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第8話 異世界召喚、再び

 俺と弓里は一緒に帰ることにする。俺は図書室の入り口の方から視線を感じる。振り向くと高志がいた。

 「やあ、翼、良かったじゃないか。」「いつから見ていた。」

 「弓里が告白するところかな。お前、鈍いから冷や冷やしたぞ。」「俺は慣れていないんだよ。」

弓里は顔が真っ赤になっている。高志が笑顔で言う。

 「思いがかなってよかったね。」「伊能君、いつから私の気持ちに気づいていたの。」

 「異世界でルイス王の前にいた時かな。」「どうしてわかったの。」

 「弓里さんの目が翼にくぎ付けになっていたよ。」「えーーーーーー」

弓里は声を上げるとしゃがみ込む。俺は弓里に声をかける。

 「大丈夫だよ。高志は黙っていてくれるよ。」「翼、黙っていないとだめか。」

 「当たり前だ。」「見返りが欲しいな。」

 「らしくないぞ。」「異世界に残った雪島と谷垣のことが気になるんだ。」

 「異世界に行ったら、情報を仕入れるよ。」「さすがは親友。」「腐れ縁だろ。」

俺たち三人は校舎を出る。校庭ではまだ部活動が行われている。その校庭に魔法陣が浮かび上がる。俺は叫ぶ。

 「逃げろー飛ばされるぞー」

しかし、部活の生徒たちは反応できない。サッカーをしていた生徒が二人、魔法陣から出られず異世界召喚に巻き込まれる。

 高志が消えた生徒について説明する。

 「3年2組の井上大輝、サッカー部部長だ。もう1人は1年1組小室翔サッカー部員だ。」「ドゴール王国か。」「こんなのいやよ。」

二人が消える瞬間は、高校に取材のため張り付いていたマスコミによって撮影される。

 家にいたフルートが魔法の発動に気づいて学校へ向かう。学校では校内放送が流れ、生徒が校庭から避難する。

 鮮血の魔女チェンバロはまだあきらめていなかったんだ。新たに異世界召喚して勇者を得るつもりだ。ドゴール王国はそんなに戦争がしたいのか。

 俺は、金髪小太りのフロイス王に怒りを感じる。高志が俺に言う。

 「ドゴールの連中、本気でコルトバを攻めるつもりだぞ。きな臭くなってきたな。」「なんで私たちの高校なの。どうして狙われるの。」

 「それは、異世界召喚が高度な魔法だからだ。成功した場所を指定して成功の確率を上げたいのだろう。」

いつの間にかフルートが俺たちの元にいて弓里の疑問に答える。

 「翼たちは大丈夫だったか。」「代わりにサッカー部員が二人、巻き込まれたよ。」

 「二人か。まだ起きるぞ。」「二人が勇者と限らないからか。」

 「それもあるが、勇者、剣士、魔法使い、ヒーラーが欲しいからな。」「また狙われるのか。」

俺は何とか異世界召喚を止めたいと考える。フルートが俺の考えを読んだように言う。

 「やめておけ。下手に妨害すると何が起きるかわからないぞ。」「黙って見ておくのか。」

 「我も万能ではないぞ。」「でもチェンバロより上だよな。」

 「あんな小物と比較するな。」「ルイス様に報告するしかないか。」

 「ああ、ルイスに会いに行くぞ。ドゴール王国を孤立させる方が効果的だろう。」

俺とフルートにはチェンバロの異世界召喚を止めることが出来なかった。

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