↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の部屋のクローゼットが異世界と繋がったことについて  作者: ぽとりひょん
第8章 コルトバ、ドゴール開戦前夜
PR
115/219

第7話 夷隅の帰還

 俺はとりあえず夷隅先生を元の世界に返すことを考える。しかし、夷隅先生は俺に言う。

 「お腹減らない。私が何か作りましょうか。」「先生、こんな時に何考えているんですか。」

 「えっ、おなかがすいたから何か食べたいと思ったのよ。」「・・・」

夷隅先生はどんな状況でもマイペースらしい。俺は仕方なくカップ麺を取り出す。

 「萩原君、そんなものを食べているの。野菜も食べないとだめじゃないの。」「野菜ならありますよ。フルート、野菜を出してあげて。」

フルートは位相空間から買い置きをしていた野菜を取り出す。位相空間の中では時間が止まっているようで野菜は新鮮なままだ。

 キャベツを丸ごとテーブルに置き、続いて大根、シイタケ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、ホウレンソウ、キュウリ、ナスとドンドンテーブルに積み上げていく。

 「さあ、夷隅好きなだけ作るがいい。」「任せて、強力粉はあるかしら。」

 「先生、どうするんですか。」「餃子の皮を作るのよ。」

フルートは黙って強力粉を取り出す。いつ買ったんだ?

 夷隅先生は調味料や調理器具をフルートに請求しながら料理を進めていく。そして、野菜だけで肉無餃子にナスのみそ和え、ポテトサラダとテーブルを料理で埋めていく。

 「萩原君、さあ召し上がれ。」「食べていいの。」

 「どう、先生いいお嫁さんになると思わない。」「その料理の腕は彼氏に振るってください。」

 「だから、萩原君に振る舞っているのよ。」「俺は彼氏じゃないですよ。」

 「キャーまだ早いわよ。旦那様なんて急ぎ過ぎよー」「世界は先生が中心に回っているんですね。」

 「口説いても駄目よ。まだ彼氏どまりなんだからね。」

フルートが俺の肩をたたいて首を振る。夷隅先生の暴走は誰にも止められないらしい。

 俺たちは先生の料理を食べる。おいしい料理だ。チェンバロが夷隅先生に作り方を聞いてメモしている。鮮血の魔女の手料理、なんか嫌だ。

 食事が終わるとフルートが夷隅先生に言う。

 「今から、お前を学校へ返してやろう。」「私が邪魔なのね。萩原君との仲を裂くつもりなの。」

 「何を言っている。お前は教師なのだろ。学校へ帰ることは当然じゃないか。」「確かに言うとおりね。」

チェンバロの顔色が変わる。

 「フルート様、召喚者を返すことが出来るのですか。」「当たり前だ。」「す、すごい。」

チェンバロは奇跡を見るように感動している。フルートは手早く魔法陣を描き上げると夷隅先生を魔法陣に放り込んで学校へ飛ばしてしまう。

 「ふう、やれやれ。」

フルートが独り言を言う。一仕事を終えた気分なのだろう。


 夷隅先生は日曜日朝の学校へ戻って来る。部活で学校に出てきた生徒が夷隅先生に気づく。そして、騒ぎになり、校長が出てくる。

 「夷隅先生、失踪している間、どこにいたのですか。」「異世界に召喚されていました。」

 「異世界ですか。混乱しているようだ。」「1年3組の萩原君に助けられてプロポーズされたんです。」

 「萩原君はちゃんと学校へ登校していますよ。何かの間違いではないですか。」「萩原君が腕を掴んで悪の城から救い出してくれました。彼が高校を卒業したら結婚します。」

 「先生はかなり混乱しているようだ。病院へ行きましょう。」「私は健康ですわ。」

校長は救急車を呼ぶ。これをきっかけに校長の頭の毛が薄くなっていくが、それは別の話だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。