涙
久々に ユイと話をしている
前は はるの昼寝中に 家族の話を聞いたりして
よくユイの話し相手になっていたが 最近は そんな時間さえ持てなかった
自分のことで 精いっぱいだったが ユイは 話しかけるといつもと変わらず
優しそうな笑顔を浮かべて
自分用に 紅茶を入れて 飲まないのは 分かっているのに モパの分も用意してくれる
なんだか モパが ちょっと 疲れてるように見えて
元気がなかったので 気になっていたのだけど モパから切り出すまで じっと待っていた
そのうち ミクも現れて 同席することになった
ミクは はるの様子を気にしていたが ぐっすり眠っているので ほっとしているようだった
ミクを初めて見たユイは 急に 目をキラキラさせて
「なんて きれいな人なの・・・・・」
と 素直に 感動していた
「とっても お似合いよ
モパの彼女ね・・・・・・・・式の相談?」
などと ボケをかましてくれた
ミクは 悪気はしなかったみたいで 否定はしなかったが
モパは 困った顔で「違う 違う」と 答えていた
ここ数週間で明らかになった リラのこと 捕らわれて 助けが必要なこと 捕らえている者たちのことを
なるべく 簡潔に 分かりやすく説明をした
余計な 情報を伝えなかったことが ユイにとって
モパの心情を 考えさせられて 途中から 大きな瞳から 大粒の涙がこぼれ出した
これには ミクもモパも かなりの驚きを受けた
良く知らない他人のことで こんなに 涙を流し 悲しんでる人間を ミクは初めてみた
でも 心底 モパのことを心配している人間なんだということが 分かった
モパが ユイを信用して 協力を得ようとしているのにも なんとなく 理解できた
モパは困った顔をして ユイに 声をかけているが 涙は 一向にひかない
声を 詰まらせながら
「ごめんなさい・・・・
つらいのは モパや彼女なのに・・・・・・
なんだか 出産してから 嫌に 涙もろいのもあるんだけど
モパのことを思ったら 胸が張り裂けそうで・・・・・・・・・」
ぽろぽろと 頬を涙が伝っている
「わたしに・・・・・・・・・」
「わたしに出来ることがあったら 何でも言ってね
頼りないけど 力に なるから」
ユイは目頭を押さえながら そう言ってくれた
モパと ミクはチラリと目を合わせ
目を 真っ赤にしたユイを まっすぐ見つめ 協力を求めた
「ユイは そう言ってくれると 信じてたよ」
優しい モパの声でそう言われると
ユイの 引きかけた 涙が また どっと あふれ出した




