。ヴァレリアがアリッサと敵の間で引き裂かれ、その裂け目が時間を奪っているのを見た。


そして良い敵が理解することを理解した。


これはただの戦いではない。


これは梃子だ。


地面の最初のキュクロプスが喘鳴し、また笑った。喉から。嘲って。血が傷から流れ、それでもその笑いは、痛みがもう気にならない音にすぎないかのように聞こえた。


第二はその笑いには反応しなかった。


クレントに反応した。


足がずれた。


ほんの少しだけ。


一歩ではない。


準備。


棍棒が身体に近づいた。握りがきつくなった。距離が縮んだ。


秤量。


分析。


クレントが剣を上げた。


光はまだあった。だが暗い脈を通っていた。自分自身の属性すら、どの色を纏うべきかもう確信がないかのように。


彼の中に映像がちらついた - 愛から彼を突き飛ばす手。


「お前は......死ぬ!!!」


言葉を森に投げたのではなかった。


キュクロプスに直接叩きつけた。


そして飛び出した。


疾走としてではなく。


着弾として。


双剣の一撃ごとに稲妻と破壊の波が空き地を叩いた。地面が跳ねた。稲妻が幹を走り、樹皮を弾けさせ、塵を横に押しのけた。クレントが見えない壁を前に運んでいるかのように。


第二のキュクロプスは慌てて退かなかった。


場所を作った。


ちょうど足りるだけ。


最初の一撃を指一本分だけ横を通し、上半身を回して。棍棒が横から上がった。遠くは出さず、クレントの角度が壊される場所にちょうど。


紫が暗い稲妻に当たった。


音は金属音ではなかった。


木の音でもなかった。


深く押すような唸り。塵が一拍の間空中に留まるような。


キュクロプスの表情はもう自信には見えなかった。


計算に見えた。


痛いから困惑しているのではなく。


クレントが今何になったか、整理し直さなければならないから。


どの距離が今安全か?


どの打撃が本物か?


どれがただの囮か?


そして何よりも -


ここで本当の危険は誰か?


稲妻の男か。


その後ろで血を流す子供か。


目がたった一拍だけ横に流れた。ディアマントが膝をつき緑に光っているところへ。


そしてすぐにクレントに戻った。


秤量。


決定。


そしてここから始まる戦いは、もう強さ対強さではなかった。


意志対分析だった。

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