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第5話 血塗りの式典

 翌日、城の広場で式典が行われる。フロイス王の前に井上、小塚、小室、神谷、カールが並んで立ち。その後ろに第三騎士団が並ぶ。

 勇者パーティを見た騎士団員たちは小声でしゃべりだす。

 「坊ちゃん、お嬢ちゃんじゃねえか。」「女がいるぜ。楽しもうぜ。」「本当に団長がやられたのか。」

宰相のエメリが第三騎士団を注意する。

 「王の御前だ。私語を慎め。」

しかし、彼らはエメリを無視する。バルトが大声で言う。

 「きさまら、黙らんかー」

ようやく静かになる。井上とバルトが前に出て握手をする。バルトが発言する。

 「俺たちは仲間だ。よく覚えておけ。」

次に井上が発言する。

 「俺たちと行動を共にする限り、略奪と凌辱を禁止する。いいな。」「小僧、ふざけるなー」「勝者の権利だー」

第三騎士団が騒ぎ出す。井上が剣を抜いて言う。

 「今、小僧と言った奴、出てこい。」「ああ、やってやる。」

騎士団員の一人が抜刀しながら出てくる。井上は一気に距離を詰めて騎士団員を剣で横なぎにする。騎士団員は剣を振ることもなく倒れる。即死だった。

 その場が凍り付く。だがフロイス王の反応は違っていた。手をたたきながら言う。

 「勇者井上、第三騎士団員を瞬殺とは見事だ。」

井上は、フロイス王にひざまづく。

 「王の御前を血で汚したことをお許しください。」「気にすることはないぞ。弱い奴が悪いだけだ。」

皆は固まっている。フロイス王はそれを見て言う。

 「皆、勇者井上の剣技を称えないか。」

カールが拍手を始める。つられて小塚、小室、神谷が拍手する。第三騎士団の中からも拍手が起き始める。

 井上は拍手に包まれる。フロイス王は上機嫌になる。式典は無事に終わる。

 井上たちが部屋へ戻るとチェンバロが井上に文句を言う。

 「なぜ、殺した。お前の腕なら何とでもできたでしょ。」「いずれ、流れる血です。」

 「第三騎士団をどうするのだ。」「一緒に戦ってもらいます。もちろん、略奪は無しです。」

 「言うことを聞くと思うのか。」「警告はしました。守らなければ、切り捨てます。」

 「本気か。殺されるぞ。」「第三騎士団に勝てなくてどうします。俺たちは敵と戦うのですよ。」

 「そうだな。君たちのやり方でやってくれ。」「はい。」

チェンバロは井上たちがすでに独り立ちしたと考える。

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