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半端者  作者: ランプ
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かごの鳥

田舎の 山に近い あまり人が寄り付かないような所


辺りを見渡しても 山と田畑しか見えない そこに大きな病院がある


窓は 人の腕がようやく入るくらいの開閉しか出来なくて 終始出入りのドアは閉鎖されている


今日も いつもの日常がやってくる


早朝から多量の薬を内服し 拒むと 職員に飲むまで監視され続け


味気ない朝食をとって それから どうでもいい 検温のあと

プログラムされてる診察・音楽・運動療法をやるだけの日々


薬づけの毎日


これに従わないと 一歩たりとも外には出られず 自由はない


頭がおかしいと言われてる人々と くだらない時間・口喧嘩・職員のやる気のない声かけが

死ぬまで続く


周りの患者は 若いころから入院してる人が多くて もう30年以上住みついてる人もいる


私は まだ4年ほどだが この日常にすっかり毒されている


まだ若い患者の私には 多少の遠慮も見えるが ここの職員は すっかり治療というより

「監視」という業務が 板についてるようだ



心の治療ではなく ただ 外部から遠のきたい私には 薬を飲んで 指示にできるだけしたがえば

家族から拒絶されている身なので 

ここの暮らしは さほど苦痛ではない


20歳くらいから 発症するケースがおおい 統合失調症


私の場合も 若く今から楽しい未来があふれてるだろうこの時期

この病気の診断がついた


症状は妄想・幻聴・強迫観念・自殺未遂 そんなところだろ


入退院を繰り返し 家族からは見放され この病院も常連のようになってしまった


でも 私には 心の救いがあるのだ


決して 妄想でも幻聴でもないと確信している


動きやすい白のジーンズと 紺色のパーカーを着た細い女の腕には

古い 火傷の傷がときどき見え隠れしている


化粧っけもなく 白い素肌に 傷が痛々しく見える


立ち上がり ベットの柵の隅に腰掛けている 小さな 小人に話しかける


「リラ 何が見えるの?」

優しく声をかけるが 小人は 悲しそうな顔で外を眺めたまま答えてはくれない


この場所に似つかわしくない 華やかな顔立ちの 可愛いらしい女の小人だった


「どこにも行けないよ あなたも・・・・わたしも・・・・」

冷たく笑いながら 女は今日も 他のもには見えない物に向かってだけ 話し続ける




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