第12話 第三騎士団の村での略奪
ドゴール軍はエルトを襲うために必ずこの丘を通るはずだ。俺とフルートはここで決着をつけるのだ。
「翼、説得はお前ひとりでやれ、我は手を貸さないからな。」「分かっている。戦うつもりはないよ。」
勇者パーティは軍をに引き連れているだろう。他の兵に聞かれないように日本語で説得するつもりだ。
井上たち勇者パーティと第三騎士団は国境近くの村へ入る。すでにコルトバ兵はおらず、村人の姿はない。井上は住民がいなくて、余計な血が流れずホッとする。
しかし、騎士たちが住民がいなくなった家々に押し入り略奪を始める。井上は叫ぶ。
「やめないかー、それでも騎士かー」
騎士たちは井上を無視する。井上はバルトを探す。バルトは村長の家を漁っていた。
「バルト、何をしている、お前が率先して略奪をしたら、団に示しがつかないだろ。」「何を言っている。これが俺たちのやり方だ。」
「言ったはずだぞ。略奪や凌辱はさせないとな。」「本気か。団に不満が貯まるぞ。」
「俺に騎士を殺させるつもりか。俺は本気だぞ。」「仕方がない。今回は何とかしよう。」
バルトは家を出ると大声で言う。
「野郎どもやめろ!こんな小さな村で盛っているんじゃねえ。次はエルトだ。ぐずぐずしているとお宝が逃げるぞ。」
すると家々から騎士たちが出てくる。小塚はその姿を見て嫌悪感を示す。
「こいつら騎士なんかじゃないわ。まるで野盗よ。」「同感だわ。」
神谷も同意する。井上はバルトに言う。
「エルトで何をするつもりだ。」「あそこは栄えている町だ。金持ちの家を襲うのさ。」
「だめに決まっているだろ。」「騎士たちには息抜きが必要だ。目をつぶれ。」
「住民には手を出すなよ。」「ああ、抵抗しなかったら手は出させない。」
井上はエルトの町に入ることに恐れを感じる。町で起こることが容易に想像できたのだ。




