第12話 連携訓練の開始
小室は井上に声をかける。
「先輩、久しぶりです。」「ああ、見ないうちにたくましくなったな。」
「先輩こそ、見違えましたよ。顔つきまで変わっています。」「人殺しの顔だよ。」
「そんな・・・」「もう、何十人と切り殺している。」
「やめられないのですか。」「分かっているだろ。無理だ。」
「俺も村を一つ滅ぼしています。」「今日の相手は冒険者だった。最後はSランク冒険者と戦うことになる。」
「大丈夫なんですか。」「そこで負けるなら、生き残れないよ。俺たちは生き残るんだ。」「はい。」
一方、小塚は神谷に抱き着いて泣いていた。
「先輩、つらいです。」「頑張って、4人で力を合わせましょ。」
「もう、人を殺したくないよう。」「つらいよね。でも生きていればチャンスが来るわよ。」
近衛騎士団長が4人に声をかける。
「話をしたいだろう。しかし、時間がない。これから連携の訓練をする。」「4人で人殺しをするのですか。」
井上が警戒して言う。
「いや、魔獣を相手にしてもらう。油断すると死ぬことになるぞ。」「魔獣?」
「チェンバロがワーウルフを捕まえている。まずは1匹を相手してもらう。」「分かりました。」
「井上と小塚が前衛、小室が援護、神谷が支援だ。」「「「はい」」」
「始めるぞ。」
チェンバロが位相空間から1匹のワーウルフを解放する。ワーウルフは猛り狂っている。本能で一番弱い神谷に襲い掛かる。
小室は魔法の詠唱が間に合わない。井上と小塚が飛び込む。ワーウルフは小塚に体当たりして倒すと神谷に向かう。
神谷は死を覚悟する。その時、チェンバロがファイヤーアローでワーウルフを射殺す。近衛騎士団長が怒鳴る。
「何をしている。回復役の神谷を守らないでどうする。」「・・・・・」
井上、小塚、小室は神谷が無事でホッとする。神谷は涙目で座り込んでいる。
「神谷、立て!次、行くぞ。」
チェンバロが2匹目のワーウルフを出す。ワーウルフはまたしても神谷を狙う。
井上と小塚が立ちはだかり、小室は魔法の詠唱を始める。ワーウルフは牙を剥き井上に襲い掛かる。井上は剣を上段から振り下ろすがワーウルフが剣に噛みつき、動けなくなる。
小塚が右横から突きを繰り出しワーウルフの腹を刺す。ワーウルフが怯み、井上から離れる。
小室はこの隙を逃さずファイヤーアローを撃ちこむ。井上がすかさずワーウルフの首に剣を刺して仕留める。
井上、小室、小塚は肩で息をして、連携の難しさを実感する。




