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第11話 フルートを説得する

 騎馬兵がエルトに到達すると馬が泡を吹いて倒れる。騎馬兵に門兵が駆け寄る。

 「どうした。何があった。」「ドゴール軍が攻めてきた。守備兵の大半が国境の橋でやられてしまった。関所が破られるぞ。」

 「なんだって、御館様に報告だ。急ぐぞ。」

領主はドゴール侵攻の報告を受けて顔が青ざめる。それでも、すぐに指示を出し始める。

 「住民に避難指示を出せ。守備軍は私が指揮する準備せよ。それから最古の魔女フルート殿とその弟子を探し出してドゴール侵攻を伝えてくれ。」

俺はフルートと手をつないで町を歩いていた。望んで手をつないでいるわけではない。フルートがはぐれるといけないので手をつなぐと言い出したのだ。

 先程、領主にドゴール侵攻について説得したが、町は変わらず平穏な空気に包まれている。

 俺たちは、食堂で食事をとる。ここはケツワトルの産地であるので肉が王都よりおいしい。

 のんびり食事をしているとウエイターがやってくる。

 「お客様申し訳ございません。急ですが店を閉めさせていただきます。」「何かトラブルでもあったのですか。」

 「ドゴール王国が侵攻してきたそうなんです。逃げる準備をしませんといけません。」「分かりました。」

ウエイターは忙しそうに去っていく。フルートが念を押すように言う。

 「翼、我は手を出さないからな。」「分かっている。散歩を続けようか。」

俺たちは店を出て歩き始める。俺は東門に向かって歩く。そちら側はドゴール王国に繋がる道がある。

 しばらくして、東門に到着する。ここには門兵が詰めているが、今は門の扉は固く閉じられ、兵たちが防衛の準備に追われている。

 「翼、帰るぞ。」「町の人々を見捨てるのか。」

 「何を言っている。我は戦争には加担しないと言ったはずだ。」「でも、時間稼ぎをしてもいいじゃないか。」

 「戦争が起これば民衆も巻き込まれるに決まっている。諦めろ。」

フルートは関わらないと決めている。でも、俺は人々が苦しむところは見たくない。何か、時間稼ぎをする理由はないだろうか。俺は考える。フルートはしばらくしてから言う。

 「こうしていても変わらない。家に帰ろう。」「待ってくれ。」

 「待っても嫌なものを見るだけだぞ。」「勇者たちがいるかもしれない。彼らを助けられないか。」

 「翼と同じ学校の生徒だな。」「仲間は助けたい。」

 「分かった。説得するだけだぞ。」「うん、分かっている。」

俺はフルートを説得することに成功する。俺たちは転移魔法でエルトの近くの丘でドゴール軍を待つことにする。



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