第13話 弓里の裁定
俺はベットの中で身動きが出来ずにいる。フルートが俺に言う。
「翼お兄ちゃん、こっち見て。」「ああ。」
俺はフルートの方を向く。すると雪島が俺に言う。
「萩原君、背中を向けて、私のことが嫌なの。」「そんなことないよ。」
俺は雪島の方へ体を向ける。雪島のきれいな顔が見える。うん、幸せだ。
「お兄ちゃん、なんでそっちをむいちゃうの。フルートのことが嫌いなの。」「萩原君は私を選んでくれるんだよね。」
俺は板挟みになる。どちらかだけを選ぶことはできない。俺としては雪島の顔を見ていたいが、フルートをないがしろにできない。
「お兄ちゃん、私とお姉ちゃんどちらを選ぶの。」「選べないよ。だから上を向く。」
俺は仰向けになる。フルートと雪島の視線を感じるが無視する。すると雪島が左腕に抱き着く。胸が当たっている。柔らかい、う~ん、理性が・・・自制心、自制心。
フルートも俺の右腕に抱き着く。いい香りがして悪い気はしない。俺は身動きできずに一晩を過ごす。
朝になり、俺はフルート、雪島と登校する。途中、クラスメイトが話しかけてくる。
「萩原、うらやましいな。美少女二人と登校か。」「フルートは幼女だぞ。」
「かわいいからいいだろ。」「お兄ちゃん、私、美少女よ。」「大きくなったらな。」
フルートはむくれる。教室に入ると弓里奈々が待ち構えていた。
「雪島さん、報告をしてちょうだい。」「萩原君は、一緒に添い寝をしていました。」
「お風呂はどうなの。」「確認できませんでした。」
クラスの男子が騒ぎ始める。
「それって、雪島とフルートちゃんと寝たのか。」「うらやましい。」「なんて奴だ。裏切り者め。」
「男子、うるさいわよ。」
弓里が一喝すると男子は黙り込む。
「では、投票します。」
投票の結果は15対15だった。弓里が投票結果をまとめる。
「結果は同数でしたが、疑わしきは罰せずです。無罪とします。」
男子から悲鳴が聞こえる。フルートが俺に言う。
「お兄ちゃん、良かったね。」
フルートのせいだろ。谷垣がフルートに言い寄る。
「僕は谷垣というんだ。フルートちゃん、お友達になろうよ。」「いやよ。私はお兄ちゃんのものなんだから。」
「萩原君、フルートちゃんを分けてくれーーーーー」「お前にはフルートを近づけないからな。」
「俺たち友達だろ。」「ただのクラスメイトだ。」
谷垣は血の涙を流す。欲望に忠実な奴だ。
高志が俺の肩を叩いて言う。
「翼、良かったな。」「まあ、吊し上げられなくて良かったよ。」
「で、どちらを選ぶんだ。俺ならフルートちゃんを選ぶぞ。雪島は筋肉フェチだからな。」「雪島は彼女だぞ。変態のように言うなよ。」
高志の言う通りフルートが成長するなら美少女になるのだが、フルートは成長しないのだ。ある意味、谷垣の理想なのかもしれない。
俺は金曜日まで波乱の毎日を送る。土日は異世界で息抜きをするぞー




