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第14話 井上との話し合い

 俺は丘の上で勇者パーティを待ちながら魔力探知で探るがまだ反応がない。するとフルートが言う。

 「来たぞ。魔力の強い奴が二人いる。魔法使いとヒーラーだろ。軍隊の護衛付きだ。」「俺はまだ探知できていないよ。」

 「同じであってたまるか。我は最古の魔女魔女だぞ。」「フルートの言うとおりだったよ。」

フルートは1000年は生きているのだ。易々と彼女の域に達せられるわけがない。ああ見えてもお年寄りなんだよな。

 「こら、我を年より扱いするでない。まだまだ若いぞ。」「まだまだって年寄り臭いよ。」

 「翼、我の恐ろしさを知りたいようだな。」「そんなことないよ。尊敬しているのだから。」

 「そうか、尊敬か・・・ふ~ん。」

フルートはそれっきり黙り込んでしまった。気に障ることは言っていないはずだ。魔法の師匠なんだから尊敬して当たり前だろ。何が気に入らないのだ。

 俺も黙って考え込む。すると魔力探知に反応がある。5人のパーティの後ろに軍隊らしきものがついてきている。これは話し合いは難しいか。どうしたものか。

 しばらく様子を見ていると全員一斉に立ち止まる。どうやらこちらに気づいたらしい。さあ、どう動く。

 待っていると軍隊らしきものはそこに止まったままで5人のパーティが近づいて来る。これなら話し合いができるかもしれない。俺は話を受け入れてくれることを期待する。

 「翼、5人の力量は大したことはない。いざとなったら殺してしまえ。」「なぜ、そんなこと言うんだ。同じ学校の生徒だぞ。」

 「雪島や谷垣を見ただろどう変わっているかわからないぞ。」「そうだったね。」

俺は戦にならないことを期待する。そして、戦いにならないことを願う。

 5人のパーティは足早に近づいて来る。服装と装備から勇者パーティで間違いないようだ。俺は5人のうち4人を知っていた。

 サッカー部の井上部長と小室、バレー部の小塚と神谷だ。井上が俺に声をかける。

 「萩原君だね。俺のことは分かるかな。」「サッカー部の井上先輩ですね。その恰好はどうしたのですか。」

 「勇者をしているんだ。みんなで勇者パーティをしている。」「それでコルトバ王国へ攻めてきたのですか。」

 「そうだ。君は何をしているんだ。戦争に巻き込まれるぞ。逃げるんだ。」「俺は話をするために来ました。引き返すことはできませんか。」

 「それはできない。国王の命令があるんだ。」「俺たちはみんなを元の世界に返すことが出来ます。もうやめましょう。」

 「帰れるのか・・・いや、今はできない。」「どうしてですか。」

 「第三騎士団がいる。今、俺がいなくなったらエルトは彼らに略奪と凌辱を受ける。歯止めが効かなくなる。」「それは、こちらの世界の問題でしょう。」

 「頼む。どいてくれ。」「できません。」

 「なら力づくで通るぞ。みんな、殺すなよ。子供もいる。手加減を忘れるな。」「俺に手加減は不要ですよ。」

5人は散らばりフォーメーションを組む。井上と小塚、知らない残りの一人が前衛で、小室と神谷のどちらかが魔法使いだろう。俺は戦いは避けられないと覚悟する。



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