第7話 捜索依頼
俺はフルートに土日にスマホを操作できないことを相談する。フルートの返事は簡潔だった。
「平日もスマホで返事をしなければいいだろう。そうすれば土日だけ返事が無いとは言われまい。」「そんなんじゃ。雪島に嫌われるよー」
「翼、お前のスキルはなんだ。」「初恋童貞だろ。」
「そうだ。雪島とは別れることになるぞ。」「初恋童貞のレベルが上がらなければ、ずっと付き合えるだろ。」
「断言する。雪島レイのことは諦めろ。」「いやだよ。そんなの。」
俺は雪島が好きでいつまでも付き合っていたい。別れるなんてことは考えられない。
フルートは俺の悩みなど関係なく、明日のことを話し始める。
「明日は、早く出発するぞ。冒険者ギルドへ早く行きたい。」「エルマーに会う方が先だろ。」
「もちろんそうだ。エルマーに聞けばいいか。」「森の魔獣のことか。」
「そうだ。かなり手強い魔獣がいるはずだ。」「俺は役に立つのか。」
「自信を持て。翼は十分に強いぞ。」「勇者に勝っても、勇者がアレでは強さの実感がわかないなー」
「エドガーは強かったぞ。それに勝ったんだ。文句なかろう。」「納得するしかないか。」
翌朝の土曜日、フルートは早起きをする。よほど、森のことが気になっていたのだろう。
「翼、早く用意しろ。行くぞ。」「もうすぐ準備が終わるから待ってくれ。」
俺たちは急いで、クローゼットからフルートの家へ行く。すぐに俺は転移魔法の魔法陣を描いて、フルートと共に魔法陣に飛び込む。出たのはエルマーが借りている宿の部屋だ。
エルマーはすでに着替えて準備を終えていた。フルートがエルマーに状況を聞く。
「森の調査はどうなった。」「銀翼の剣が1週間前帰らずの森へ入ったが戻ってこない。」
「捜索隊は出したのか。」「銀翼の剣は国内最高の冒険者パーティーだ。それが行方不明なんだ。捜索に出られる者はいないぞ。」
「我らに捜索依頼は来ているのか。」「ギルド長のクレールに呼ばれて、直接頼まれたよ。」
かなり状況が切迫しているようだ。1週間前では、食料が持つかぎりぎりの線だろう。すぐにでも見つける必要がありそうだ。
エルマーが俺たちに言う。
「今からギルド長に会いに行く。そうしたら、帰らずの森に出発だ。」「分かった。いいな翼。」「おう。」
冒険者ギルドの2階にあるギルド長の部屋に入ると金髪のエルフが出迎えてくれる。ギルド長のクレールだ。
「待っていたよ。さっそくだが銀翼の剣を探してくれ。」
フルートがクレールに質問する。
「銀翼の剣のメンバーを教えてくれ。」「リーダは、ライマー・フィッシャー剣士Sランクだ。ロルフ・フェルザー戦士Åランク、アリーセ・ガウス魔法使いCランク、カルラ・フーバー ヒーラーBランクの4人だ。」
「かなりの高レベルだな。」「当たり前だ。国内最高と言われている。」
「翼、かなり危険だが。受けるか。」「俺は助けたいと思う。」
「決まりだな。クレール、我らは捜索に出るぞ。」「助かる。彼らを助けてくれ。」
フルートは銀翼の剣が全滅している事態も想定していた。その場合、魔獣との戦闘はかなり厳しいものになると考えていた。




