第13話 マナウス傭兵団、国境へ行く
早朝、マナウス傭兵団の団員たちが集まり始める。
「昨夜は二人お持ち帰りしたぞ。やりまくったぜ。」「俺はマリアちゃん一筋だ。戻ったら指輪を買う約束をしているんだ。」「また、女に貢ぐのか、物好きだなー」
「おい、ドリスの奴、機嫌がよくないか。」「誰かドリスとやったのか。」「俺たちを相手にするわけないだろ。」
ドリスはこの上なく上機嫌だった。谷垣を連れまわして夜を共に過ごしたのだ。肌もつやつやになっている。
一方、谷垣は落ち込んでいた。涙を流しながら部屋の隅ですすり泣いている。ライマーが声をかける。
「谷垣どうした。とうとう女の子たちの親に怒鳴られたか。」「童貞が、俺の童貞が・・・」
「何!女の子とやったのか。この外道め。」「だったら、良かったんだけど。」
「良くない!何をやったんだ白状しろ。」「変な女剣士に連れまわされて、童貞を奪われたんだ。」
「なんだ、そんなことか。」「良くない。俺の童貞はフルートちゃんと結婚して、フルートちゃんに捧げるんだ。」
「この、気持ち悪い奴め。朝から妄想を垂れ流すな。」
声をかけたライマーは後悔する。谷垣はどこまで行っても変態なのだ。谷垣の話を聞いてしまったパーティメンバーは渋い顔になる。
団長のアヒムが顔を出す。
「揃っているかー、女に乗っかって時間を忘れている奴はいねだろうな。」「かわいい子が尻を振って待っているんだ。そんな奴は、いねーよ。」
「よーし、狩りの始まりだー」「「「おおー」」」
マナウス傭兵団が国境に向かって動き出す。みんな歩いているのだが進軍速度が異常に早い。そして、足音がしない。街の中は早朝の静寂を保ったままだ。
午前中に国境の町エルトに到着する。エルトの町では、ドリスが国境の川で漁をしている漁師を雇う。マナウス傭兵団は漁師の案内で国境の川へ向かう。
国境の橋では、コルトバの防衛隊とドゴールの第三騎士団がにらみ合って膠着状態が続いている。第三騎士団は三交代で見張りを交代している。
騎士団長は橋から少し離れた所に陣を設けて攻勢の時を待っていた。
陣へドゴールの方から騎士団らしきものが来る。第三騎士団の騎士は味方だと思って手を振る。すると騎士団らしき者たちは手を振り返す。騎士が言う。
「増援が来たぞ。騎士団長に知らせろ。」「おう。」
騎士団長の所に騎士が連絡に来る。
「増援が来ました。」「どこの騎士団だ。」
「分かりませんが味方です。」「どこの騎士団か確認しろ。」「はっ。」
連絡の騎士が戻ると騎士団らしき者たちは陣の前まで来ていた。騎士が声をかける。
「応援ありがとうございます。所属を教えてください。」「我々はマナウス傭兵団です。」
団員は笑顔のまま騎士を剣で両断する。他の騎士たちも声を上げる前に切り殺される。陣では誰も敵襲に気づいていない。
マナウス傭兵団は漁師の案内で浅瀬を渡河して回り込み、ドゴールの方から悠々と近づいてきたのだ。




