やっぱり 女好き
病院にいるリラは再び結界を張って 他の者を寄せ付けなくした
サトミもとくにあれから 変った様子は見せていない
退屈な 時間が過ぎるだけの毎日を過ごし 脱走できる日を 心待ちに待つリラだった
一方 老婆は珍しくノベルトに声をかけられた
廊下をプラプラ散歩してるときに 後ろから 声をかけられ いつもの中庭へ誘われた
長身で 長い脚を組み 老婆にノベルトは礼を言った
「この間は 姫を助けてくれたそうですね ありがとう」
この前の中庭へ現れた時 暴動が起きそうになったことの話しらしい
老婆は すでに忘れかけていた話のため 適当に相槌をうつ
ノベルトは 軽く
「もうすぐ ここを去るそうですが もう 会議には出席しないんですか?」
と世間話を続ける
老婆は 失笑し
「私の出来ることは もうないからね 出席する意味がないよ」
と 答える
「あなたは ここに長く 力も強い
良いアドバイスをしてくれるし 意味がないということは ないです・・・・
それから・・・・
姫は この間の一件以来 姿を現さないけど やはりショックが大きかったようですね
パワーの補充もままならなかったのではないかと 心配してるんですが」
どうやら リラの様子が気になって仕方ないようだ
老婆は いい口実に呼ばれたもんだと思いながら
「あの時 わずかだけどパワーは補充していたから 死ぬことはないよ」
と 嘘をついた
「そうれならいいけど・・・・・」
安心したノベルトは笑顔を見せる
すっかり信頼されてる老婆は なんだかおかしくなってきた
「あんたは ずいぶん 姫に ご執心だね
他にも いっぱい彼女いるだろうに なんであの子に そこまで・・・・」
ノベルトは 照れ隠すように
「彼女は 特別です
あんなに美しい人はそういないでしょう
私だけでなく ここにいるものすべてがそう思ってる」
ベタぼれしてる 間抜けな返事に 老婆は 突っ込む気もなくなった
・・・・もっと 狡猾でずるがしこい奴と思ってたけど 単なる女好きか・・・・・・・
こんなやつと一緒に ここを守ってるつもりだったのが 馬鹿らしいね・・・
と 老婆は密かに感じていた
「そういえば・・・・・」
いい口実を 思い出す
「近くに 私を訪ねて昔の仲間がやってくる予定なんだ
3人ほど
荷物の整理や お別れのためにここに呼びたいんだけど 許可をくれるかい?」
唐突な 老婆の言葉に 驚いた顔をしたが すぐに
「昔の仲間ですか? いいですよ」
と 答える
老婆は ノベルトにかなり信用されているようだ
「客来たら こちらからも 挨拶させるよ
何度か 足を運んでもらう予定なんだ」
と 続けてそう言う
ちょっと ノベルトの顔が曇った
閉鎖的な所なので あまり外部の接触を好まないのだ
ノベルトが喋り出す前に
「一人 あんたくらいの年の女が来るよ
姫までといかなくても 地元じゃ 有名な美人だ
まぁ あんたの好みに合うかは分からないけど ここを取り仕切るあんたに興味を持ってたよ
なにか アドバイスあったら 仲よくしてあげてください」
と 付け加える
単純で女好きにのノベルトは 大いに 照れて 老婆の要求を受け入れた
そんな様子に 密かに ほほ笑む老婆だった
・・・・・もう少しだよ 姫 頑張りな・・・・・・・
脱出できる日を待ち続ける リラにむかって 老婆は こころで そう呟いていた




