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第3話 冒険者になる

 フルートは紙に転移魔法の魔法陣を描いて俺に渡す。

 「翼、この魔法陣を暗記しろ、一瞬で描けるようにするのだ。」「こんな複雑な魔法陣を一瞬で描けないよ。」

 「大丈夫だ。魔力で描くのだ。手で書くこととは違うぞ。」「覚えるよ。」

俺は、紙の魔法陣を見て暗記を始める。半日ほどで頭の中に魔法陣を描くことが出来るようになる。

 「覚えたか。」「ああ、頭の中に思い浮かべることが出来るようになったよ。」

 「そうか。次に森の外を思い出して、はっきりイメージしながら魔法陣を魔力で描くのだ。」「同時にやるのか。」

 「そうだ。実戦で使えるためには必須だ。」「実戦?俺は戦うつもりはないよ。」

 「この世界では必要だ。」「とにかく、俺は転移魔法を使いたいんだ。」

俺は森の外をイメージする。さらに魔法陣を頭の中で描き魔力を足に流して、足をトンと鳴らす。すると地面に魔法陣が浮かび上がる。

 「よし、飛ぶぞ。」「おう。」

俺とフルートは魔法陣の中に入る。次の瞬間、俺たちは森の外に出る。おおっ、成功したぞ。これは便利だ。登校が楽になる。

 「おい、転移魔法を気軽に使うなよ。学校へはずるせずに行くんだ。」「便利なのに。」

フルートに心を読まれてしまった。仕方ない、転移魔法はいざという時に取っておくことにする。

 俺は転移魔法を自在に使えるようになるため、残りの時間を転移魔法の訓練に使う。

 俺は土日に異世界へ行く度、王都へ転移魔法で行くようになった。フルートも一緒だ。俺はエルマーを探し出した。エルマーに剣を教えてもらうためだ。

 エルマーは冒険者に戻っていた。俺とフルートは冒険者ギルドで冒険者登録をする。もちろん、ステータスは偽装している。

 俺はFランクになり、フルートはCランクの冒険者になる。エルマーは、俺たちのことを知っているので快くパーティを組んでくれた。

 しかし、他の冒険者は納得しない。

 「エルマー何やっているんだ。」「小僧、身の程を知れ、エルマーさんは国一番の剣士なんだぞ。足を引っ張るだけだろ。」

俺とフルートはエルマーに保護されている子供に見られていた。俺は黙っていた。連中には実力を見せれば黙るだろう。

 パーティ名は、フルートが考えて「帰らずの森」となる。最初、フルートは帰らずの森の仲間たちと言っていたが、俺とエルマーが説得して「帰らずの森」にまで譲歩してもらった。

 活動は、土日に当たる4日だけだ。最初の仕事は薬草採取だった。俺は不満だったが、エルマーが俺の気持ちが分かっているように言う。

 「冒険者は薬草を知らなくてはならない。まずは基礎だ。」「分かったよ。剣の訓練はしてくれよ。」

こうして、俺は異世界で冒険者になった。


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