第8話 フルートの説得
フルート大人バージョンのおかげで、俺とフルートはすぐに領主と面会できる。領主のフルートを見る目がいやらしいことは目をつぶるとしよう。
「最古の魔女フルート様にお会いできて光栄です。ぜひ当家にお泊り下さい。」「我は忠告に来たのだ。」
「何かございましたでしょうか。私の耳には入っていませんが・・・」「ドゴール王国に勇者が現れたことはご存じか。」
「初耳です。ですが我がコルトバ王国にも勇者谷垣様がおられます。」「ドゴールはコルトバへ侵攻を始めておる。勇者パーティを先頭にな。」
「大丈夫です。私は、ドゴールに目を置いています。動きがあればすぐに連絡が来るようになっています。」「勇者のことを知らなかったのに大丈夫か。目は機能しているのだろうな。」
「分かりました。現状報告を上げるように連絡を入れましょう。」「何日かかる。」
「1週間です。」「間に合わないな。すぐに援軍を要請するのだ。町の人々には脱出の用意を指示しろ。」
「と、言いましてもまだ何も情報がありません。」「奇襲ならどうだ。」
「・・・私の目たちはつぶされていますね。国境警備軍がどのくらい持ちこたえるかですが、国境警備軍の知らせでは遅いでしょうな。」「あとは貴公の判断次第だ。」
「分かりました。フルート様の助言に従いましょう。フルート様がいれば心強いです。」「我は手を出さないから。期待しないことだ。」
領主は残念そうな顔になる。領主は直ちに援軍の要請を王都にする。そして、町の人々にドゴール侵攻の恐れありと周知させる。
しかし、町の住民は動かない。なぜならドゴールからの商品が絶えず、町に入っていているため、ドゴール侵攻を信じなかったのだ。
館を出るとフルートは幼女の姿に戻る。俺は大人のフルートと町を歩きたかった。
井上たちは国境に向けて進軍していた。途中の町や村で第三騎士団は略奪こそしなかったが、様々なトラブルを起こし、井上はバルトと共に火消しをするため進軍速度は上がらない。
小塚が井上に怒りながら愚痴を言う。
「あいつら、金で女の人を連れ込んで遊んでいるのよ。最低だわ。」「そのくらいならかわいいものだよ。」
「何言っているの。いやらしいわ。」「トラブルになっていないから大目に見てやってくれ。」
「トラブルと言えばこの前の村長の娘さんは大丈夫だったの。」「大丈夫じゃないよ。村長は国王に訴えると騒いでいたよ。」「最悪ね。」
井上にとって第三騎士団はお荷物だった。




