第9話 オカリナ、両親に会う
俺たちはオカリナをこちらの世界へ連れて行くことにする。俺は条件に城に出入りする商人を紹介してもらう約束を取り付ける。
俺は商人に品を売って稼ぐことを考えている。規模が大きくなれば倉庫を借りなければならないだろう。
オカリナは俺たちについて黒い渦に入り、世界を渡る。オカリナは俺の部屋を見て「なんだ、倉庫につないでいるのか」と感想を漏らす。
ここが俺の部屋だと知るとオカリナは魔法の収納バックを俺にくれることになる。オカリナは両親に挨拶するために日本語を2日でマスターする。
魔女たちの語学力はすごい。俺はアラキア語を習得するために1カ月近くかかった。それも簡単な会話程度だ。
俺は両親に言う。
「あって欲しい人がいるんだけど今からでもいいかな。」「そうか。異世界から来たんだね。」
「そうだよ。」「どんな子か楽しみだわ。」
「じゃあ連れてくるね。」
俺はオカリナを連れて両親のいる居間へ行く。
「こちらオカリナさん。コルタナ魔道国の国王をしている。こちらが俺の両親だよ。」「オカリナ・キンケルです。翼殿と結婚を前提に付き合っています。」
えっ、俺、結婚の話などしていないぞ。
「まだ若いのに国王をしているとは、素晴らしいお嬢さんだ。翼にはもったいないな。」「いいえ、私の伴侶には翼殿以外には考えられません。」
「翼をよろしくお願いします。」「はい、私こそ翼殿に助けられています。」
「翼、4人もお嫁さんが出来てすごいな。うらやましいよ。」「あなた~」
「私は君に会えて最高だよ。」「まあいいでしょ。」
父さんの立場は弱いようだ。俺も将来が怖い。
オカリナは、両親に挨拶を済ませると異世界に帰って行く。やはり、仕事が忙しいのであろう。
俺は、フルートとチェンバロと相談して、石鹸とヘアシャンプー、リンスを多量に仕入れる。これで俺の貯金は三分の一がなくなる。
異世界で俺はまず商人を相手に商売を始めようと思っている。オカリナには商人を紹介してもらえるので怪しい異世界人が警戒されることはないだろう。
俺、フルート、チェンバロは客間で商人がやって来るのを待っている。すると小太りの小柄な男が入って来る。
「こんにちは、ユリアン・クンケル、クンケル商会の会長をしています。どのような商品をお求めでしょうか。」「萩原翼です。石鹸を商会で取り扱ってもらいたいと考えています。」
「申し訳ありません。私どもは王族や貴族を相手に商売をしています。よほど高品質な石鹸でないと・・・」「どうぞ、確認してください。」
俺は石鹸を箱から出してユリアンに渡す。
「ほう、なかなかの出来栄えですな。試しに使ってみてもよろしいですか。」「どうぞ。お試しください。」
ユリアンは石鹸を持って水場へ行く。ユリアンはずっと帽子をかぶったままだった。しばらくしてユリアンが走って戻って来る。
「翼殿!この石鹸は他におろしたりしていないでしょうな。」「はい、クンケル商会に紹介するのが初めてです。」
「我が商会で独占販売させてください。500マル、いや800マル出しましょう。」「では、1000マルでクンケル商会だけにおろすことにします。」
「900マルでお願いできないでしょうか。」「1000マルでお願いします。代わりに奥様にシャンプーとリンスをおみあげに差し上げましょう。」
「シャンプーとリンスですか。」「髪がサラサラになりますよ。使い方はこの紙に書いてあります。」
「これは珍しい。翼殿にはかないませんな。1000マルでお願いします。」「石鹸はどのくらい用意しましょう。」
「とりあえず100個お願いします。」「分かりました。」
フルートが位相空間から石鹸を出す。300個用意していた。ユリアンは目を見張る。
「そんなにたくさん用意できていたのでしたか。」「ええ、一応、多めに用意していました。」
「素晴らしい。よろしくお願いしますよ。」「もちろんです。」
ユリアンは小躍りして喜ぶ、するとかぶっていた帽子がずり落ちる。ユリアンは、はげだった。




