第6話 両親への紹介
珍しく両親が俺の部屋に来る。ノックするので、フルートとチェンバロにはクローゼットの中に隠れてもらった。
「どうしたの。何か用?」「お父さんたちは、翼のお嫁さんに夷隅さんが良いと思っている。今度、一緒に食事でもどうだ。」
「俺は高校生だよ。結婚なんて早いよ。」「分かっている。婚約だけでもしておかないか。」
「婚約はしないよ。」「食事だけでもいいじゃないか。」
「分かった。食事するだけだよ。」「明日の夕食でいいな。もう予約してあるから。」
「父さんたちは僕に興味がなかったんじゃないの。」「仕事が忙しいからかまってやれなかった。夷隅さんの言葉で目が覚めたよ。」
夷隅先生は俺の両親を心変わりさせてしまったらしい。仕事人間の両親を変えてしまうなんてすごいことだ。
とりあえず。勉強しているからと両親を部屋から追い出す。するとクローゼットからフルートとチェンバロが出てくる。
「こら、どういうことだ。夷隅と婚約だと我らを捨てるつもりか。」「婚約は断っただろ。」
「我らも両親に紹介しろ。」「えっ、どうやって。」
「そのままいえばいい。」「異世界から来たというのか。」
「そうだ。嘘はいけないぞ。」「どうなっても知らないぞ。」
俺はフルートとチェンバロを両親に紹介することにする。
「父さん母さん、話があるんだけど。」「珍しいな、翼から話なんて。何でも聞くぞ。」
「紹介したい人たちがいるんだ。」「分かった。いつでも連れてきなさい。」
「今、いるんだ。」
フルートとチェンバロが居間に入って来る。
「まあ、かわいい子と美人さんね。」「幼女の姿をしている人がフルート、最古の魔女と呼ばれている。赤い髪の人がチェンバロ、鮮血の魔女呼ばれている。」
「どういう関係なんだ。」「一緒に暮らしているんだ。」
「気づかなかったぞ。」「まあ、いつもは部屋にこもっているから。」
フルートが話し始める。
「我は翼の魔法の師匠じゃ。出会いはたまたま異世界につなげた穴が翼の部屋に繋がったためだ。」「小さのにしっかりしているなー」
「侮るな。これでも1000年は生きているぞ。」「一緒に暮らしているんだね。」「そうだ。」
「私はチェンバロです。翼様の二人目の妻です。」「翼と結婚しているのか。」
「将来、結婚する予定です。」「夷隅さんもいるしな。困ったな。」
「大丈夫です。私たちは異世界の住民ですから異世界で結婚します。」「そうか。翼、うらやましい奴め、まるでハーレムじゃないか。」
「俺は困っているんだよ。」「異世界と二重の生活をすればいいだろ。人生が二倍楽しめる。」
「異世界の話を信じるのかい。」「父さんも異世界にあこがれていたんだ。孫が出来たら、異世界に連れて行ってくれ。」
母さんもニコニコして聞いている。俺の両親のイメージと大違いだ。人は話してみないと分からないと思った。
明日の食事会には、フルートとチェンバロも参加することになった。




