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半端者  作者: ランプ
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流される新参者と美しきリーダー

春はモパのことが大好きになり よく名前を呼んで一緒にすごしたがった

モパは悪い気はしないけれど 適度に距離を持って接していた

それでもユイも家事の合間に 相手をしてもらえるのでだいぶ助かってると喜んでいたのだ


数日がたち 夜公園に今度は妖精同士の歓迎会に行くことなったモパは

隣の家に住んでるミクと一緒に出かけることにした

春はまだ起きている時間だったので 大好きなモパが出かけるのを知って大泣きしていた

旦那さんは困り果てて「父親の面子ないね」と苦笑していたのだった


若干後ろ髪引かれながらも 会場までの近い道のりだが

いつもより月の光を浴びて すべてが輝いて見える美しいミクと

スラりと背の高い 物腰の柔らかい均整のとれた顔立ちのモパが一緒に並んで現れると

誰もが見惚れるお似合いの二人だった


公園には 10人くらいの男女合わせて 妖精が集まっており

国籍・見た目年齢や風貌も様々だったが みんな 新しくやってきたモパに興味を注いでいた


ミクが「モパよ 最近あの青い屋根の家に来たの」

とみんなに紹介を始めた 


それだけで 辺りから大きなどよめきがあった

「あの青い屋根のうち? ミクの隣の??」

センバティも驚いて モパを凝視している


春の例の一軒を目の当たりにしてからは この反応も納得できるモパは黙ってうなづいた


「・・・ あのチビと共存できる物がいるなんて驚きだ」

誰ともなくそういうと 改めてモパの力の強さと非凡さが知れ渡った


一人一人 ミクとセンバティは仲間に自己紹介を始めた

一目おかれたモパは 遠巻きにもみんなに歓迎されたのだ


エネルギーを求めて ここにはたくさんの人が集まる

だが 邪気を放つものは ことごとく消されているのだ

もちろん 春に・・・・・・・・・・・


家に直接住む者はいなくて 離れた所からエネルギーを狙って よそからいろんな奴がやってくる

縄張り争いも熾烈なこの地域で 生き残ってる物は それなりに力をもっているそうだ


妖精たちの話を聞き モパは 改めて不思議な所にやってきたのもだと思っていた


それぞれ 他の話題に話が反れたところで

仲間の中で 物静かにしている 体の大きな濃い顔立ちの男に目をやる

明らかに 他のものより力がありそうだ

眼差しも鋭く 威厳があった


モパと目が合うと 男はモパの隣に近づいて

「ツフュールだ ・・・・・・・・・モパはここに長居するつもりはあるのか?」

と聞いてきた

その言葉に 数人が耳を傾けていた

「いや そのつもりはないよ」と答えると

聞き耳を立てていたセンバティは心なしかホッとしていた

ミクは 眉をしかめて

「気が変わるかもしれないわよね モパがいてくれたら心強いのに・・・・」

と 訴えるような眼で言った

その様子に ツフュールは フッと笑う

ミクは 目線を移すと 険しい表情でツフュールをにらんでいるようだった


「少し 場所を変えよう、あちらにきれいな池があるんだ」そう言って ツフュールと二人きりになったモパは

「あなたが ここのリーダーか?」と尋ねた

ツフュールは池に目を移したまま

「以前はそうだったが 今は違う。美しき新しいリーダーに譲ったのだ」


「・・・・・・・・ミクのことか?」

飛びぬけて≪美しい≫姿をしているのはミクだった

しかし 女であり若いミクがリーダーだとは 少し意外だった

しかも このツフュールを差し置いて


「彼女は 君の家の隣に居れるくらいの力をもっている

見た目はかよわいかもしれないが この中ではリーダーに相応しい」

遠くに離れたミクを見つめ そう言った

「ただ やはり対処しきれないほどの相手もやってくるのだ

君は強い力を持っているし 彼女も好意をいだいているようだ

若き美しいリーダー達が生まれれば 彼女もお飾りではなくなるのだはないか?」

どこか ミクを小馬鹿にしているような話だった


「それは あなたが決めることではないと思うが」

怪訝そうな表情で ツフュールを見つめたモパだったが


ツフュールは失笑しながら

「すまない 年寄りの戯言だ」と言い ツフュールはその場を離れた



またみんなのもとに戻ったモパ達は

他愛無い話をして 仲間とのひと時を過ごす


ミクは帰り際 モパにツフュールとの話の内容を聞いてたが モパは口を濁した

「あいつは 私を認めてないのよ」と 大体の話の予想はしていたらしく 険しい表情をみせた

「でも こまった時は 頼りになるのよね

いつか鼻をあかしてやりたい相手なのよ」と 力を込めて言った


「ミクは 逞しいな」

笑顔で 本心からそう言うと


ミクは 真剣な表情で見つめ返し

「モパがいてくれたら もっと強くなれるわ」と言った


・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・・・

これは どういう意味だろう

とっさに判断が鈍くなったモパは 大きな瞳に吸いこまれるように 動けずにいた


ミクの細くて長い指がモパの腕に触れると さすがに ドキッとしたモパだった

形のよい唇がゆっくりと近づいてくる

思わず その様子をただ見ているモパだったが


後ろから すごい勢いで近づいてくる気配に我に返った


目を血ばらせながらセンバティが二人の間に割り込む

「私も 話に混ぜてくれ」と 息を上がらせて そう言った


お似合いの二人の様子にやきもきしていたので ずっと割り込む隙をうかがっていたのだ

センバティだけは 二人が親密になるのを あからさまに嫌がり

みんな その気持ちを知ってるだけに 歓迎会の間もずっとからかっていたのだ


ミクもその気持ちを十分知っているが 気持ちにこたえるつもりは毛頭ないので

そっけなかった


邪魔者をはさみながら 家までの近い道のりを3人仲良く帰路につくのだった







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