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第11話 幼女と朝食

 俺が起きると両親はもう仕事に出かけている。俺はフルートを起こして、朝食の用意をする。焼いたトーストと目玉焼きだけである。それでもフルートは目を輝かせる。

 「卵を食べているのか。翼の家はセレブだったのか。」「違うよ。卵が珍しいのか。」

 「ああ、食べるのは貴族たちだ。庶民は食べることはほとんどない。」「卵が食べられないのはつらいな。」

 「食べていいのだな。」「どうぞ。」

フルートは卵を食べて変な顔をする。

 「この卵は生焼けだぞ。」「俺は半熟が好きだから。」

 「腹を壊さないのか。生は危険だぞ。」「大丈夫、生でも食べられるから。」

 「新鮮なのだな。」「そう言えば、外国では生で食べないと聞いたことがあるな。」

 「そうだろ、良く火を通すことが基本なのだ。」「日本では生で食べられるから気にしなくてもいいよ。」

 「そうか。半熟というものはうまいな。」

さらに、フルートはパンに手を出して驚いたように言う。

 「これはパンなのか、柔らかいぞ。」「日本ではパンはそれが普通だよ。国によってはバケットを食べるからもう少し硬いパンを食べるところもあるよ。」

 「そうか。」「マーガリンで味はついているけど、甘い方が良ければジャムをつけると良いよ。」

 「まずはこのままいただこう。うまいな、このまま食べられるとはすごい。」「残りはジャムをつけてみる?」「そうしよう。」

フルートはイチゴジャムをつけてパンを食べる。イチゴジャムを気に入った様で2枚目のパンにたっぷり塗って食べて、幸せそうな顔をする。

 俺は学校へ登校する。フルートには出歩かないように約束した。フルートを一人で外に出すことはトラブルになると考えたのだ。

 教室に入ると雪島が近づいて来る。どうして、何かあったのか。

 「萩原君、おはよう。フルートちゃんは元気にしている?」「うん、元気だよ。」「そうか、良かった。」

フルートは雪島と何を話したんだ。気になる。すると後ろから肩を叩かれる。高志だ。

 「どうした、立ち尽くして、雪島に声をかけられてフリーズでもしていたか。」「おはよう。驚いただけだよ。」

 「もっと気の利いたことを言えばいいのに。」「見ていたのか。」「ばっちりな。」

 「で、フルートちゃんとは誰だ。」「母の友達の子供だよ。」

 「そうか。土曜日、お前が幼女とデートしていたからロリコンになったと思ったが違ったかな。」「俺は雪島が好きなんだよ。」

 「頑張って筋トレしろよ。」「というより、土曜日のこと見ていたのか。」

 「ずっと見ていたぞ。」「気がつかなかった。」

 「幼女がフルートちゃんでいいのか。」「そうだよ。」

 「お前、フルートちゃんに乗り換えろよ。」「どうして。」

 「あの子はきれいになるぞ。今のうちに手なずけて彼女にするんだ。」「源氏物語でもあるまいし、幼女に興味はないよ。」

 「雪島よりいいと思うがな。」「俺の初恋を否定しないでくれ。」

 「筋肉フェチがいいか。」「彼女を変態にするな。」

高志の情報取集能力はすごい。フルートに目をつけられると危ない気がする。こうして、学校生活の1週間が始まった。


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