第4話 幼女の肉料理は塩味
フルートは俺にフレアの上位魔法ファイヤーボールを教える。今回もイメージだけで呪文などはない。俺は疑問に思いフルートに質問する。
「魔法を使うために呪文とか必要ないのか。」「無論あるぞ。通常は魔法式を覚えてから使うのだ。」
「なぜ、魔法式を教えてくれないのだ。」「戦闘で使う初歩の魔法だ。いちいち魔法式を使っていたら発動に時間がかかる。だから、無詠唱でやれるようにするのだ。」
普通は魔法使いらしく魔法式というものを使うらしい。その方がいかにも魔法を使っている雰囲気が出ると思うのだがフルートに従うことにする。
俺はまず火球を作る訓練をする。フルートは直径2メートル位の火球を作りだすが、俺は直径1メートル位が精一杯だ。
次に火球をソフトボール位の大きさに圧縮する。俺は圧縮に苦戦する。コントロールを失敗すると破裂するのだ。
失敗するたびにやけどして髪はちりちりになる。その度にフルートはヒールしてくれるが熱風にさらされることは怖い。フルートは恐れるなと言うが体は言うことを聞いてくれない。
とうとうフルートが俺に言う。
「今日はやめにしておこう。」「俺は続けるぞ。」
「お前、自分の力におびえているではないか。それでは先には進めないぞ。」
フルートの言葉は俺が踏ん張っていた心を折ってしまった。俺はファイヤーボールを会得できないのか。そんなのは嫌だ。フルートは俺の心を読んだように言う。
「もう昼だ。食事にしよう。午後からは水魔法を教えてやる。」「分かった。水魔法を覚えるよ」
フルートは昼食の用意を始める。空間から切り分けたソードボアの肉を取り出し、厚めに切ると塩を振って焼き始める。俺は嫌な予感がする。
「もしかして、味付けは塩だけか。」「そうだが、ソードボアはうまい方だぞ。」
「ちょっと待て、家にアレがあるから持って来る。」「あれ?」「魔法の調味料だ。」
俺は急いで家に戻ると冷蔵庫にある焼肉のたれを取り出す。そして、肉が焼けないうちに戻って、ソードボアの肉に焼肉のたれを振りかける。
「良い匂いがするな。食欲をそそるぞ。」「塩味だけよりましだろ。」
肉が焼けて俺たちはソードボアのステーキを味見する。フルートは驚いたように言う。
「肉がこんなにうまくなるのか。素晴らしいぞ。」「焼肉用の調味料だからね。」
俺も肉にかぶりつく。だが、少し肉が硬い。これはコーラにでもつけて柔らくする必要がある。今は肉を引きちぎって飲み込むように食べる。
食事が終わって食器を片付ける。この時になって俺は気づいた。この家には水道が無いのだ。どうやって食器を洗うんだ。
フルートは両手を広げると大きな水の玉が出来る。水の玉に食器を入れると水の玉の中で食器が回転して汚れが落ちていく。そうだ、この家では水は全て魔法で補うようになっている。
これは、水の魔法を使えるようにならないと朝、顔を洗えないし、トイレも困る。水の魔法の習得は必修である。




