妖精にすがる女子高生
とある高校の 職員室で いかにもいまどき風の女子高生は担任に呼び出されていた
校則から大きく外れた格好をしているので 呼び出されることには慣れている
長い髪をもてあそびながら 短いスカートやネイル 茶色い髪色について
毎度 同じような注意を受けてうんざりしている様子だった
中年の男教師は 諦めたような様子で
「山本 いい加減 こちらの言うことを聞いたらどうだ?
毎回毎回 こっちだって好きで注意してるわけじゃないんだぞ!
それに 今回は お前の進級が危ういんだ・・・そんな格好に構ってる暇ないハズだぞ」
最後は 神妙な顔つきで心配そうに言った
今回呼び出された理由は 進級についてだったのだ
今まで高校を遊び場の延長としてしか考えていない女子高生の成績は悲惨なものだった
ついに 進級できないところまできてしまったのだ
「次の模試で 3教科50点を超えないと お前は進級できないんだわかってるのか?」
まっすぐ 山本という女子高生の目を見て言うと
伏せていた顔をゆっくりあげて 小さな声で
「わかってます・・・・・・・・」
と 答えた
さすがに 進級できないとなると 困るのだ
担任は きっと分かっていないだろうなと 感じていた
50点というハードルは この女子高生にはとてつもなく高いので 不可能であると
職員会議でも 他の指導者たちも同じ意見だったのだ
真面目に勉強に取り組むタイプではないので 留年も無理となると「退学」しかないのだ
担任から 解放された後も 放心状態の女子高生は いつもと同じ身なりには構うのだが
イマイチ 勉強に本気になれなかった
模試まで3週間を切っていた 家族にもその旨通知が行き
毎日 親からも泣きながら怒られてる状態で
本人もさすがに「やばい」と思い
最近は クラスメートや 先生に放課後勉強を教わっているが 今までサボっていた分
とにかく 飲み込みが悪く ちんぷんかんぷんだった
親からも 高校中退後の働き口を探せと言われ
最近は 事の深刻さに気づいて 自分なりに 勉強も真剣に取り組んでいた
「ゆかり・・・・ どう? この問題は わかる?」
クラスメートで成績の良い友人が 放課後 数学を教えてくれていたが
泣きそうな顔で ゆかりは 首を振った
「どうしよう もう時間もないのに これじゃ 学校辞めなきゃいけない」
そう言うと みじめで 涙が浮かんできた
集中力もなくなってきたゆかりは 友人がまとめてくれたノートを持って
家に帰る途中の 100均に 今日も立ち寄っていた
頼みの綱はあいつだけだ・・・・・
わらにもすがる思いで 今日も 前に捨てた妖精を探していたのだった




