第10話 魔導書マグル
俺は、フルート、チェンバロと同じ部屋に泊まることになり一緒にいる。さらにフルートに一人で行動することを禁止されてしまった。
フルートは、俺が一人になるとまたオカリナと二人きりで会うと考えているのだ。確かにオカリナは俺を誘ってきた。フルートが警戒するのも無理はない。
泊っている部屋には、風呂やトイレもあり、食事も運ばれて来る。一日中、何の不足もなく過ごすことが出来る。それでも部屋にこもっていれば気が滅入る。
俺は、内心、何か起きないか期待していた。俺はフルートとチェンバロに言う。
「街を見に行かないか。部屋にこもっていたらつまらないだろ。」「我慢しろ。」「私は翼様のそばなら構いませんわ。」
う~ん、一言目から話にならないかー
なぜ、異世界から戻らないかと言えば、学校は絶賛夏休み中なのだ。フルートが俺に言う。
「翼、宿題があるだろ。」「もう終わっているよ。」
「ならば予習をしろ。」「俺は授業だけで十分だ。俺の成績を知っているだろ。」
「トップではないだろ。」「目標大学に進学できる成績ならいいんだよ。」
「足元をすくわれるぞ。」「大丈夫だよ。」
「なら、これを読め。」「なんだよ。」
フルートは位相空間から魔導書を取り出して俺に投げてよこす。
「フルート、魔法は体で覚えるものだろ。」「そろそろ、魔法の真髄を知る方が良かろう。お前はまだ初心者だ。」「分かったよ。」
俺はソファに座って魔導書を開くと魔導書の中に引き込まれる。気がつくと俺は石の壁に囲まれたところにいる。少し歩いてみるが迷宮のようだ。
俺は部屋のようなところに出る。そこには甲冑が立っている。飾ってあるのか。魔力探知では人が入っていない。
俺は甲冑の横を通り過ぎようとする。俺は視線を感じる。それも甲冑からだ。横に飛び距離をとると俺にいたところに甲冑の右こぶしがくる。甲冑が動いている。信じられないが何とかしないと。
とっさにファイヤーボールを撃ちこむ。体が勝手に動いたのだ。甲冑は炎に包まれる。やったのか、いや鉄に炎は効かないだろう。
どうするエアカッターは効かないだろうし・・・そうだ、熱で溶かしてしまえばいい。
俺は、再びファイヤーボールを撃つ。今度は集中して高温にする。甲冑は熱で赤く光る。まだだ、もっと高温にするんだ。
ファイヤーボールを撃つ。甲冑は熱で光りながらぐにゃりと曲がる。やったーうまくいったぞ。甲冑は溶けながらつぶれていく。
すると俺の足元が崩れて闇に堕ちる。気がつくと部屋のソファに座っていた。何だったのだ今のは・・・
「フルート、俺、今・・・」「魔導書に引き込まれたのだろう。試練を乗り越えたから戻って来れたのだ。」
「魔導書はみんなそうなの。」「これは特別製だ。マグルの魔導書だ。これは開くたびに新しい試練が課されるようになっている。」
「フルート様、マグルをお持ちなのですか。伝説の魔導書ですよ。」「偶然手に入れた。我はこれで自らを鍛えたのだ。」
試練てクリアできなかったらどうなるんだ。危ないものを渡すなよ。
「翼、不満そうだな。」「戻って来れなかったらどうするんですか。」
「そうなったら、それまでだ。」「薄情だな。」
「ステータスを上げて行かないと死ぬぞ。」「死ぬんだ。」
俺は自分のステータスを確認する。
職種 魔法剣士 HP3000 MP10000 力700 敏捷性650 知力800 魔力7000 剣技500 スキル お姉さんハーレムレベル3
でMPと魔力の数値が跳ね上がっていた。




