第16話 コルトバ軍の脱出
コルトバの第一騎士団、第二騎士団、第三騎士団、第四騎士団は、密集隊形でドゴールの第三騎士団を突破する。するとドゴールの第四騎士団が現れる。
騎士団長たちは理解する。敵の騎士団を突破しても、その騎士団は知り尽くした地形を利用して自分たちの前に回り込み、新たな壁となって現れるのだ。
これではいつまでたっても包囲から逃れることはできない。進路を変えるか、いやそれでは横っ腹を敵に見せることになってしまう。
既に選択の自由は奪われているのだ。敵の壁を突き破りながら進むしかない。騎士団長たちは死の行軍を覚悟する。
騎士団長たちは、部下たちを鼓舞しながら、新たな敵にぶつかっていく。
コルトバの第五騎士団長は、しんがりを引き受けて、騎士団の全滅を覚悟していたが、後方から敵が来る様子がない。そして、伏兵を警戒しながら前進する。
しばらく進むと騎士たちが倒れている所に出る。戦闘の跡だ。第五騎士団長は騎士たちに指示を出す。
「生存者を確認しろ、敵兵はとどめを刺せ。」「おう」
騎士たちは、倒れている一人一人を確認していく。そして、コルトバの第一騎士団の騎士のまだ息が有るものを発見する。第五騎士団長は、倒れている騎士に声をかける。
「戦闘の状況を教えてくれ。」「敵が待ち受けていました。我々は突破して前に進んでいます。ゴホゴホ。」
「敵がいないぞ。どこへ行った。」「敵は突破されると走って道の脇へ入って行きました。ハアハア。」
「分かった。傷は浅いぞ。」「腹を切り裂かれています。助からないのでしょう。介錯をお願いします。」
「かたきはとってやるからな。」
第五騎士団長は騎士の願いを聞き届けて楽にさせる。それから第五騎士団は戦闘の跡をたどることになる。
コルトバの第一騎士団、第二騎士団、第三騎士団、第四騎士団は、いくつもの敵の壁を突破するが、急に敵の壁がなくなる。谷垣が暴れてドゴールの騎士団に甚大な被害を出したためだ。
騎士団長たちは谷垣が暴れたことを知らない。そのため、敵が作戦を変更したのかと警戒して進む。この時、コルトバの第一騎士団、第二騎士団、第三騎士団、第四騎士団は戦力の半分を失っていた。
第五騎士団は、ケガをして脱落した騎士たちを回収しながら進む。第五騎士団長は状況を把握する。
ドゴールは、コルトバの前方に兵力を集中していたため、自分たちは敵と遭遇しなかったのだ。
コルトバの第一騎士団、第二騎士団、第三騎士団、第四騎士団は、勇者パーティと合流する。騎士団長たちはライマーと話し合う。
「すでに我々にアイアを攻略するだけの戦力は残っていない。」「第五騎士団の合流を待って撤退しましょう。」
ライマーの言葉に騎士団長たちは賛成する。日が暮れた後、やっと第五騎士団が合流する。けが人を連れていたので進軍が遅かったのだ。




