警戒すべき相手
「わたしは・・・・・あなたたちにとって 敵か?」
モパのこの言葉に ミクセンバティも黙って 2人を見つめていた
ツフュールはまるで面白そうに身を乗り出して ゆっくり口を開いた
「今は まだ敵ではない・・・・
しかし 知っての通り この場所は君が住まいとしている場所のエネルギーを求めて
集まって出来た群れがいる
拠点に 居続けるのなら 敵となるか 味方になるか・・・・・決めるのは君だが?」
ツフュールから目をそらさず
「前にも言ったが ここに居続ける気はない
君たちを敵に回すつもりもない」
きっぱりと言ったモパに
さらに ミクは
「モパからは 邪悪な気配は感じない
敵となるなら 最初から歓迎なんかしないわ・・・・・
今の状態で モパが拠点に住むことで エネルギーの大きな拡散はないでしょう?」
ツフュールに向かって 強く言った
「確かに 悪魔達が消されたりする率を考えれば 拡散は問題ない」
と 頷いた
「もし・・・・」
ミクがちょっと考えながら 目を伏せ
「もし この場所に居続ける気なら モパがリーダーになるべきね」
と 言った
センバティは 驚いて 隣のミクを振り返っていたが かける言葉を失っていた
ツフュールは 無言でチラリと ミクを見たが 何も発言はしなかった
強い力の持ち主がリーダーになるのは 当然のことだ
今までも そうやってきたのだが 問題は「力」だけでは決められないことなので
今は誰にも 判断がつかなかった
モパも ミクの言葉に驚き すぐに
「そういうつもりは ない」
と 言った
ミクは 分かったというように 少しほほ笑んだ
その様子をじっとみていたツフュールだったが
「他には?」
と モパに尋ねた
「え?」
「聞きたいことは それだけか?」
「いや・・・・・ 今のこととは関係ない話なんだが・・・・・」
ツフュールは話を続けるよう ソファに座り直し 手を組んで 言葉を待った
「公園に昔 ログハウスがあったらしいが 取り壊されたと聞いた
いつ頃のことなのか それと 取り壊された理由を知っているか?」
意外な話しだったのか 一瞬 目を大きく見開いたが
「古い話だが 確か7~8年前のことだ
確か 小学生くらいの子供が よくそのログハウスに集まっていた
死角ともなる場所だったんだが そこでいじめがあったらしい
そして いじめられた子が そこに火をつけたというのが理由だった
火をつけた時は 子供数人がログハウスにいたようだ
みんな軽い火傷程度で済んだらしいが 火をつけた子は 町から出て行った
知ってるのは これくらいだ? いいいかな?」
聞いていて なんとも後味の悪い話だった
取り壊された理由は初めて聞く話だったらしく よく集まるあの公園で そんなことがあったのかと
センバティとミクも途中は 眉をひそめて聞いていた
「あぁ ありがとう
なぜか あのログハウスのことが気にかかるんだ それに私は引き寄せられたのかもしれない」
みんなに向かって説明した
特に それ以上聞くことがなくなったので モパは 礼を言うと チラリとミクを見た
ミクは その視線を見て 引き上げることにした
ツフュールは モパに向かって
「それから もうひとつ・・・」
と 人差し指を立てた
帰ろうとしていた3人は一斉に振り向き
「そのログハウスでは 私達と同じような妖精の類が 放火した子供と
一緒だったらしい
その一件以来 どうなったのかは分からないが 姿を現さなくなったようだ
・・・・・聞きたかったのは そのことだったかな」
と 鋭い眼光で モパを見た
それを聞いて モパは目を見開いて しばらく固まっていたが
それは一瞬のことで すぐ平静を取り戻して
「あぁ わたしがずっと探している人かもしれない・・・・」と言った
それから モパは引き上げる途中も ミクとセンバティの話は耳に入ってこなかった
ミクは モパの言葉を 思い出し とても大事な人のことだろうと想像はついたが
モパから話があるまで そのことには触れないでおこうと思った
そして 帰り際にこっそりと ツフュールが言った言葉も 気にかかっていた
「彼とわたしは 似ている・・・気をつけなさい」
どういった意味か分からなかったが
モパのことを より リーダーとしても特別視するようになった




