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第4話 エルト陥落

 第三騎士団の突進は止まらない。エルトの騎士とぶつかっても勢いは衰えない。立ちはだかる騎士を剛腕の剣さばきでなぎ倒していく。

 「いいぞー戦はこうでなくてはなー」「「「おーおおおおおおおおおおおおおおーーーーー」」」

バルトは先頭を行く。エルト兵はまさに蹂躙されていた。

 領主が叫ぶ。

 「なんだこれは。なぜ止まらない。兵をもっと集中させよ。」「しかし・・・兵がおりません。」

 「仕方がない。ここは引くぞ。ついてこい。」「兵たちを見捨てるのですか。」

 「再起するのだ。見捨てるわけではない。」「・・・はっ」

領主にとって信じがたい光景であった。もうエルトは持たない。王都へ逃げて、再びエルトを復活させるしかない。

 領主は側近を一人連れて戦場を抜け出そうとする。

 小室の魔力探知が戦場か離脱する二人をとらえる。

 「いた。見つけたぞ。」「殺せ。」

神谷が指示を出す。小室が魔法の詠唱をする。

   炎よ敵を射る矢となり我を守れ、ファイヤーアロー

2本の炎の矢が領主と側近を貫く。領主は「これはなんだ。私は生き残るのだ。こんなところで・・・」思考が停止して倒れる。

 小室が魔力探知で二人が死んだことを確認する。

 「神谷、やったぞ。」「よし、決まったな。」

神谷が大声で宣言する。

 「エルトの大将を討ち取ったぞー、小室が今、討ち取ったー」

神谷の声は戦場に衝撃を与える。

 「うおおおおおー、やったぞー」

第三騎士団の意気が上がる。エルト兵は負けを悟る。

 勇者パーティと第三騎士団は気力を失ったエルト兵を相手に一方的な戦いを続ける。

 エルト兵が片付くと第三騎士団の騎士たちは家々へ強奪に入る。中には逃げ遅れた人もいた。

 バルトと側近たちは領主の館に押し入る。

 小塚が井上に言う。

 「止めなくていいのか。」「バルトに大目に見ると約束した。こらえてくれ。」

しばらくすると宝石を身に着けたバルトが若い娘を二人連れてくる。

 「どうだ。勇者様たちには領主の娘が合うだろう。楽しめ。」「俺たちはいらない。解放してやってくれ。」

 「そんなもったいないことできるか。俺が楽しんでやる。」

娘たちが勇者と聞いて助けを求める。

 「勇者なら助けてよ。この無礼者をやっつけて。」「それはできない。済まない。」

 「何が勇者よ。勇者谷垣様に殺されてしまえ。」

娘たちは井上を恨みのこもった目で見る。そしてバルトに引きずられるように連れられて行く。

 小塚が井上に言う。

 「谷垣って、最初に異世界召喚された生徒よ。」「これから同じ生徒同士で戦うのか。」

井上は今になって萩原の提案を受け入れなかったことを後悔する。

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