第2話 勇者谷垣の腕前
村での噂は、国中に広まっていく。
「今度の勇者様は優しいお方だそうだ。」「子供好きだそうだ。」
うわさはルイス王の耳に届く。
「あの変態が優しい勇者とは・・・子供好き?ロリコンではないか。あはははははは。」
「例のシルバーグリズリーを勇者たちに任せよう。頼むぞ。」「はっ。」
うわさは俺とフルートにも入って来る。
「あの気持ち悪い谷垣が子供好きだと馬鹿馬鹿しい。」
フルートが愚痴を言う。俺は女の子に囲まれて浮かれている谷垣が頭に浮かぶ。頼むから間違いを起こすなよー
谷垣たちは王都から辺境に向かって旅を続けている。そこに近衛騎士の伝令がやって来る。
「勇者様、ルイス王からの勅命です。村の中にシルバーグリズリーが徘徊して村人が犠牲になっているそうです。討伐を願います。」「分かった。任せてくれ。」
谷垣は気軽に請け負う。ライマーは谷垣の態度が気になる。
「谷垣、依頼を受ける時は私たちの意見を聞いてくれ。」「済まない。この案件はまずかったか。」
「いや、大丈夫だ。次からは気を付けてくれ。」「分かった。ライマーたちがいてくれての勇者だからな。」
ライマーは谷垣は変態だが、分をわきまえていると考える。
谷垣たちは問題の村へ到着する。すぐに村人たちが集まって来る。
「勇者様、お待ちしていました。」「村の代表の方はおられますか。」
「わしが村長です。」「お話を聞かせてください。」
ライマーが応対する。谷垣は女の子に囲まれて幸せそうだ。すでにロリッコハーレムレベル5になっている。ロリッコハーレムのおかげで黙っていても女の子に囲まれるようになっている。
村長はライマーに説明する。
「シルバーグリズリーは早朝に現れて村人を襲います。すでに5人犠牲になっています。」「明日から警戒を始めましょう。谷垣聞いているか。」
「何、今忙しいんだ。」「それは悪かった。」
谷垣は女の子と話をすることで忙しかった。ライマーは思わず謝ってしまう。本来なら話を聞いていない谷垣が悪いのだが、谷垣は当然のように言ってのけたのだ。
翌日、谷垣たちは早朝から見回りを開始する。その姿は村人に安心感を与える。警戒は毎朝続く。
そして、5日目の早朝、聖女雪島は魔力探知に魔獣の反応を感じる。
「みんな、いるわよ。」「どこだ。薄暗くてよく見えないぞ。」
「前方よ。近づいて来るわ。」「やるぞ、谷垣準備はいいか。」「おう。」
ライマーは谷垣に代わって指揮を始める。
「俺と谷垣は正面、エルマーは右、ロルフは左を頼む「「おう」」
ライマーと谷垣が正面で待ち構え。エルマーとロルフは左右から挟み込むように布陣する。朝霧の中、魔獣の息遣いが聞こえてくる。
さあ、姿を見せろ。ライマーが闘志をむき出す。谷垣は構えているがまるで危機感が感じられない。それは、ライマーを無視して谷垣に襲いかかる。
谷垣の惚けた顔が引き締まっている。シルバーグリズリーの前足の爪を体勢を低くしてかわすとはじかれるように前へ飛び出す。
谷垣は抜刀と同時にシルバーグリズリーを横なぎにする。勝負は一瞬だった。シルバーグリズリーは腰の所で二つになる。ライマーとエルマーは谷垣の剣技に驚く。
勇者谷垣は一流の剣技を身に着けていた。




