第18話 教室裁判
放課後、俺は教室で男子たちにロープで縛られて吊るされている。男子の一人が取り仕切る。
「今から、裁判を執り行う。萩原翼の罪状は、我らの天使夷隅先生と音楽準備室であいびきして、あまっさえ我らの追及を逃れて、いずれかでいちゃついたことにある。」
「異議はあるかな。」「「「異議なし」」」
「待ってくれ、誤解だ。俺は先生に呼び出されて話をしただけだ。」「話?会話の内容を包み隠さず話したまえ。」
本当のことは言えない。言ったら殺される。
「成績が悪いからもっと頑張るようにだ。」「検察官、萩原翼の成績表をここへ。」
おい、成績表って、個人情報が洩れているではないか。
「どれ、学科A判定、実技A判定、学年13位。素晴らしい成績だ。」「音楽だけ学年順位が低いだろ。」
「うむ、数学3位、国語・・・」「こら読み上げるな。」
「さて、諸君、判決はどうかな。」「「「ギルティ」」」「優等生は死ね。」
「さて、我々も鬼ではない。取引をしようじゃないか。」「なんだ。」
「フルートちゃんを学校へ連れてきたまえ。」「何!」
「彼女なら我々の傷ついた心を癒せるだろう。」「断る。」
「諸君、美少女を独り占めしたいそうだ。」「「「ギルティ」」」
その時、校内放送が流れる。
「1年3組の萩原翼、至急職員室まで来るように。」
生徒指導の声だ。この状況からは逃れられるが、職員室で起こることを考えると頭が痛い。
俺は男子生徒から解放され職員室へ向かう。職員室に入ると教師たちが揃っている。そして、生徒指導が俺に小声で言う。
「萩原、信じているぞ。」
なんだ、何が起こるんだ。俺の腹の底に冷たいものが流れる。
教頭が俺に質問する。
「萩原君、君は夷隅先生と付き合っているのかね。」「いえ、付き合っていません。」
「では、異世界で夷隅先生を救ったと言うことはありますか。」「異世界?何のことですか。」
夷隅先生には悪いが異世界のことは話せない。教頭は夷隅先生に話しかける。
「彼は異世界のことは知らないようですがどういうことですか。」「彼には済まないことをしました。混乱しているようです。」
「記憶がはっきりしないのですね。」「はい。誰かに助けられたようなんですが・・・」
「夷隅先生も何かしらの被害にあったようですが、生徒を巻き込むことは良くありませんね。」「はい。すみません。」
会議で夷隅先生は何者かに拉致監禁されたと結論が出され、警察に被害届を出すことになった。
俺は夷隅先生に謝罪する。
「夷隅先生、本当のことを言えなくてすみません。」「いいのよ。将来の旦那様をかばうことが出来たから満足よ。」
「あの、旦那様って何のこと。」「萩原君が高校を卒業したら結婚するのよ。」
「俺にその気はありませんよ。」「責任はとってもらうわよ。」
俺は夷隅先生に何もしていないぞ。
「萩原君は私の心を奪ったでしょ。」
何っ!このままでは夷隅先生と結婚することになってしまう。どうする。フルートに相談するか、いやなぜかちょっと怖い。このままではやばい。




