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第9話 フロイス王の考え

 ドゴール王国の玉座の間に井上大輔と小室翔が現れる。二人は直ちに兵たちに取り押さえられる。井上がうめきながら声を出す。

 「一体何なんだ。」

すると井上と小室の頭の中に声が響く。

 (済まない。異世界の客人よ。)「誰だ。」

 (私は鮮血の魔女チェンバロ、そなたたちを招いたものだ。)「俺たちを元の世界に返してくれ。」

 (済まないが、戻ることはできない。)「無責任だろ。」

 (そなたたちには相応の地位を用意する。)「分かった。離してくれ。」

チェンバロがフロイス王に合図する。フロイスは兵を下がらせる。チェンバロが井上の前に立ってステータスを見る。

   職種 勇者 HP300 MP200 力150 敏捷性200 知力80 魔力70 剣技150 スキル 天龍剣

 (あなたは勇者よ。)「俺が勇者。」

チェンバロがフロイス王に言う。

 「彼は勇者です。」「おお、勇者かチェンバロよ、でかしたぞ。」「恐れ入ります。」

フロイス王の機嫌がよくなる。さらにチェンバロは小室の前に立ってステータスを見る。

   職種 魔法使い HP200 MP500 力100 敏捷性150 知力50 魔力200 剣技5 スキル 天使の抱擁

 (あなたは魔法使い。私の弟子にするわ。)「魔法使い?」

チェンバロがフロイス王に報告する。

 「もう1人は魔法使いです。魔力が強いので弟子としたいと思います。」「良かろう。勇者が戦いに赴くときは役に立つようにするのだ。」

 「しかし、魔法の習得には時間がかかります。」「召喚者には戦って成果を上げてもらわなければならない。攻撃魔法が使えれば良い頼むぞ。」「はっ。」

チェンバロはフロイス王が召喚者たちを兵器として使い捨てるつもりであることに気づく。勇者たちを時間をかけて育てれば国の防衛力になってくれるはずである。

 しかし、フロイス王はコルトバ王国に侵攻することしか考えていない。勇者たちは短時間の訓練でも即戦力になってくれるだろうが、長くは持たないと考える。

 チェンバロはフロイス王に進言する。

 「勇者たちを時間をかけて育てるべきです。そうすれば、他国への抑止力になりましょう。」「何を言っている。攻撃こそが最大の防御だ。勇者が死ねば、また召喚すればよい。」

 「彼らの生活を奪っているのですよ。」「鮮血の魔女よ。実験で何人殺したのだ。」

 「・・・分かりません。」「私に意見する資格はないな。次は、剣士とヒーラーが良いな。頼むぞ。」

フロイス王が笑いながら言う。チェンバロは頭を下げ従うしかなかった。

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