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カゲビト  作者: 永眠布団
第二章 初任務

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第11話 『敵の動向』



 凪原(なぎはら)大学。

 桜の木が植えられた人気のない大きな広場。

 その場所に、“黒隠(こくいん)”と名付けられた男。影人、足立尊(あだちたける)の姿があった。


 広場の真ん中。

 そこに植えられた一際大きな桜の木へと向かって、“黒隠”は勢いよく拳を打ちつけた。


「くそ! ……どうする!?」


 ズキリ……と、未だに痛む左肩の切り傷があった箇所を抑えると、その表情を苦痛に歪ませる。

 その顔からは、怒りの感情さえ見て取れる。

 数日前、この傷を作った敵。

 あの敵は、間違いなく“影狩り”が仕向けた戦闘員なのだろう。


 戦いに慣れ、“影世界”内でさえ実力を発揮する彼ら“影狩り”に“黒隠”は逃げる事しか出来なかった。

 せっかく用意していた影人も、彼らの前では時間稼ぎにしかならなかった。

 ……挙句、“フェイズ3”まで育てた影人を二人も失った結果である。


 “影狩り”の戦闘員には、現実世界での探索や戦闘をメインとする部隊と、“影世界”での探索と戦闘をメインとする部隊の二種類があると聞いている。

 今回“黒隠”が遭遇したのが後者なら、現実世界に身を潜めた今、次に送られてくるのは前者の部隊なのであろう……と。

 そういった考えは、既に“黒隠”の頭にあった。

 “黒隠”が凪原大学へと身を潜めたことなど、“影狩り”はとっくに気づいている。

 そう予想していたからである。


 結果は予想通りだった。

 先程部下からの連絡で、大学内に『“影狩り”と思われる二人組を発見した』との情報を受け取ったことで、その予想は確信へと変わった。

 例え、“黒隠”が逃げた先がこの凪原大学だとバレたとしても、この数日間で電車やバスといった交通機関を利用すれば行方をくらませることなど容易である。

 再び“影世界”を経由してどこか遠くへと逃げることだって容易い。

 そういった“逃げる”選択肢もあるからこそ、あえて“黒隠”はここに留まっていたのだが……、どうやら賭けには失敗したらしい。


 まぁ元々、そんな気もしていたし、“影狩り”だって馬鹿の集団ではないのだから “黒隠”の経歴を調べることで大体のことを察することも可能だろう。

 何せ約四年もの期間、“黒隠”はここを拠点としているのだ……。

 その理由がこの大学にある、と踏んでも何ら不思議な事では無いし、その考えに至れたなら“黒隠”がここに留まる選択をすることも容易である。


 が、しかし。

 だからといって納得しきれないのが、感情というものを持つ生き物の辛い所。


 何より、この事態を招いた元凶。

 “黒点(こくてん)”へと向ける怒りが強い。


 その理由は他でもない、“黒隠”の誕生経緯まで遡る。

 ある目的の為。

 その為だけに、“黒隠”はこの四年間を費やした。

 凪原町の“影人工場”化など、“黒隠”には正直どうでもいいことだ。


 “黒隠”が目的を遂行する。

 それを“黒点”に邪魔されない為に……仕方なくしていただけである。


 “黒隠”の持つ能力。

 それは人間を影人化させる上で非常に役立つものだった。

 それを“黒点”は高く評価した。

 評価して、自軍へと勧誘した。

 ……それを“黒隠”が断った。それだけである。


 しかし、それを“黒点”は許さなかった。


『ならばお前に選ばせてやろう。

 ここで死ぬか、俺の軍門に下るかを……。

 心して決めるがいい。

 お前がその“目的”とやらを実行したいなら、どうするのが適切か』


 考えるまでも無かった。

 答えなど、元から一つしか用意されていないのだから。



 “黒隠”に下された命令。

 それは、凪原町を工場とし、生まれた影人を“黒点”に引き渡すことだった。


 目的の為。

 目的を実行する為に。


 “黒隠”は定期的に影人を生み出すと、“黒点”に引き渡すことにした。

 勿論慎重に、“影狩り”に気付かれないように注意を払いながら……。


 しかし問題が起きた。

 事の発端は一年前、“黒点”の言葉に起因する。


『聖戦が近づいている。

 今後俺に引き渡す影人の数を増やせ。

 文句はないな……?』


 めちゃくちゃだった。

 いくら影人化に役立つ能力があるとはいえ、それでも影人の成長には時間がかかるもの。

 生み出す影人の数を増やすには、より多くの人間にストレスを与え続けるしかない。

 結果……、凪原町だけでは足りず、隣町に手を伸ばすこととなった。

 ……伸ばすしかなかった。


 その結果がこのザマである。

 “影狩り”に見つかった。

 ……捕捉されて、しまった。



「今更後悔しても仕方ないだろ?」


 未だ怒りが収まらぬ“黒隠”へと、一つの声がかけられる。

 その声の主には勿論、“黒隠”も聞き覚えがあった。


 一体どこから現れたのか。

 何をしにやってきたのか。

 ……そんな些細な事はこの際どうでもいい。


「それもこれも全部、お前んとこのボスが原因だぞ!!

 ……分かってるのか!?」


 勢いをつけ、声のした方を振り返る。

 同時に、怒りと不満をのせた言葉をその声の主へと浴びせかける。


 しかし、対する相手はこの状況をまるで理解していない様子で、


「まあまあ……。

 そう起こるなよ。落ち着けって」


 などと言う始末。

 一体この状況の何処に落ち着ける要素があるというのか?

 


 “黒隠”の話す相手。

 それは“影狩り”より、識別名(コードネーム)黒鉄(くろがね)”の名で呼ばれている男である。

 “黒隠”も便宜上、その男を“黒鉄”と呼んでいる。

 呼び名が無いと不便であることに加え、そもそも“黒鉄”の本名というものに興味がないからだ。


「これが落ち着いていられるか。


 大体、お前も知ってるだろ!?

 俺はお前達に協力する気なんてない。

 

 目的の為だけに動くって!!

 ……目的の内容だって、以前ちゃんと話したよなぁ?」


 “黒隠”は殴りかからんばかりの勢いで“黒鉄”の胸倉へと掴みかかると、怒りを込めた眼差しで睨みつける。


 そもそもの話からして、まずおかしい。

 “黒隠”は目的の為だけに動いている。

 その目的を達成する為に、渋々条件を呑んだだけ。

 ただ、それだけだ。


 ……にも関わらず、聖戦が近い? 生み出す影人を増やせ?


 なに馬鹿なことを言っていやがる。

 例え“影狩り”に見つからない様、細心の注意を払って行動したとて、事実行方不明となる人数は年々増える一方だ。

 見つからないわけがない。


 にも関わらず、数を増やせ……だ?

 馬鹿げてるとしか思えない。


 『なら死ぬか?』などという脅しに屈した自分が情けない。


 “黒点”からしても、ここの“影人工場”が安定した影人供給を行えた方が、多くの利点を見込めたはずなのに……。

 自身の我儘による強行でそれを潰す愚かさに加え、あれだけ言っておいた“黒隠”の目的さえ、失敗の危機に晒される始末である。

 何が『“目的”とやらを実行したいなら、どうするのが適切か』、だ。


 これでは本末転倒。ただの共倒れではないか。

 それもほとんど“黒隠”の一人負けに近い形で……。


 結局は、組織のボスと一個人の違いといったところか。

 目的が破綻することを恐れる“黒隠”と違って、数ある工場の一つが潰れた程度にしか奴は考えていないのだろう。


 本当に、最悪な奴だ。


 

「……復讐、ねぇ。

 そんなことして何が楽しいんだか。

 そもそも、そんな理由はうちの“黒……って、それはまあいい。

 

 折角こうして生まれたんだぜ。

 自由にやって行こうとは思わねぇのか?


 少なくとも……」


「……黙れ」


 影人の生き方。

 その違いについて話そうとする“黒鉄”の言葉を遮って、無理やり話を終わらせる。

 掴んだ胸倉を離して“黒鉄”を開放すると、もう話すこともないと背を向ける。


 もう知らん。

 今回の件で思い知らされた。

 こいつらにとって、“黒隠”の目的達成などどうでもいい事なのだ。

 成功しようがしまいが関係ない。

 そういう奴らなのだ。


 ……まぁ、元から期待などしていないし、目的の手助けなどこちらから願い下げである。


 放っておいてほしい。

 ただ、それだけなのだ。


 今回、“黒鉄”が何をしに来たのかなど知る必要も無い。

 それよりも、今は校内に侵入した“影狩り”の駆除が最優先だ。

 その後の“黒点”達との繋がりなど、後で考えればいい。

 最悪……、もう目的を実行してしまうのもアリかもしれない。

 もう少し様子を見て、最大限に効果が発揮されるタイミングを待っていたかったが……。

 自身が“影狩り”に敗れる可能性。並びに、協力関係決裂という点から“黒点”に始末される可能性も考えれば、……致し方ない。


 何も実行せず終わる。

 それだけは、絶対に阻止しなければならない事だ。



 “影狩り”駆除へと、歩を進める“黒隠”。

 しかしそれを、“黒鉄”が制止する。


「まぁ、そう急ぐなって。

 俺は今回、“黒点”の旦那からお前を助けるよう言われて来てるんだ。

 

 協力するぜ?」


 ……何を白々しい事を。

 “黒鉄”の言葉を受け、今回の“黒点”の目的を完全に理解する。


「お断りだ。

 大方、今回の件で助けてやる代わりに、今度はお前らの聖戦とやらにも協力しろとか言うんだろ?」


「はは……。よく分かってるじゃないの。


 言っとくが、今回来てる“影狩り”はあまり舐めない方がいい。

 お前も戦闘が得意な方じゃないだろ?


 さっきこっそり覗いてみたが、“影世界”にも数人の“影狩り”が待機してる。

 ありゃ、お前を“影世界”へ逃がさない為のものだな。

 

 もうお前さんは“影狩り”にバレちまっているんだ。

 例え今回の奴らを退けても、いずれ更に強い奴がやって来るだけ……。

 もうお前の目的を実行する猶予なんてほとんど無い。無理やり始める以外は、な。


 とっとと始めちまうか、諦めて俺と来るか。

 そう難しい話じゃない。


 お前の“運気操作”。

 それを“黒点”の旦那が高く評価しているのは知ってるだろ?

 旦那の言う聖戦。

 それには戦力、人数が必要らしい。


 お前にゃ悪いが、お前が来ねぇと今度は俺が怒られちまうから仕方ねぇんだ。

 分かってくれよ。……な?」


 何が『分かってくれ』なのか。

 こちらの事を全く考えてないくせに。


 これだけ状況を悪化させておいて、言う言葉がそれなのか?

 そもそも、この状況を作ったのはお前らの仕業ではないか。

 状況を悪化させ、助けてやるから協力しろ?

 全くもって話にならない。


 “運気操作”。

 こんな力さえ手に入れなければ、こいつらに絡まれる事もなかったはずだ。


 “黒隠”の目的である復讐内容について決めあぐねていた当初。

 この力に目覚め、大いに喜んだものである。

 しかし、それとこれとは別の話だ。



~   ~   ~   ~   ~



 “運気操作”の能力。

 それを一言で言うのなら、文字通り“運気”を操る能力である。

 “運気”を操作し、他人(・ ・)を幸福にも不幸にも出来る。……そんな力だ。


 とはいえ、そう何でも出来るほど万能な力でもない。

 少なくとも、この“運気操作”の能力は……。

 “黒隠”の有する“運気操作”では、操作の出来る“運気”と出来ない“運気”が存在する。

 この能力を説明するならば、まずは簡単に“運気”について説明する必要があるだろう。


 “運気”とは何か。

 それは、この世に漂うエネルギーの一種である。

 目に見えず、触れもしない。

 されど確かに存在し、この世界に多大な影響を及ぼす力の事。


 この世を漂う“運気”。

 それは単純に、二つの力に分けることが出来る。

 ここでは簡単に、『幸運エネルギー』『不幸エネルギー』とでも分けて呼ぶのがよいだろう。


 『幸運エネルギー』は、幸福をもたらす力。

 『不運エネルギー』は、不幸をもたらす力。


 実に分かりやすく相反する二つの力である。

 これらの“運気”は、ただ世界を漂っているだけでも自然界に大きな影響を与えるが、生物が取り込み、蓄えることによってもその力を発揮する。


 宝くじに当選する。落雷に撃たれる。運命の人に出会う。石ころに躓く。茶柱が立つ。財布を掏られる。人に助けられる。鳥の糞が降ってくる。

 何の脈絡も無くただ並べただけの良いエピソードや悪いエピソード。

 例えそれが、“アイスの棒に『当たり』と書いてある”程度のことであったとしても、それら全ては“運気”による影響だ。


 この世の生物は、“運気”を引き寄せる特性。体質を持っている。

 その特性により、集めた“運気”を自動で消費し、様々な出来事が起こるわけだ。


 ひとえに“人間”と言っても、様々な人間がいる。

 同様にその体質さえも、千差万別である。

 生まれつき幸運な人間や不運な人間。

 運のいい人間や悪い人間。

 『幸運エネルギー』を引き寄せやすい人間や『不運エネルギー』を引き寄せやすい人間。

 ……“運気”の恩恵には、そういった格差も確実に存在するわけだが、まあこういう嫌な話は置いておこう。


 つまるところ“運気”とは、万物へと干渉し、干渉される力なのである。


 “黒隠”の有する“運気操作”。

 それは、“物”を使わなければ“運気”へと干渉出来ない。

 すなわち、この世に漂っている“運気”そのものを操作することは出来ないのである。


 “物”とは一体どういうものなのか。

 それ自体は、なんだっていい。



 少し話が逸れるのだが……、“運気”の操作。

 自在に操る、とまではいかないが、実は人間自身もそれに近いことなら行える。

 日々、意識的に行っている者も中にはいる。

 しかし、実際に“それ”が意味を成していると理解して利用する者は、果たしてどれ程いるというのか。


 それは例えは、“ラッキーアイテム”。

 そう。朝番組でよく見かける、星座占いなどで紹介されるアレである。


 縁起が良いとされる場所。

 “パワースポット”へと足を運ぶのも一つの手。


 “風水”について調べてみるのもいいだろう。

 家の位置や向いている方角。

 部屋の間取りや家具の配置を変えるのもありかもしれない。


 “笑う門には福来る”なんてことわざだってあるくらいだ。

 体質に頼らずとも、『幸運エネルギー』を集める方法など沢山ある。


 『不運エネルギー』を集めないという考えはどうだろう。

 パワースポットの逆バージョン。

 “逆パワースポット”と呼ばれる場所には近づかない。


 “運気”を下げてしまう、吸い取ってしまうとされるアイテムには要注意。

 それの人間バージョンである、“エナジーバンパイア”と呼ばれる存在にも関わらない。


 “厄払い”、“厄除け”をすることで、既に溜まってしまっている『不運エネルギー』を減らす事だって可能である。


 ……等々と。

 昔から人々は、そうやって“運気”と付き合ってきたのである。

 言わば先人達の知恵だろう。



 先程言った、“運気操作”を行う為の“物”。

 それは、これらの中で言えば“ラッキーアイテム”や“パワースポット”に近い。

 要はどんな“物”でも“ラッキーアイテム”や“パワースポット”、或いはその逆の性質をもった“物”へと変えることができるのだ。


 ……但し、漂っている“運気”を吸い寄せるのではなく、生物の持っている“運気”を吸い取る形で。


 変化させた“物”を使い、生物の『不運エネルギー』を吸い出してやれば、残る“運気”は『幸運エネルギー』である。

 “物”に溜めた“運気”から、『不運エネルギー』を取り出して生物に与えれば、無論その生物の『不運エネルギー』は多くなる。

 当然、その逆の用途として集めた“運気”を別の物た人間に譲渡する事も可能である。


 人間に“ストレス”を与える能力。

 それをするに適する能力。

 これこそが、“黒点”に気に入られた“黒隠”の能力の正体だった。



~   ~   ~   ~   ~



 “黒隠”が行った事。

 それは至ってシンプルだ。

 凪原町に点在する様々な“物”を“逆パワースポット”に変えた。

 それだけだ。

 しかし、それだけでも人は不幸へと変化していく。

 道行く人々が、近づく人々が、『幸運エネルギー』を吸われていく。

 『幸運エネルギー』を減らしていく。


 後は簡単だ。

 起こる不運な出来事の大小なんて関係ない。

 嫌な事さえ起きるなら、人はそれだけでストレスを募らせる。

 小さな不運。小さな失敗が増えれば増える程、精神は摩耗する。

 不運が不運を呼び寄せる。

 “負のスパイラル”の完成だ。


 “黒隠”の生み出す“逆パワースポット”の吸引力はそれ程強くない。

 だからそこ、多くの“逆パワースポット”を生み出す必要があった。

 始めのうちは一つ作るだけでも苦労したが、今ではもう凪原町全体を覆うような一定間隔での“逆パワースポット”を配置済み。

 “逆パワースポット”の吸引力を増やす方法も会得した。


 完璧な“影人工場”の完成形。

 後はもう影人が生まれるのを待つだけでいい。


 数か月に一体のペースで影人を生み出し引き渡す。

 ただそれだけで、……良かったはずなのに。



 “黒隠”は、協力を提案する“黒鉄”の意見をもう一度強く撥ね除けると、不敵に笑う。

 こいつらが信用ならないのは重々承知の上。

 来るべき目的遂行の邪魔をされない様、ただそれだけの為に“黒点”の言いなりとなっていたに過ぎずそれ以上の理由など元から無い。

 どの道、遅かれ早かれこういった事態が起こる事も分かっていた。

 ならば“黒隠”自身が、その問題対処方を考えていない訳がない。


「お前らの助けなんかいらない。

 目的の遂行も、敵の排除も俺がやる」


 “黒隠”の合図をうけ、一体の影人が姿を現す。

 大柄の男。“フェイズ4”の影人である。

 それは、“黒点”へと差し出す為のものではない。

 生まれた影人の中から選び、“黒隠”の目的遂行の邪魔となる異分子を排除する為だけに育て上げた影人だ。

 どうせ影人を作るのだ。

 ならばただ“黒点”へと渡す為だけに影人を生み出すのも癪だ。

 自分の手となり足となる優秀な駒の一体や二体、生まれた影人の中からくすねても文句はあるまい。


 元々、凪原町内で生まれた影人を見つけ、“黒隠”の下へと連れてくる作業などには人手がいるので、“黒点”へと渡す用とは別に、数人の影人を手駒にしていたのである。

 数日前の“影狩り”襲撃で、受け渡し用と手駒を合わせて二人も失ったのは痛手だが……、この“フェイズ4”がいれば十分だ。

 この際、受け渡し用の影人も敵排除に使ってしまおう。

 戦力を総動員して敵を討つ。


 そしてそれが完了次第。


 “黒隠”は目的を実行する。



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