彼の思惑
悪魔を引き寄せている・・・・・本当なんだろうか?
センバティは 移動中 3人ずっと黙ったままの状態で各々考えは別々だったが
自分なりにモパについて考えていた
自分たちにとって 敵になる存在とは思えないのだが もしかしてツフュールは
何か情報を掴んでいるのだろうか?
そして ミクは どう考えているのか?
追放や戦いを余儀なくされれば 彼女はモパと戦うのだろうか?
隙のない美しさや物腰からは そうなれば躊躇しないだろうと想像はついた
そんなことを考えていると
1キロほど離れた 小高い住宅地に入り 駐車場になっている裏手に たどり着いた
そこからは モパ達の家や 公園まで一気に見渡せた
ミクは 立ち止り テレパシーで交信をした
すると ブラックホールが開き 3人は 順番にその中へと進む
ミクの家とは正反対で 部屋は一つ 無機質でシックな部屋だった
一人用の ソファとテーブルがあるだけで すぐ ツフュールの姿が目に入った
ギロッと鋭い眼光で3人を見ると 立ち上がって
「3人お揃いでで 何の用だ?」
と 無表情でミクに向かって聞いてきた
「さっき 悪魔に襲われたわ しかも つるんで12匹もよ 」
「そんなに大勢でか・・・・? それで 3人で追い払ったわけか?」
「正確には 人間の子も入れてだけどね」
と センバティが言った
ツフュールは硬い表情のまま
「頼もしい仲間がいて よかったじゃないか 私も 安心だよ」と
言うと
「悪魔がつるむことなんて 今までなかったわ!
それに あれだけの数の悪魔が一気に入ってきたら まず あなたが気付くはずよ」
強く言い放つと
「・・・・・・・何が言いたい?」
渋い顔はますます 不機嫌そうにゆがんでいく
「この前の会議でのあなたの発言が 気になるの・・・・
悪魔を 差し向けたのは あなたなんでしょう?」
確信を得ているのか ミクは ツフュールから目をそらさず返事を待った
ツフュールは ニヤッと頬を緩めると
「さすがに リーダーだな・・・・
確かに 何人かで拠点へ突破していく姿を見た 私は 阻止しなかった
しかし 君たちなら あの悪魔どもを追い払うことも予想がついていたよ」
その言葉に ムッとしたセンバティは ツフュールを睨んだ
3人の様子を面白そうに見ながら
「結果的に しばらく悪魔はやってこないだろう・・・・・
大勢で行っても 蹴散らされると実証されたんだ 予定通りだよ」
ずっと黙ってモパは ツフュールの発言について考えていた
ミクとセンバティは あからさまに 怒りを露わにしたが
ミクがゆっくりと
「こんなこと・・・・・ 仲間を危険にさらすことは許さないわ!二度としないで!」
と 言った
ツフュールは それを聞くと
「仲間と思っている者には 危害を加えないよ」と挑戦的な発言を残した
うまく3人は使われて しかもその策略でツフュールの言った通りになる
当分 悪魔は寄り付かなくなった
やり方は問題あるが 犠牲もなく 平和な日々が続くのだ
本当のリーダーはツフュールであると 否応なしに感じてしまう
悔しそうに口を閉じていたが それ以上 話すことはなくなった
モパは
「新参者の私があのうちに来たから 悪魔になめられたのか?
それで 意図的に あなたが悪魔を操ったと解釈していいのかな?」
口調は穏やかだが 静かな分 怒りが伝わってきた
「その通りだ 」
短く返答した ツフュールは 何事もなかったかのように椅子に腰掛け
「他には 何を聞きたい?」と 聞いた
何もかも見透かしているような ツフュールの目つきだった




