第6話 フルートのステータス
高志が俺に言う。
「お前、半月で小太りをやめて筋肉質になるとは、どんな魔法を使ったんだ。」「ちょっと筋トレをね。」
本当のことは言えない。異世界で死にそうになりながら剣の訓練をしていると言っても信じてもらえないだろう。
「筋トレは嘘だな。ゲームコントローラーより重いものが持つことが出来ない奴が筋トレできるわけがない。」「失礼な。学校のかばんは持つことが出来るぞ。」
「何をしていたんだ。」「言えないなー」
「まあ、いいだろう。」
高志はなぜか引き下がってくれた。事情通の高志が追い込んでこないので、俺はかえって裏があると思えて怖い。
放課後になり、雪島が俺を誘ってくる。
「萩原君、一緒に帰りましょ。」「うん、雪島さんと帰れてうれしいよ。」
意外に雪島の家は俺の家から近かった。俺はコンビニのある交差点で明日の朝、待ち合わせる約束をして別れる。
俺が家に帰るとフルートが言う。
「何かいいことがあったのか、顔が緩んでいるぞ。」「分かっちゃった。初恋が実ったんだよ。」
「そうか。」「それだけ。」
「自分のステータスを覚えているか。」「あっ、スキル初恋童貞があったんだ。」
「お前の恋は成就するとレベルが上がって次の恋をすることになる。」「雪島と別れるのか、そんなの嫌だよー」
俺は久しぶりに自分のステータスを見る。
職種 魔法剣士 HP300 MP2500 力100 敏捷性90 知力50 魔力700 剣技50 スキル 初恋童貞レベル1
職種が変わっている。庶民から魔法剣士になっている。
「フルート、職種が変わったよ。魔法剣士だって。」「そろそろ、ステータスの偽装を覚えたほうがいいな。試しに私のステータスを見てみろ。」
俺はフルートのステータスを見る。
職種 魔法使い HP200 MP1000 力50 敏捷性50 知力10 魔力300 剣技1 スキルなし
フルートのステータスでないと俺には分かる。フルートが言う。
「これがステータスの偽装だ。普段から偽装状態を続けるようにすればいい。」「自分の正体を隠すのか。」
「そういうことだ。敵が油断する。あとは魔力の放出を普段から抑えておくといい。」「フローラは抑えているのか。」
「ああ、解放するとこんな感じだ。」
フルートの存在感が増す。というより、これはヤバいと感じる。俺の魔力など足元にも及ばない。これで魔法を使ったらとんでもないことになるだろう。
俺はフルートのステータスを見る。
職種 魔法使い HP5000 MP100000 力500 敏捷性500 知力1000 魔力30000 剣技40 スキル神の加護
これは化け物だ。数値が大きすぎて俺と比べることもかなわない。最古の魔女の本性がこれか。
「どうだ。」「どうだと言われてもすごいとしか。あと化け物。」
「美少女に対して化け物はないだろ。」「幼女だろ。」
フルートは再び魔力を抑える。うん、いつものフルートだ。こちらの方が落ち着く。
俺に一つ訓練項目が増える。俺は普段から魔力を抑えるように努めることになる。これは普段から自然にできないとばれてしまうらしい。




