第7話 幼女とお菓子
朝食は、例の堅いパンをカップスープに浸して食べる。フルートはおいしそうにカップスープに浸したパンを食べている。これは異世界の食べ物には期待できないかもしれない。
食事が終わるとフルートが俺に言う。
「午前中はファイヤーボールの訓練をすればよい。出来たら、新しい魔法を教えてやろう。」「昨日、できなかったのだが・・・・・」
「水をコントロールできるようになっただろ、魔法の腕前が上がっているのだ。試すが良い。」「できないままは嫌だし。頑張るよ。」
俺は家の外に出て火球を作り始める。火球は昨日より大きくなり、俺は驚く。本当に腕前が上がっているのか。次は問題の圧縮だ。
火球を慎重に力を加えて圧縮していく、サッカーボール位の大きさになった所で火球は破裂する。俺は吹き飛ばされて気を失う。
気がつくとフルートが俺を膝枕している。
「惜しかったなもう少しだ。」「俺、生きているよな。」
「ああ、ハイヒールを使った。右腕がちぎれていた。」「右腕?」
俺は右手を見る。動かすと思い通りに動く。
「心配するな。我が治してやる。それとも諦めるか。」「諦めるか。俺は使いこなしてやる。」
俺は立ち上がると再び火球を作りだす。もう少しだったんだ。諦めるか。俺は集中して火球を圧縮していく、火球はサッカーボール位の大きさになる。さっきはここで破裂したがミスはしない。
さらに圧縮していく。ソフトボール位の大きさになる。俺は火球を前方へ飛ばす。すると火球は破裂して熱風が俺を撫でていく。やった成功だ。
「翼、ついにできたな。」「やっとできたよ。」「では、見本を見せるぞ。」
フルートは最初からソフトボール位の大きさの火球を出して前方に撃ち出す。火球は破裂して熱風が吹き荒れる。俺のものより威力がある。
「これがファイヤーボールだ。」「圧縮はどうしたんだ。」
「最初から圧縮して作りだしている。訓練すればできるようになる。」「分かったやるよ。」
俺はファイヤーボールの訓練を続ける。残った二日もファイヤーボールの訓練に使う。こうして、火球を圧縮しても破裂しなくなり、スピードもかなり早くなる。
だが、直接、ソフトボール位の火球を作りだせずにいる。俺に欠けているものがあるのだろうか。俺は自分の部屋に帰る。日曜日の夜だった。
俺はベットの倒れ込み、何が足りないのか考える。フルートは魔法はイメージだと言っていたな。イメージか。ソフトボール位の火球、イメージ・・・
俺のベットの上に突然ソフトボール位の火球が現れる。えっ・・・これ、まずいよ。破裂したら家が吹き飛ぶ。どうする・・・どうしたら・・・
火球を消さないと消えるイメージだ。てっ、イメージがわかないぞ。こんなときフルートがいれば何とかしてくれるのに・・・
「我にそんなに会いたいか。」「フルート、助けて。このままだと吹き飛ぶよ。」
「結界を張ってやろう。」「破裂させても大丈夫か。」
「我の結界だぞ。愚問はよせ。」「ありがとう。」
俺は火球を破裂させる。フルートの結界は強固で部屋の中は何も起きなかったように静かだ。
「様子を見に来てよかったな。」「心配して来てくれたんだ。」
「お礼に甘い菓子などは出ないのか。」「持ってきます。本当はお菓子目当てでしたか。」
「お前の世界の食べ物はおいしいからな。」
俺はお菓子のおかげで助かったらしい。




