第5話 校長の悩み
担任がホームルームを開始する。担任は初めに言う。
「二学期が始まった。まだ1年生だと思っているとすぐに大学受験が来るぞ。色恋沙汰もいいが、ほどほどにしておけよ。」
担任は俺を見る。俺は無実だぞ。担任は続けて俺に言う。
「萩原は、この後、私と職員室に来なさい。」
うっ、とても嫌な予感がする。絶対に夷隅先生がらみだ。ホームルームが終わると俺は担任と一緒に職員室に向かう。そして、担任は俺に気の毒そうに言う。
「お前も大変だな。」「なんですかそれ。何かあるんですか。」
「職員室に行けば分かるよ。」「はあ・・・」
俺と担任が職員室に入ると何か協議していたようだが、突然静まり返る。校長が俺を見て夷隅先生に言う。
「萩原君にも分かるように、もう一度説明をお願いします。」
俺は猛烈に嫌な予感がする。
「私は夏休み萩原君と連絡が取れないので、ご自宅の電話へ電話して、ご両親と話していました。」
「そこは教育熱心で構いませんよ。」
本当か、生徒の携帯電話にかけまくって出ないから、自宅の固定電話に電話しているんだぞ。まるでストーカーだ。
「私はご両親と仲良くなりまして、萩原君を頼むといわれて、お付き合いをしてもいいか尋ねたら、嫁に来て欲しいと・・・きゃっ。」
父さん母さん何言っているんだ。非常識だろ。先生に何言っているんだよ。校長が咳払いをして夷隅先生に尋ねる。
「先生は萩原君が好きなのですか。」「もちろんです。早く嫁に行きたいです。」
校長は俺を見て言う。
「萩原君、夷隅先生はこう言っているのですが、身に覚えはありますか。」「夷隅先生が俺に好意を寄せていることは知っていますが、両親と結婚の話は知りません。」
「そうすると今日の話は寝耳に水だと言うことですね。」「はいそうです。結婚はまだ考えていません。俺はT大を目指していますから。」
「萩原君はしっかりしている。困ったことがあったら先生たちに言いなさい。」「萩原君、私の所へ来るのよ。」
「行きません。」「冷たいわ。先生、泣いちゃうわよ。」
「夷隅先生は、節度を持って、生徒と教師と言うことを忘れないように。「はい、学校では先生と生徒です。外では両親公認のカップルです。」
「夷隅先生は、この後、校長室へ来てください。」「私には萩原君がいるから校長とお付き合いは出来ませんよ。」
校長の頭の毛がハラハラと落ちる。俺は校長の頭の毛が薄くなったと感じる。




