第10話 シャンプーとリンス
フルートが俺に言う。
「うまくやったな。シャンプーとリンスはやってしまってよかったのか。」「あれでいいよ。使った女性からうわさが広がるから黙っていても需要が生まれるよ。」
「翼様は商売の才をお持ちなのですね。」「仕方なしにだよ。これからは、お金がいると思うんだ。」
「そうかもしれませんね。」
チェンバロが同意する。
ユリアンは妻にシャンプーとリンスを渡す。
「なんですかこれは、容器も見たこともないような美しさですが・・・」「シャンプーとリンスだそうだ。これで髪を洗うとサラサラになるそうだ。」
「早速試してみます。」
妻は機嫌を良くして風呂へ行く。ユリアンは仕事に戻る。ユリアンが事務仕事をしていると妻からの使いが来る。
「奥様がすぐに戻ってきてほしいとのことです。」「何かあったのか。」
「奥様の髪が美しくなりました。」「分かった。すぐに行こう。」
ユリアンは仕事を中断して家へ急ぐ。ユリアンが息を切らして家へ到着すると妻が笑顔で出迎える。
「見て、私の髪。つやがあるわ。サラサラになったのよ。魔法みたいだわ。」「ああ、確かに見違えたよ。」
「あなた、ありがとう。」「シャンプーとリンスのおかげだろ。」
ユリアンは、すぐに王城へ向かう。萩原翼に会うためだ。ユリアンは面会を申し込み、客室に通される。
俺は使いの者に呼び出されて客室へ向かう。さっそく、土産の効果が出たようだ。
「ユリアンさん、急にどうされましたか。」「翼殿頼みがある。どうかシャンプーとリンスを売ってくれないか。」
「困りましたね。あれは高価で量産が出来ないのです。」「作った分は全てクンケル商会が買い取る。」
「う~ん、どうしましょう。あれはお土産用でしたので・・・」「2000マルだそう。」
2000マルは銀貨2枚だ。悪くない条件に思う。
「分かりました。代わりに出所が私だと言うことは内緒にしてください。」「ああ、もちろんだ。」
俺は魔法の収納バックからシャンプーとリンスを10セット取り出す。これで40000マルだ。
「今はこれだけしかありませんから、増産するようになるまでお得意様だけに売ってください。」「早く増産してくれ、これはヒットするぞ。」
ユリアンは目を輝かせて言う。これでクンケル商会と太いつながりが出来たわけだ。
俺が部屋に戻るとフルートが質問する。
「シャンプーとリンスは売れたのか。」「ああ、10セット売ったよ。40000マルになった。」
「一個2000マルか。あくどい奴め。特売のシャンプーとリンスだろ。」「でも、これで資金が貯まるよ。」
俺は、コルタナ魔道国で商会を立ち上げようと考えていた。




