第4話 二学期始業式
二学期の始業式が始まる。校長の長い話が続く。俺は何となく夷隅先生の方を見る。すると夷隅先生は俺の視線に築いたのか、俺の方を見る。
そして、ウインクして、手を振る。何をしているんだ。あの人は・・・
気づいた生徒たちがざわめきだし、一斉に俺の方を見る。ああ、視線が痛い。
始業式が終わって体育館を出ると俺はクラスの男子たちに囲まれる。やばいなー、また学級裁判かよ。
俺は隙を見て逃げようとするが、気づかれ両腕をがっちりつかまれる。こういう時、クラスの男子の結束力は強いのだ。俺は1年3組の教室に連行される。
「さて、体育館での我らの天使夷隅先生の行動についてだが、あれは萩原に対して行った。そうだな。」「「「異議なし」」」
決めつけるなよ。高志、助けてくれ。高志は手を合わせている。弓里はどうだ、別れた元カノとはいってもクラスのリーダー的存在だ。あっ、そっぽ向かれた。孤立無援だ。
「我々はある疑念を抱いている。萩原、君は何をして夏休みを過ごしたのかね。」「家にこもっていたよ。勉強していたんだ。」
異世界のことは言うわけにはいかない。夏休み中、異世界にいたのだから家にこもっていたとしか言えない。
「するとフルートちゃんとずうっと一緒にいたんだ。あんなかわいい娘と二人きりなのか。どうかね諸君。何かあったとは思わないかね。」「俺なら我慢できません。」「デートします。」
「諸君の言うとおりだ。萩原に罪はあるか。」「「「ギルティ」」」
「一つ目の罪が暴かれたな。」「おい、証拠はあるのか。」
「状況証拠で充分だ。」「無罪を主張する。」
「さて、夷隅先生の件だな。」
おい、無視するなよー、俺が幼女に手を出す訳ないだろ。
「夏休み中、夷隅先生と一緒に海へ行ったり、花火を見たりしていないだろうな。」「夷隅先生とは会っていないよ。」
「夷隅先生の水着姿、たまらん。」「浴衣の夷隅先生、たまらん。」「おい、欲望が駄々洩れしているぞ。」
「黙れ、夷隅先生とどんな関係なんだ。」「ただの生徒と先生の関係さ。」
「嘘言え、だまされないぞ。みんな、そうだよな。」「本当のことを言えよ。」
夷隅先生が俺に惚れているなんて言えない。ごまかすしかない。
「信じてくれ。俺の目を見てくれば分かるだろ。」「濁った目をしているぞ。」
「おい、担任が来るぞ。」「くそっ、ここまでか。」
俺は解放される。夷隅先生のことだ。これからのことを考えると頭が痛い。




