顔合わせ
田舎の道をさらに外れた場所白い精神科病院がそびえ立っている
人の出入りは職員だけなので 静かでガランとしていた
入り口ホールにはたまに 事務や薬局 病棟のスタッフが薬をとりに来る程度
ツフュール達は すんなりと ホールへ入り すぐ目に着く中庭の花園付近で
老婆を待っていた
どことなく センバティは緊張している風だったが さすが 年を重ねてるせいか
他の2人は落ち着いて見えた
リュウは物静かに辺りを観察している
すぐ 遠くから老婆がやってくるのが見えた
歩調は緩めることなく 笑顔でゆっくり近づき
「よく 遠くまで来てくれたね」と 声をかける
遠巻きに 何人か 妖精の姿が見える
すでに 監視というか 侵入者に対して 向こうは警戒しているのか?
センバティの目線に気付いた老婆は 半笑いで
「あれは 野次馬だよ あんたたち 予想以上に目立つからね」
と小声で言った
リュウは背筋をピンっと伸ばし 花園を指して
「すごい花園じゃない? 手入れも行き届いていて いろんな種類があるわ」
と 美しい笑顔で言うと
後方から近づいてくる気配と また何人か人影が見えた
「あれは ここの自慢の花園です」
若い男の声がした
先頭に立つのは ノベルト 笑顔を作り 3人を見ていた
供らしき物が2人 その二人は無口だったが リュウに釘づけになっているようだ
正装で 黒っぽいドレスでまとめたリュウは高嶺の花というのが 今日の衣装のポイント
だと言ってたが その通りの効果はあったかもしれない
「あなたが ここのリーダーですね」
切れ長の 美しい瞳で そう尋ねられて
ノベルトは 口元が二ヤつきながら
「一応 そう言うことにはなっています 大した住処じゃないんですけどね」
と 謙遜して見せる
ツフュールは重い口調で
「初めて お目にかかる 以前 世話になった者の見送りに来た
第一線で リーダーをやっていた ツフュールだ」
同じく 黒い衣装から 手をだし 握手を差し出す
ノベルトは リュウとの目線を遮られた感じで 一瞬 ビックリしていたが
ツフュールの噂は ここにも届いているので また 驚きの表情で
「あなたに 一度お会いしたかったんです 噂はかねがね・・・・・」
ノベルトは ツフュールに少し憧れていたせいもあって 心なしか 少年のようのいはしゃいでいた
ツフュールは センバティに目をうつすと
「あれは 私の弟子だ 2人ともそうだ よかったら この大きな集団を統率する能力に
ついて レクチャーしてくれたまえ」
と ノベルトに 語った
それが ノベルトの自信に火をつけた様で 張り切って 院内の案内を申し出た
それに 稀に見る 美人の登場にも テンションが上がったらしく
自分の仕事を分配し 2人をあとから 案内する約束をつけてくれた
お互い 危険な人部物ではない・・・・・・・・・という前提で
まずは 老婆の部屋で 3人がくつろいでから いよいよ ノベルトとの濃厚接触だ
部屋に通され 4人になると
大きなため息をひとつついた
だが たった 数分だが 計算されつくした順序で スムーズに事は運んでることに
満足した
リュウが「私への 反応もまんざらじゃなくない?」と言うと
ツフュールが 「噂にたがわぬ女好きだったな リュウ これからが 本番だ
踏み込みすぎるなよ!」
と 釘をさす
リュウは 怪しい笑顔で 答える
何かやらかしそうな感じはするが・・・・・・それ以上は言わなかった
椅子にも座らないで センバティは突っ立って 腕組みながら話を聞いていた
ツフュールはチラリと見て 「お前は 常に気を抜かず 必要な間取りや 様子をうかがうだけで
基本喋るなよ」と 支持を出す
センバティは 短く答えた
ふーっと 一息ついていたら 遠くの建物の上から 人間の女の叫び声が聞こえるのに気付いた
泣いてるような 怒ってるような ずっと なんかに叫んでるのだ
老婆は タバコに火をつけながら
「精神科の患者って感じだろう?」と ポツリと言う
「あぁ」
「:・・・・・・あれが姫を管理してる 人間の女の子さ・・・・・」
その言葉に驚いたが
「モパ達も 動き出してるんだよ」
聞きとれないくらい 小さな声だったが みんな 聞き逃さなかった
そうだ モパが黙って見てるわけがない でも 一体何をしたんだろう?
確か その人間は もう人形のように大人しいと聞いていたのに・・・・・
老婆は淡々と 状況説明をする 「彼女は今保護室いて監禁状態 姫は 外だ(一般室)。 姫は 自分の塔なら 邪魔されず 自由に行き気が可能になった
巡回で チャンスあれば 一目会える可能性はあるけど 無理はしないように
姫は このアジトの「宝」だからね」
老婆の 教え通り それから ノベルトが 案内に呼びにくるまで
全員 さんざんやってきた これからのシュミレーションを 今の状況とかぶせつつ
各々 瞑想にふける
ただの偵察が 目的だ
あわよくば ノベルトが また リュウに会いたいと思って来るようになれば
ミッションは成功なんだ
何度か 顔を合わせるうちに 茨の向こうの姫と接触できるまで 異常者と思われないように
しなければならない
ほうら
ようやく ノベルトが さっきの衣装チェンジもして
案内を してくれる時間となった
リュウを意識してる証だろうな
3人は 目配せをした 背の高い3人が一度に立ち上がっただけで 威圧感ありありあんだけど
ちょっと 身長低めのノベルトは 気にしてないのかもな
お喋りが上手いノベルトの案内で サクサクと 院内を見物がスタートした
まずは 第一関門突破!!
女たらしって 扱いやすいのかも




