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第9話 国境の攻防戦

 井上たち勇者パーティと第三騎士団はドゴール王国側の国境の関所を通り過ぎてコルトバ王国へ向かう。国境には川が流れており橋がかけられている。

 井上たちが橋のたもとまで来るとコルトバ王国の兵が警戒して、騎乗して橋の中央までたどり着くと大声で言う。

 「ドゴール王国の軍勢がコルトバ王国の関所に何用か!」

神谷がみんなに言う。

 「第三騎士団と一緒だから警戒されるのよ。」「仕方あるまい。力づくで突破しよう。」

バルトは、正面から突入を考える。神谷は橋を渡ることは困難だと判断する。

 「井上君、このままだと橋を渡るうちに弓矢で射られて全滅しかねないわよ。」「そうだね。まずは話をしよう。」

 「では、俺が行こう。」「バルトが行ったら警戒されるから俺が行くよ。」

井上はバルトを止めると橋を渡り始める。橋の中央まで行くと足を止める。小室が万一に備えて防御のエアスクリーンの詠唱を始める。井上は気軽に兵に声をかける。

 「こんにちは、僕たちに何か用ですか。」「ここから先はコルトバ王国である。騎士団を連れてどこへ行く。」

 「王都まで行きます。通してください。」「王都だと、きさまらを生かせるわけには行かん。帰れ。」

 「僕は勇者井上です。ドゴールの親善大使です。」「親善大使なら国王の書状を持っているだろう、見せてもらおうか。」

 「はい、待ってください。近づきますよ。」「早くしろ。」

井上は前に出て兵を間合いに入れると剣を抜きざま兵の首をはねる。さらに馬を奪いコルトバ側に突っ込む。

 小塚が走り出しながら愚痴る。

 「あいつ、何やっているのよ。」

小室は井上にエアスクリーンをかけてコルトバ兵が射掛ける矢をはじく。バルトが叫ぶ。

 「野郎ども勇者が先陣を切ったぞー、いけー」「「「おう」」」

騎士たちが橋に殺到する。コルトバ兵は橋を破壊しようとするが井上が騎乗した馬が暴れて統制がとれない。次に橋を渡った小塚がコルトバ兵を切り倒していく。

 そして、バルトたちはコルトバ兵に矢を射られることなく無傷で橋を渡る。そこからは一方的な戦いになる。関所から出てきた兵は蹂躙され一兵も関所に戻ることが出来なかった。

 残ったコルトバ兵は関所を閉めて籠城を決め込む。小塚が井上に文句を言う。

 「あんた、話に行ったのではないの。相手を殺してどうするのよ。」「でも、うまく橋を渡れただろ。」

小塚はため息をつく。バルトが上機嫌で井上に言う。

 「見事な交渉だったぞ。さすがは勇者だ。」「まだ、関所が残っているよ。」

 「大半の兵は始末したんだ。力づくで突破すればよい。」「小室。関所の扉を破壊出来るか。」「余裕だよ。」

小室は魔法の詠唱を始める。

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