■行方不明者リスト■
こちらの『行方不明者リスト』は作中で登場した資料の様な物であり、ストーリーとはあまり関係がありません。
読み飛ばしてしまっても問題ないです。
本格的な資料の様な物を作る予定ではありましたが、“本格的”とは何ぞや? といった壁に当たったので断念。作中で登場した資料の要所を抜き出したもの程度に思って頂けたら幸いです。
“黒隠”こと足立尊が影人となり姿を消して以降に発生。
失踪。並びに届出が出され、行方不明扱いとなっている方々についての情報をここに記載。
更に詳しい情報が知りたい場合は、端末より本部へと連絡下さい。
情報が整理され次第、そちらの端末へと送信いたします。
●靖田優沙。当時十九歳。女性。学生。
凪原大学に在籍していた。
ある雑誌のモデルとなった事で知名度が上昇。大学内でも密かなファンクラブのようなものがあった模様。
足立尊が消息を絶って、一週間後のこと。
大学へ行ったきり帰らないという両親からの捜索願が出され、上記の知名度などから『特異家出人』と判断。直ちに捜索が開始されるも手掛かりは無く、身代金などの要求が来る事も無かった。
約一週間の捜索の甲斐も無く、捜索は打ち切られた。
※この件に関して、“黒隠”足立尊の関与は皆無と判断する。
理由:“黒隠”足立尊が、影人となってから行動までの期間が短すぎる点。
●童重蔵。当時八十六歳。男性。
身寄りが無く、一人暮らしをしていた。高齢者。
足立尊が消息を絶って、二か月後のこと。
ある日、高齢者仲間であり付き合いも長い友人が童宅を訪れた際に、家には誰もいなかった。戸締りもせず、明かりも点いたままであった為、出かけているものと思い帰宅を待ったが童重蔵さんが帰る事は無く、警察への連絡がなされた。
近隣に童重蔵さんと親しい者がおらず、いつから居なかったのかが曖昧。
『特異家出人』として探索が行われたが、結果見つからず打ち切りに。
※この件に関して、“黒隠”足立尊の関与は皆無と判断する。
理由:“黒隠”足立尊が、影人となってから行動までの期間が短すぎる点。
●物部栞。当時六歳。女性。学生。
父、母、兄、祖父との五人暮らし。
友人と共に近所の川へと遊びに行った際に、川に流された。
物部栞さんが流される所を目撃した友人が川へと助けに入ったが、流れが速く足場も悪かった為一度引き返し、近くにいる大人を呼びに行った。
通りかかった男性を連れ、川へと戻った時には物部栞さんの姿は無く、その場で警察へと連絡した。
決死の捜索が行われたものの、下流にて物部栞さんの履いていたとされる靴の片側を発見。しかし、それ以上のものが見つかる事は無かった。
※この件に関して、“黒隠”足立尊の関与は皆無と判断する。
事故の可能性が非常に高い。
●風見拓斗。当時十八歳。男性。学生。
母親の財布からお金を持ち去る所を父親が発見。
口論の末自宅を飛び出し、それ以降消息が不明となった。
後日、在学していた高校でいじめが起こっていた事が発覚。
同クラスの不良グループからお金をたかられていた事が分かった。
※影人化の可能性あり。
●安部春緒。当時二十六歳。男性。会社員。
宅配会社所属。
行方が分からなくなった日、宅配途中にガードレールに接触。後ろを走っていた車と事故を起こすトラブルがあった。
左腕を軽く骨折したようで、駆け付けた警察との会話でも痛みを訴えていた。
幸い死傷者は出なかったが、後続を走っていた車の運転手も軽いケガをし、また安部春緒さんの運転する車の後輪もパンクしていた。
会社にその事を伝えた後、体調が悪いといった症状を訴えた為、運転席で横になっていたが、救急車が到着した時にはどこにも姿が見当たらなかった。
※影人化の可能性あり。
●藤堂明。当時三十歳。男性。
大学卒業後に一人暮らしを始め、職場を転々としていた様であったが、二十五歳の時に実家に帰った後引きこもりとなった。鬱病を発症した事も要因の一つだと思われる。
それ以降の五年間は職に就かず、インターネット等で時間を潰していた模様。
夜に外へ出かけて以降、行方が分からなくなった。
監視カメラにより近所のコンビニに立ち寄ったところまでは判明している。
※影人化の可能性あり。
●安原則夫。当時十八歳。男性。学生。
行方をくらます一週間ほど前、友人達と共に“肝試し”と称し心霊スポット巡りをしたらしい。それ以降、体調不良を訴えて学校を休んでいた。
外の空気が吸いたいと言い、その日は熱も無かったことから外出を許し散歩に行かせたが、帰宅せず行方が分からなくなった。
財布は持って行ったようだが、携帯は安原則夫さんの部屋から見つかった。
置手紙等はなし。
近隣の監視カメラを調べたがどこにも映ってはいなかった。
※影人化の可能性あり。
●神宮天音。当時十二歳。女性。学生。
友人の家に遊びに行くと言って出て行ったきり行方が分からなくなった。
一時間程して、友人から神宮宅へ『天音ちゃんは在宅ですか?』といった連絡があり、判明した。
携帯は持たせていた為、連絡をしたが繋がらなかった。
その後の警察の捜索で、自宅より十数㎞離れた雑木林内で携帯を発見したがそれ以降、足取りを掴む事は出来なかった。
その雑木林付近に不審な黒い車が数時間にわたり停車していたという目撃情報あり。
※影人化の可能性もあるが事件性が極めて高い。
●増田京兵。当時三十七歳。男性。会社員。
システムエンジニア。
体調の不良を訴え、二日間の有給を取得。しかし以降、会社に出勤することなく失踪した。
有給一日目にかかりつけの病院にて診察を受けたところまでは足取りが掴めたが、それ以降の行動が分かっていない。
後に、増田京兵さんには多額の借金があった事が判明。
酒癖が悪く、暴れる事が多々あり、近隣住民とはよくトラブルになっていたようである。
※影人化の可能性あり。
●倉瀬大智。当時十三歳。男性。学生。
学内でのいじめにより不登校。
半年ほど自宅の部屋で引きこもり生活をしていた様だが、両親が仕事によって不在の際に行方が分からなくなった。
両親は出かける時には必ず声をかけ、それに対し倉瀬大智さんも何らかの反応は示す為、一応は意思疎通が出来ていた模様。
行方が分からなくなった当日も倉瀬大智さんからの反応があったことから、少なくともそのタイミングまでは居たとされるが、両親が帰宅した際には何の反応も返って来なかった為、断って部屋に入ったところ居ない事が判明した。
外へ出た形跡が無く、靴もそのままであった事など不明な点は多い。
※四日前、凪原町へと向かった『影世界専門部隊』の調査により影人化していた事が判明。
状態は“フェイズ3”。
“影世界”内にて交戦。――撃破済み。
●松田椎菜。当時二十四歳。女性。会社員。
一般事務。
元々の仕事量が多く残業が嵩んでいた。
ここ一年の間で、度々体調を崩しては有給を取得していた。
行方が分からなくなったとされる当日も、残業で遅くまで残っていた様である。
会社から帰宅をする間の詳細が不明であり、帰宅経路から離れた路地で松田椎菜さんのものと思われるカバンが発見された。
今回、凪原大学での任務中にて遭遇した影人の件。
頂いた情報を基に松田椎菜さんと照合した結果、約二週間前に失踪した松田椎菜さんと同一人物である事を確認しました。
現在“フェイズ3”であることから警戒が必要。
・能力について
データベースより、頂いた情報を基に“能力”について検索した結果。
脚力を上昇させる類の力というよりは、移動時、身体が宙に浮いている状態での移動速度を上昇させていたものと思われます。
※脚力上昇であるならば足元、床に対しての被害が出ていないのは不自然。等々。
以上、十一名。
現在までに確認された、凪原町内での被害者となります。
隣町で確認された、原田一喜さんを除く二名についてもここに記載。
●杉谷美春。当時十七歳。女性。学生。
友人とゲームセンターへ行った帰り、バイトがあると言って別れたきり行方が分からなくなった。バイト先からも数度、連絡をしたようではあるがいずれも連絡が付かなかった。
それから一週間後、隣町で同一人物と思わしき人物を発見したという連絡があったが発見には至れず。
友人には『彼氏が冷たい』などといった不満を口にしていた事から男女間でのトラブルが疑われる。目撃時、彼氏とは別の男性と一緒にいたという情報もあり。
※影人化の可能性あり。
一週間後に発見された杉谷美春さんは、既に影人“フェイズ3”かもしれない。
●森川聡地。当時二十一歳。男性。学生。
大学を二年留年。
その後も思うように単位が取れずにいた様で、次の年も留年が危ぶまれていた。
行方が分からなくなった当日も大学で講義を受けていた。
夜になっても家に返って来ない事を心配した両親により捜索願が出された。
バイトはしておらず、家と大学を往復する日々であったそうである。
親しい友人などとの交流も無かった為、どこかの家に厄介になっている可能性も少ない。
持ち物は大学に持ち寄る為のリュック。携帯。財布等。
連絡が繋がらず、森川聡地さん側からの連絡も来ていない。
※四日前、凪原町へと向かった『影世界専門部隊』の調査により影人化していた事が判明。
状態は“フェイズ3”。
“影世界”内にて交戦。――撃破済み。




