捜索される妖精
ある晴れた天気の良い日に 買い物に出かけたユイが 急いだ様子で帰ってくると
モパに 意外な話をした
ちょっと興奮してるのがわかる 大きな眼を見開いて 唐突に
「今日 モパを探してる人に会ったの」
と言った
「わたしを? 妖精か?」
身に覚えのないモパは 誰のことか見当もつかなかった
ユイは 大きく首を振って 深呼吸をすると
「100均でね・・・・
前に モパが入ってた箱のコーナーにたまたま 行ったのよ
そしたらね 女子高生の子一人 次々と箱を開けてたの」
モパの脳裏に 前同居人の女子高生が鮮明に浮かんだ
「なんだか 慌てた様子で でも 必死で 探してるようだったわよ
あれって 前に話してた 女子高生なんじゃないかな~って?」
モパの表情は変わらないので ユイはさらに続ける
「それでね 余計なことだったんだけど どうしたのか 声をかけたの」
ちょっと気まずそうに言った
「それで?」
モパは 前同居人である確信があったが いまさら何の用で・・・・?
理由は分からなかった
「箱に入ってた人形を探してるんだけど 見なかったかと 尋ねられたの」
モパの顔を覗き込むように言った
「間違いなく 前同居人だな」
ため息をもらしながら そう呟くと さらに話の続きを聞くことにした
「見かけないって言っちゃった だって 一度は捨てたんだんもんね」
仲間内では一目置かれるモパだったが 子犬のように 捨てられたのだ
顎に手を当てて 考え込んだモパだったが いつ聞いても この身の上は 情けないと
感じていた
「見た目は いまどきのギャルよね
エクステ ネイル 化粧もすごいし まつ毛も すっごく重そうで・・・・
モパは あの子と波長が合ったから一緒にいたのよね? 不思議だわー」
しみじみとそう言ったユイだった
「彼女については 波長は関係なく
色々データーを集めていたら ひっかかってしまったと言うほうが 正しい」
と 告げた
「携帯を いろんな人が持っているだろう?
欲しい情報があって 携帯をメインに探し物をしていたら やたら携帯に固執する者に
ぶつかってしまって それが 彼女だ
とにかく 尋常じゃない頻度の使いようだったから」
その記憶は消し去りたい モパだった
「情報って?」
ユイは 不思議そうに尋ねたが
「仲間についてだ」と 簡単に説明をしたが それ以上は話さななかった
「それにしても 今頃なんで?・・・・・・・・・
・・・・・・・・・やっぱり あれかな 願いを叶えるって約束のことかな・・・」
欲深い彼女のことだから モパを手放した後 約束を果たしてないことに
気がついて 諦めきれないのだろう
ユイは驚いた顔で
「それ 本当? モパそんなこと出来るの??」
と 真剣な表情で 聞き返した
モパは
「ユイでも そういう話に興味あるんだな」と笑いながらそう言った
「だって すごいことじゃない!! 」
ややムキになって そう言った
苦笑しながら モパは
「結局 叶える前に捨てられたんだがな」
と 言った
よくある物語のように そんなことがあるのかと ユイは驚いたが
ファンタジーの世界に 目をキラキラさせている
現実は そう甘くないと 諭したかったが 声をかけるのも躊躇するほど
妄想の世界に入ったユイを横目に ちょっと 気が引けたモパだった




